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青い瞳でポーカーとスパイと恋愛を「007 カジノ・ロワイヤル」 

2021年08月08日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


「007 カジノ・ロワイヤル」 2006年制作 イギリス・アメリカ・チェコ合作 原題:Casino Royale 「007」というタイトルを見ると、最初にどうしても「ゼロ・ゼロ・セブン」と読んでしまう。頭の中で、「えーと、”ゼロ・ゼロ・セブン”ではなくて、”ダブルオーセブン”と読むんだよね。」と、繰り返す事になる。自分の頭の硬さに我ながらげんなりしてしまう。ところで、その「007」シリーズの21作目マーティン・キャンベル監督の「カジノ・ロワイヤル」を再度見直した。これは今までの「007」シリーズの印象をみごとに新しく生まれ変わらせた記念碑的な映画で、007の名前を使う必要がないくらいの、独立した構成の内容になっている。007シリーズのジェームズ・ボンド役というと、どうしてもション・コネリーが頭に浮かんでしまい、比較をしてしまう。だから、彼以外でジェームズ・ボンド役を引き受けた俳優は大変だ。 当初、ダニエル・クレイグも、ジェームズ・ボンド役としては、硬すぎるとか、まじめすぎるとか、いろんな批判があったようだ。今ではそんな抵抗もないだろうが、常に前作に演じた俳優と比較検証されてしまう役、というのは気が重い事だろう。まずこの映画の冒頭は、モノクロ映画で始まる。その白と黒だけの画面のはずなのに、白・黒以外の色を感じてしまうのは不思議だ。ジェームズ・ボンドの一対一の体を張っての闘いが、こちらに直接、骨の痛みまで伝わってくるかのよう。闘いのシーンが実にリアルだ。そして画面の奥行きを、カラー以上に強く感じてしまう。それから、いつもアイデアに関心させられるオープニングのメイン・タイトルが始まる。これが、70年代のサイケな世界を思い出させる。血の色に重ね合わせた赤の原色のあざやかさが目に飛び込んでくる。ポーカーをイメージしたトランプの絵柄が、桜の花びらのように舞う様がとても美しい。この映画での、ダニエル・クレイグはクールの中にも人間味を感じさせる。初めて殺しの場面に直接立ち会ってしまったボンドの恋人役のリンド(エヴァ・グリーン)が、ショックで服を着たままシャワー室に座り込んでしまった。 その泣き崩れた彼女を、シャワー室でそっと抱擁するボンドのシーンがすばらしかった。スパイ映画のボンドガールといういつものパターンはそこにはなく、まるで恋愛映画のワンシーンをみているかのようだった。しかし、彼以上に存在感を感じたのは敵役を演じたマッツ・ミケルセン。クールな表情に微妙に見え隠れする感情の動きの表現が巧かった。たとえば、カジノでカードを行う彼の表情やしぐさは見逃せない。一度、彼の顔を見たら何かずっと見続けていたいような不思議な魅力がある。ところで、この映画に出てくる食前酒「キナ・リレ(Kina Lillet)」を加えたマティーニが映画公開後に評判をよんだ。フレミングは小説中、「キナ・リレ」を「007定番カクテルの隠し味」と呼んでいる。「ゴードンジン、ウォッカ、キナ・リレに氷を入れてシェイクし、薄切りのレモンの皮を入れて」と、ボンドがポーカーの最中にオーダーするシーンがある。そんなに早口で言われて覚えられるのかな?と、余計な心配をしてしまったのだけど、このシーンが元で当時は、注文が殺到していたとの事。「キナ・リレ」の製造元であるリレ(Lillet)社は、従業員7人という小さな家族経営会社だが、米国市場を最有望視しており、007シリーズ今作でのカクテル・レシピ紹介は夢のような無料PRとなったと、当時ネットの記事で読んだ。この007/カジノ・ロワイヤルは、スパイ映画としても面白く、恋愛映画としても楽しめる。また、ポーカーのシーンでのギャンブラー同士の攻防は、互いのゲームを通しての心理劇を見ているかのよう。最初の肉体一つで走り回る爆弾男との攻防から、一気に物語りにひっぱっていき、ラストまで見せてくれる。「007」シリーズとしては、ぼくは一番好きな作品で、アッとゆう間の2時間24分だった。 

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