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「ハウスメイド」の元ネタ「下女」(1960)の女の怖さ 

2020年06月14日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


「下女」1960年  韓国 原題:?? 電車の中でたまにスマホやタブレットで映画やドラマを観ている人を見つける。『スマホは画面的に小さすぎてはたしてあのサイズで観て面白いと感じるのだろうか?』と、疑問だった。逆にタブレットだと、電車に乗りながら見るには画面が大きく映され過ぎて、物語の場面によっては周りの目が気になりそうだ。ということで、試しにYouTubeにアップされていた韓国のキム・ギヨン監督「下女」(1960)という映画をスマフォで観た。この映画のリメイク版が2010年に制作された傑作な映画「ハウスメイド」だ。アカデミー賞映画「パラサイト 半地下の家族」にも影響を与えた。映画「下女」は激しい雨の景色からある家族の部屋の中の光景から始まる。子供二人はあやとりをしている。音楽教師のトンシクは食事をしながら新聞を読んでいて、ある事件に目が留まったらしく、妻に語りかける。 「見てくれ 金泉(キムチョン)市の男が下女と姦通した」「下女に手を出すなんて、男って駄目ね」妻は編み物をしながら答える。トンシクは新聞を置き、立ち上がり窓の外の雨を見る。「それは違う」彼は妻に語る。「僕たちだって、生活のほとんどを下女に頼っている。炊事、洗濯は全部彼女がやってくれる。仕事から帰宅して最初に顔を合わすのも下女。家のことは完璧にこなしているんだ」妻は編み物の手を止め、トンシクを睨む。「ちょっと、あなたは世帯主よ。口にして良い事と悪い事があるわ」そこで子供のあやとりが画面いっぱいに映されて物語は始まる。このファーストシーンで、まず心を掴まれた。この出だしからすると、男は会社でもよく女性と親しげに語るようなイメージを持ったのだが、まるで正反対の堅物・性格であるのが次のシーンでわかる。 トンシクは、工場でピアノを弾き、女工に合唱を教えている。妻と一男一女がいる。女工の一人は、ピアノの鍵盤の上に恋文を乗せる。トンシクはピアノを弾くときにその恋文を見つけ、ポケットに恋文を忍び込ませる。そしてその恋文を読んでわざわざ工場の管理者に報告に行く。当然、その女工は呼び出されて、なんとクビになってしまい、女工は失意のうち自殺をしてしまう。その意外?な男の堅物さの融通のきかない行動が、実は映画のラストに繋がるヒントになっている。そして、その自殺をした女工の友人がピアノを習いにトンシクの家に通っているのだが、男の妻が身体が妊娠で思うようではないので、男は彼女に家政婦さん(下女)の女性を頼む。映画のシーンでは、彼女が連れて来た若い家政婦さん(下女)のミョンジャと奥さんの対比をネズミを使ったエピソードで提示している。トンシクの妻は、戸棚を開けてネズミを見つけた時には、大声で叫び声を上げておののいて退いた。家政婦・ミョンジャも同じような場面でネズミを見つけた。彼女は叫び声はあげずに、ネズミのしっぽをつかみ、ネズミを捕まえた事をトンシク一家に報告する。そして皿の上によそったご飯の上に、ネズミを殺す薬をまいて下に置く。映画では、そのご飯を食べたと思えるネズミが皿の横で、身体を震わせて死んでいく。ご飯とネズミとその死を見せたシーンが、今後の一家の運命を暗示しているかのようでなんとも気持ち悪い。やがて、男に惚れてしまった家政婦・ミョンジャの暴走で、妻と彼女の立場が逆転してしまう。夫が下女に迫られ、一時の迷いで関係を持った為に、幸せな一家は地獄の底に落とされてしまう。家政婦は、夜はトンシクが自分の部屋で寝ることをトンシクとその妻に約束させてしまうほどに、家の中を乗っ取ってしまう。妻は全てをあきらめたかのように、食事もとらずにただひたすらミシンを踏んでいる。その無機質なミシンの音だけが部屋に響き、妻の無言のミシンとの関わりそのものが不気味にも思えてくる。男の家族はメチャクチャな状態になってしまう。この映画は、とても怖くてハラハラさせて面白かった。スマホの小さな画面で見ても充分に熱中できた。登場人物はほとんどのシーンが男の家族と家政婦の5名の登場で、場面は常に家の中での出来事なのだが、緊張感のあるシーンが続き、退屈なシーンは全くなかった。映画「下女」の効果的なシーンの作り方、物語の運びのうまさに感心することは何度もあったので再度鑑賞し、どうしてこんなに惹かれるのか考えてみたいと思わせる内容だった。それでスマホで観てこれだけ面白いなら,DVDで観たいと思って、近くのゲオかツタヤに置いていないか検索したのだが、ヒットしなかった。こんなに面白い映画を置いていないとは、何ともったいないことか。これに気を良くしたので、スマホで今後映画やドラマを見る機会が増えそうだ。 

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