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たかが一人、されど一人

読後感「武漢支援日記」査 瓊芳 (著), 宋 春暁 (翻訳) 

2020年11月24日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

 この本でどうしても欠かせない部分は羽根次郎氏が書かれている巻末の「解説」にある。著者も翻訳者も中国人という珍しい顔合わせだから意味不明のまま読み飛ばしてしまったところが多いと思うが、解説で丁寧に説明してもらった。著者は文学者ではなく上海の名門大学の付属病院に勤務する呼吸器科の女医さん。特に有名人でもないので何歳かも分からない。ただ本文中に高校生の娘さんがいることが書かれているので、医師になったばかりということはないだろう。内容は書名にある通り「日記」そのものである。それも古いことではなく、今年の1月25日から3月31日までのたった67日間のことである。日記にしては1日も欠かさず丁寧に書き込まれたものだ、と感心しながら読み進んだが、解説を読んで納得した。中国社会ではウイーチャット(WeChat)と言う日本の(LINE)に似たメッセージのやり取りをするアプリがあり、これが大きな役割を果たしている。著者は上海の家族や同僚を安心させるため毎日、現地で書き記したものや録音したものをウイーチャットで上海の病院の広報部に送り、その整理原稿が同病院の公式アカウントで公開されていた。それを日記の形で纏めて出版されたのである。これが国内で大きな反響を呼び、既に日本以外に英語版も出版済みで9ヶ国語の翻訳契約が成立している。日本の(LINE)にも多分同様な機能があるのだろうが、いじめだとか下らない利用ばかりが話題になりがちな日本と異なり、社会的な利用度に大きな違いがあるようだ。話が前後してしまったが、現地で1月23日といえば旧暦の大晦日、明日の春節(正月)の準備で大忙しの時に病院から武漢に支援に行く準備をするようにとの命令を受け、元日に出発して正月2日には武漢に到着。それから3月31日武漢で患者をみながらコロナと格闘したことになる。武漢で新型コロナが確認されたのは12月末とされている。著者が武漢に入った時期はコロナ患者が急増して、湖北省という地方政府の手に負えなくなり、管轄が中央に引き上げられ、即座に都市封鎖された直後のこと。狭い日本が未だにやれ自治体がどうした政府がどうだと毎日繰り返してることを思うと、まさに電光石火、神業のようだが著者の勤務先病院院長の序文によれば、全国から武漢に派遣された医療関係者は42600人とされている。中国の医療事情については、文化革命当時精神科医の給料と床屋の給料が同じと悪口を聞いた記憶がある。しかし現在は全く違うようだ。科学の発達程度も驚異的なんだろうが、医療関係者は勿論だがそれを支持する国民の意識も高いことが伺える。何よりも、困難に立向う国民の協同協力意識か、共産党の組織力か分からぬが、武漢に集中的に投下された人的物質的資源の集中度と豊富さ、行政の縦割りを全く感じさせない軍民一体の協力体制は驚くばかり。日本であればこの予算は何処から来たかなんてことばかりが気になるのだろうが、そんなことは一切書かれていない。中国共産党の宣伝だとしても興味深い。

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