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たかが一人、されど一人
読後感「昭和天皇とワシントンを結んだ男」青木冨貴子著
2011年07月14日
テーマ:テーマ無し
副題は<「パケナム日記が語る日本占領」>である。今、政治評論を生業にする人の間で最も読まれている本らしい。パケナムとは終戦直後アメリカの雑誌ニューズウィーク特派員として日本に来たジャーナリストである。彼の経歴はユニークで1893年日本生まれの英国人で、1913年まで日本で育ち、後に英国陸軍将校として第1次世界大戦に従軍、激戦を生き残り、後に米国に渡って大学教授を経てジャーナリストになっている。彼は生涯3人の妻を娶とり、最後は日本人と結婚して1957年に日本で亡くなっている。しかしその経歴は多くの謎に包まれている。司馬遼太郎が「坂の上の雲」の中で言及している日本海大海戦の英国観戦武官として戦艦「朝日」に乗り込んだパケナム大佐の一族である事は間違いない。この一族は現在でもアイルランドに古い城を持つ貴族で、ジャーナリストになったパケナム氏にはその血統に対する誇りと、幼い時に見た明治時代日本へのノスタルジーが刷り込まれていたようだ。彼が戦後の日本を最初の訪れたのは1946年の初夏。当時の外国人特派員は未だ40名程度の時代で、碌に日本語が話せない記者仲間の中で彼の日本語と日本に対する知識は群を抜いていたとされている。彼を日本に送り込んだのは当時の本社外信部長ハリーカーン氏、著者も30年以上前この人物が戦後の日本政治を裏で操作していたとを知り、彼の事を調べたいと思ったらしい。その後著者も1980年代半ばニューズウィーク本社で働くようになり、手掛かりを探すが当時は何も得られなかった。ところがその後更に20年を経て、2007年にハリーカーン氏の息子に巡り合う。しかも彼がパケナム氏の日記を保存していて、資料として提供することを快諾してもらう。日記は1948年末から1953年迄の約5年分と言うから膨大なものだ。ここに書かれている内容が、本書の縦糸となって話が進む。先ずパケナム氏は当初マッカーサーのGHQから好ましく思われていなかったらしい。と言うのは、彼はマッカーサーの占領政策を必ずしも好ましいと思っていなかったらしい。特に貴族的雰囲気を好む彼からすると、エリート層を公職追放で一掃したやり方に不満があったようだ。冷戦構造の中で日米関係を確立するために、現在追放されている知識人を活用しないといけないと言う危機意識もあったのだろう。彼の観察は上司のハリーカーンに届けられる。ハリーカーンは本国の情報機関としての役割も果たしていたようで、大統領府との意思疎通が可能だったらしい。そう言うベースがあるので、本書はスパイ小説よりも面白い。日本側も戦後の混乱期を乗り切るために、あらゆる機関がいろんな工作を展開していた事だろう。このマッカーサーに嫌われている一ジャーナリストが本国に追い返され、16か月後にトランジットビザで再入国した際(1947年8月)、宮内府式部官長松平康昌がアプローチしてくる。正に天皇の密使である。パケナムは彼と仲良しになり、彼の日本における政治工作に大いに利用するが、日本側もマッカーサーをバイパスして国務省にダイレクトに意思疎通が可能になるメリットもある。アメリカ側が日本をどのようにコントロールしようとしているか、日本がどのように独立を果たすのか。終戦直後から昭和32年の岸内閣成立に至るまで、その狭間に立ち、しかも両国のトップとダイレクトにコンタクトしながら情報を操作した人間の日記を読み解くのである。何れもキツネとタヌキ、パケナム自身も経歴等詐称しているところは随分ある。そこを丹念に丹念に世界を股にかけて訪ね歩き、解き明かそうとする筆者の努力は敬服に値する。それにつけても、政治家の化けの皮を剥がすことの困難さは昔も今も変わらぬようだ。
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