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Polyglotに憧れて
テスラ(EV)とトヨタ(HV)
2021年03月10日
テーマ:テーマ無し
最近、電気自動車に関する記事を一般紙でも見かけるようになりました。経済記事では、欧米の自動車会社が軒並み電気自動車へと舵をきる中で、未だ電気自動車に関する発表のないトヨタに関する批判的な記事も目にするようになりました。投資家の目線で、自動車会社としてのテスラとトヨタを比べた場合、どちらが魅力的でしょうか?まずテスラについて。これからの世界の潮流を考えると、ガソリン車のマーケットが縮小傾向にあり、電気自動車へと移行していくことは間違い無いでしょう。この点からテスラの方が魅力的に決まっている!果たしてそうでしょうか?EVにおける現時点でのテスラの技術力や先進性は他のメーカーを圧倒しているように思えます。今後もテスラの優位性は続くと思います。一方で、既存の自動車メーカーや中国、米国に存在するEV専業のスタートアップ企業がテスラを猛追しています。車が電気製品になったことで、これまで車市場に参入できなかった業態も参入の機会を伺っています。従って、これからはEV市場に対して数多くの企業が参入し、ひしめき合って激しい競争を繰り広げることが予想できます。たとえ今の技術が優れているとしても、他の企業が追いつけないとは限りません。かつてエレクトロニクス分野で日本企業が韓国、台湾、中国の企業に敗れたように、あのテスラであっても、新興企業に追いつかれる可能性はあリます。さらに、車というのは趣味性も高いので、価格や性能が良いから必ず勝てる。とは限りません。消費者の好みは様々です。多少、性能で劣るとしても、人と違う車に乗りたい、とか、デザインや色が好みだからこっちの方が良い。と考える人もいます。テスラとはいえ、EVの中で圧倒的なシェアを維持できるとは限りません。次にトヨタについて。トヨタはHVで高い信頼を得ています。HVはガソリン車に比べてとても燃費が良く、Co2の削減に寄与します。欧米で環境規制が厳しくなり、やがてはHVとて禁止される日が来るでしょうが、それはまだ先です。それまでの間、EVのシェアが増えていくにせよ、HVの需要はしばらく継続するでしょう。そして、他の自動車メーカーが次々にEVへ移行するということは、トヨタの競争相手が減っていく、ということになります。たとえHV全体のマーケットが縮小していくとしても、その市場でシェアを上げ続けるならば、かなりの間、売上、利益を維持できるかもしれません。トヨタがEVに対してどれくらい本気なのかは知りませんが、準備はしているはずです。全個体電池の開発がどうなるか、わからないとしても、バッテリーの性能が進歩していくことは間違いありません。バッテリーの需要が伸びれば、それを製造するメーカーが増えるでしょう。そして高性能のバッテリーを調達できれば、トヨタの技術力で瞬く間に先行している企業に追いついて、高性能でお手頃価格の電気自動車を販売するようになるかもしれません。このように考えると、まだ勝負がどうなるか、よくわかりません。将来のことを占うのは難しいことです。これから株を買うのなら、投資家としてどちらに妙味があるのか、難しい問題です。トヨタのチャートをみると、2015年に8000円を超えてから、現在までアップダウンを繰り返し、現在8100円ほどです。最近は投資家の期待を裏切っています。一方テスラは、昨年の春まで激しく上下動していましたが、7月、200ドルから急上昇し、昨年末に800ドルを超えました。しかしその後は下降して現在は670ドルほどです。投資家にとって、テスラの一番美味しい局面は終わったのかもしれません。これからテスラもしばらくは低迷し、ひょっとすると、ずるずると値を下げていく可能性すらあります。株価のことはさておき、テスラとトヨタ、それぞれが今後どのような軌跡を辿るのか、とても興味深く思います。自動車のマーケットは巨大なので、周辺産業への影響も甚大です。これからも観察していきたい、と考えています。
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