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「ジョーカー」は退屈?暴力賛美の映画? 

2019年11月17日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


 “狂気の犯罪王”ジョーカーの誕生を描く物語ということで、「ジョーカー」はとても注目されている作品。 「『ダークナイト』見たら、そこそこ面白かったんだよね。それで、『ジョーカー』行ってきたよ。15分、見たらもう出たくなってさ。知ってはいたけど、バットマンも出ないし、俺には合わない映画で良さもつたわらなくて。映画館がやたら混んでて、席を立とうにも右も左もびっちり座っていて、見ている人の邪魔になるかと思うと気がひけて結局、最後まで見ちゃった。でも、やっぱり映画のやっている間、見てて眠くて眠くて・・・」と、世間の高評価とは関係なしの低評価を下したぼくの席の隣に座る会社の人。それでは、『ぼくは何分見たら席を立ちたくなってしまうのだろうか?』それとも『これは傑作だ!』という大満足の気分で劇場を出ることになるか?というちょっとした思い付きの元にトッド・フィリップス監督の「ジョーカー」を見て来た。結果、映画のシーンのそれぞれの絵が奥行が深くて見応えがあり、大満足とまではいかないが思ったより面白かった。● テレビに出させろ!ロバート・デ・ニーロ演じる人気トーク番組の司会者であるマーレイ・フランクリン。いかにもテレビにでてきそうなノリを演じていて、昔見た彼が主演でコメディアンの卵である主人公ルパート・パプキンを演じた「キング・オブ・コメディ」(1982)を思いだした。 「キング・オブ・コメディ」では、トークショーの司会者を誘拐して「テレビに出させろ!」と言う内容だった。それが今度は、トークショーの司会者側を演じる。これは、意識的に関連付けていたのだということを後で知った。デ・ニーロいわく、マーレイ役は『キング・オブ・コメディ』で自身が演じたルパートを意識させるものという。「(『ジョーカー』と『キング・オブ・コメディ』には)全体的に、はっきりとした繋がりがあります。僕の演じるマーレイが、かつてのルパートが年を取って司会者になったものだというような、直接的な繋がりではありませんけどね。」あと、まだ小さな赤ちゃんを抱えている綺麗なシングルマザー、彼女は自分にも明るく語りかけてくれる気さくな雰囲気。これは、男が興味を持ち好きになってしまう色々、妄想の入るシチュエーション。それがいかにも不幸な生活から一時的に逃避した幻のように描かれていたのがうまいなあと思った。● ジョーカーと演じたホアキンところで、ジョーカーとは、どのような人物の総称なのか?町山智浩氏は、ラジオ番組「たまむすび」で以下のように語っている。「ジョーカーっていうのはジョークを言う人でだしてすから道化師、ピエロの格好をしてるんですけども。まあ、これがなぜ最悪かっていうと、普通は敵ってなんか武器を持っていたり、超能力を持っているじゃないですか。こういう漫画の敵って。だから強い。だけども、ジョーカーって何の能力もないんですよ。この人はただの人なんです。スーパーパワーとか、ものすごい力とか超能力とか一切持っていないんです。この人がなぜ強いのか?全く目的がないからなんですよ。」 「いろんな人をたくさん殺したり、テロを起こしたりするんですけど、その目的がゼロなんですよ、彼の場合は。だからまず、先に察知することができない。行動の予測がつかない。自分の利益にならないものだから、追跡できないんですよ。お金とかを得ないから。ただただ大量の人を殺して、世の中を惨事に陥れて人々の良心とかを試していくというだけのことをするのがジョーカーなんですね。」キネマ旬報を読んでいたら、ジョーカーを演じたホアキン・フェニックスがリヴァー・フェニックスの弟という事実を想いだした。弟は彼にこうアドバイスをしたという。 「実はリヴァーが僕に『絶対に俳優をやめては駄目だ、お前にはすごい才能があるのだから』と何度か忠告してくれていたんだ。今まで俳優をやめようと思ったことはあったし、実際にしばらく映画から離れていた時もあったものの、兄のその言葉がいつも聞こえてきて、やっぱり僕には俳優しかないと思い出してきた。 そして今回『ジョーカー』の役を仕上げた時、今までにない巨大な達成感を覚えて、やっぱりリヴァーの言っていたことは当たっていると嬉しくなってね。リヴァーが逝ってしまった時、僕の人生はあの瞬間から劇的に変化したのだが、今どこかでリヴァーがうなずいているだろうな、なんて感じているんだ」 ● 映画館で銃乱射事件記録的な大ヒットに繋がった「ジョーカー」は関連するニュースを読んでいても興味をそそられる。アメリカでは当映画が上映禁止になるかも?と思えるほどの動きがあった。 『ジョーカー』の公開にあたっては、危険性についての話題が早くから取り沙汰されたこともあり、警察や米軍が警戒態勢を敷き、映画館では手荷物検査などが実施されることにもなった。それでも初めての週末は警察が映画館に出動するに至ったケースが複数確認されていたとのこと。 そういう意味では日本ではそこまで問題視していないし、警戒態勢を敷いたなんてことも聞いていない。『映画の内容を道徳的な判断だけであれこれ言ったり、警戒するのは困った発想だ。常識から切り離したところに映画の面白さはあるはずなのに。』と、ぼくは思ったのだが、アメリカが警戒したのは、理由があった。過去に映画館で死亡事件があった。 2012年7月20日に米コロラド州オーロラで『ダークナイト ライジング』(2012)上映中の映画館で銃乱射事件が発生した。この事件では12名が死亡、70名が負傷。犯人は「ジョーカー」を自称したとも報じられたが、これは「事実無根の誤報だった」と否定されている。映画そのものと事件の関連性はないのだが、7年前に事件現場となった映画館「Century Aurora and XD(元「Century 16」)」では『ジョーカー』を上映しないことを決定した。映画館を経営する米Cinemarkとワーナー・ブラザースが協議した結果の判断だと伝えている。 しかし、こればかりにはとどまらなかった。2019年9月24日(現地時間)には、オーロラの銃乱射事件の被害者遺族ら5名がワーナーへの公開書簡を発表。これは『ジョーカー』の公開をやめさせたり、鑑賞ボイコットを呼びかけるものではなく、ワーナーは安全な社会を築き上げることに貢献すべきである、大企業としての責任を果たすべし、との内容だった。もはや銃乱射事件が珍しいものでなくなりつつあることも、遺族が発表に至った理由のひとつとされている。 「ワーナー・ブラザースが『ジョーカー』というタイトルの、主人公に同情的なオリジン・ストーリーを描く映画を公開すると聞いて不安を抱きました。(ワーナーが)より銃の少ない、安全なコミュニティを作るという我々の活動に参加し、そのために、みなさんの巨大なプラットフォームや影響力を役立ててくださるようお願いします。」 書簡を発表した女性の一人は、『ジョーカー』の内容を模倣した犯罪が現実に起こることへの危惧を口にする。「私が恐れているのは、崖っぷちの状態にあって、乱射事件を起こしたいと考えている人がいるかもしれないということ。また、その人がこの映画に勇気づけられてしまうかもしれないということです。そんな人がたった1人かどうかもわかりません。そのことが怖いのです。」 確かに、銃が一般の人にも手に入るアメリカの社会では「ジョーカー」の描く、悪にならざる得ない人物側から見た社会を描くことが暴力行為を安易に容認するような動きにつながるのではないかと、危惧するのも当然の動きなのかもしれない。 なお米Associated Press?の取材にて、フィリップス監督は、オーロラでの銃乱射事件は「本当に、非常に恐ろしい出来事でした」とした上で、「映画館で起きた事件であることを除き、映画とは関係のない事件でした。映画が責められるべきではありません」 一方で『ジョーカー』については、「この映画は虚構の世界が舞台です。現実への祈り、現実の選択肢が出てくることはありますが、80年間続いてきた虚構の世界、虚構のキャラクターの映画なんです」と改めて強調した。 「むしろ気になるのは、白人男性的な有害さですね。『ジョン・ウィック』を観ましたが、白人男性が300人殺しても、みんな笑うし、ヤジを飛ばすし、歓声を上げている。なぜこの映画だと別の基準が持ち出されるんでしょう? 僕にはまるで筋が通っていないように思うんです。」 参照:町山智浩『ジョーカー』を語る   『ジョーカー』暴力を誘発すると米国で物議PR:トラウマ映画館  

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