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吾喰楽家の食卓

令和四年の初笑い(新春国立名人会) 

2022年01月06日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

毎年、一月の国立演芸場は、二日から七日まで新春国立名人会を興行する。
二日だけ二回公演だから、松の内に七回ということになる。
五日の良い席(最前列中央ブロック)が、確保できたので観に行くことにした。
噺家の出演者は、半数以上が定席だとトリを務めるような、錚々たるメンバーが揃っている。
落語芸術協会(遊三・夢太朗・米助・鯉昇・文治)と、円楽一門(好楽・兼好)の七名だ。

今回のお目当ては、仲入り前を務めた夢太朗である。
お馴染みの古典落語『時そば』を口演したが、蕎麦を食べる所作は流石だ。
前座や二ツ目も、よく高座に上げるが、彼らのお手本になるような出来だった。
夢太朗の『時そば』は二回目だが、他には『猿後家』、『ねずみ』、『中村仲蔵』、『品川心中』を観ている。
『中村仲蔵』が最も印象に残っているが、今回の持ち時間では無理だろう。

笑点でお馴染みの好楽は、滑稽噺の『胡椒の悔やみ』を口演した。
軽い噺だが、ヒザ前(トリの二人前)として、良い仕事をしたと思う。
初めて聞く噺だが、発想は『くしゃみ講釈』と似ていた。
胡椒の力を借りて泣いて悔やみを言うのだが、その場面では真に迫って目を赤くしていた。
兄弟子の鳳楽も人情噺などで泣くのは上手いが、それは円楽一門のお家芸なのだろうか。

トリを務めた遊三は、やはり笑点メンバーである小遊三の師匠である。
パソコンでkoyuuzaと入力すると簡単に「小遊三」と変換できるが、yuuzaでは「遊三」とならないのは何とも残念だ。
通常、定席だとトリの持ち時間は三十分だが、今回は仲入り前と同じ二十分しかなかった。
トリは地位に相応しい大ネタを選ぶが、二十分で『子別れ』を巧くまとめたのだから、その技量は素晴らしい。
師匠に夜席の予定が無いのであれば、少々延長しても構わないと思うのだが・・・

   *****

写真
2022年1月5日(水)撮影:国立演芸場の場内と演題

御礼
「蕎麦の食べある記No.26」に、拍手を有り難う御座います。この場を借りて御礼申し上げます。



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