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束縛する男からの自由、ソウルの女王「リスペクト」 

2021年11月22日 外部ブログ記事
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「リスペクト」アメリカ 2021年 原題:Respect 「リスペクト」のポスターが、上映の1か月以上前から貼られていて、最初、見た時に映画のポスターとは思わず、黒人シンガーのコンサートポスターだと思っていた。リーズル・トミー監督の「リスペクト」の上映が始まり、映画館の前にポスターが表示されて、さすがに気がついたもののどこか、観るのを億劫にも感じていた。ポスターは色彩は綺麗だが、観たいと思わせるドラマチックな要素に乏しい。映画の予告編も映画の魅力がこちらに充分に伝わってはこなかった。しかし、評論家にやたら評判がいい。今、来ている洋画にあまり心動かされるものがないので、観たい映画が到着するまでの繋ぎのような気持で観た。広い映画館には、客が5.6人しか入っていなかった。映画は2018年に76歳でなくなった、ソウルの女王アレサ・フランクリンの半生を演じた伝記ドラマ。彼女は1999年、タイム誌の「20世紀を代表する100人」に選ばれている。子供の頃から、父親に大勢のお客の前で歌を披露させられ、その歌唱力は天才と称されていた。煌びやかなショービズ界の華となったアレサはスターとしての成功を収めた。父は、教会の牧師で、かつ黒人の地位向上のために演説をする高名な説教師。父の家族を含めアレサに対する束縛は厳しく、彼女が抗議しても聞き入れようとはしない。そして、彼女に親しげに話しかけてくる男に対しては、徹底して排除する。父の束縛から逃げ出すこともあり、知り合った音楽プロヂューサーとアレサは結婚する。しかし、今度は夫がアレサの行動を縛ろうとする。夫の暴力で顔にアザができることもあった。夫の暴力行為がタイム誌に記事として掲載されたこともあった。そんな中でもアレサは多くのヒット曲を世に出し続ける。と同時に、成功し続けなくてはならないという重圧を感じるようになっていった。その結果、すでに他の予約が入っている同じ日に別の予約を入れて賠償問題を起こすようになり、不安を解消しようとお酒や薬物を摂取するようになる。ついには依存症にまで発展してしまう。ある日のコンサートショーで、酔ったままでステージに現れて、ついにはステージから転落してしまう。彼女はやがて、夫と別れアルコール依存症も克服する。実家にもどり、自分のルーツである賛美歌を再び歌いたい、と思うようになっていた。アレサを演じたのは歌手で女優のジェニファー・ハドソン、彼女は映画『ドリームガールズ』で、第79回アカデミー賞助演女優賞を受賞している。アレサ・フランクリンに「私を演じるのはあなたよ」と、言われていたという。彼女はまさに適役。アレサの父を演じたのはフォレスト・ウィテカー。ぼくは35年前に「ハスラー2」で、頭が弱いふりをしてポール・ニューマンに勝ってしまうプロハスラーの役を演じたのを見たときに、しびれた。なんて味のある、脇役なんだと。今回の父親役も抜群のうまさで、彼女をコントロールし、周りにも支配的で絶対的な父親像を演じていた。特に大勢の観衆を前にしての迫力ある演説シーンがすばらしい。黒人にたいする迫害に対し、軽いメロディーをつけながらの歌う演説には圧倒された。オペラ歌手を目指していたというだけに歌声も抜群。また、アレサの幼少期を演じたスカイ・ダコタ・ターナーも、キョロキョロ大人の様子を窺う表情がとてもうまい。本作が映画初出演とのこと。SNSにアップされた音楽アカデミーで歌う動画が、歌手のパティ・ラベルによって拡散され一躍有名になった歌い手。芸達者な役者が揃いに揃った映画だ。「リスペクト」は、見ごたえがあり、人種差別や親子、夫婦の束縛の問題などを含んだ、とても深い映画。想像以上の感動を与えられた映画となった。 

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