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むぅびぃ・とりっぷ

知り合いと台所に見知らぬ男 

2019年10月06日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


朝、目がさめて何かいつもと違う空気を感じ、横を見た。妹の彼氏で友達の澤谷さんが寝ていた。「あれ?いつの間に来ていたの?」澤谷さんはまだ眠いらしく眠たげな顔でぼんやりしていて、反応がすぐに返ってこない。「しばらく会っていなかったから、なんとなく・・・・・・」さらに澤谷さんの横には妹も来ていて、ふとんにくるまって寝ている。ぼくの住むアパートはボロくて狭いので、ふとんもそんなに置いていない。その数すくない布団がフル活用されている。『妹もいっしょに来たんだ。まあ、こちらがあきれるくらいいつもいっしょだからなぁ』と、僕は思った。妹と澤谷さんはつきあっていて、結婚する約束をしている。妹の彼氏でありながら、いつのまにかぼくの友達にもなっていた。妹ともしばらく遭っていなかった。横で寝ている二人を置いて、咽喉のかわきを覚えたので、台所に行った。すると、そこでまた驚きの光景に遭遇した。見知らぬ男が三人も台所にいる。一人は何か料理をつくっている。もうひとりは鍋をのぞきこんでいる。三人めの男は突っ立ってボーとしている。その突っ立ってボーとしている髪の毛の薄い男に聞いた。「人のアパートの台所で何をやってんの?」「え?聞いていなかった?アパートは部屋によって台所が狭すぎたり、造り忘れていたりするから、台所が大きい君のような人の場所を借りられようになったんだよ」「え?それは、おれが留守でも眠っていても、おかまいなしにいつでも台所を使えるってわけかい?部屋の中に入られる心配があるし、お金だって危ないし。そもそも、個人のプライバシーが守られてないじゃない。」「よくはわからないけど、大家さんに聞いてくれ。」突っ立ち男は、ぶっきらぼうに言い放った。そこで、目が覚めた。夢だったのだ。何時間、眠ったのだろう?横をみると妻がスマフォを暗闇の中でいじっていた。多分、昼寝をしていたので、夜に、眠れなかったのだろう。「何時だとおもってんの?スマフォやめたほうがいいよ」妻に忠告すると、こちらを見て「あ、目がさめたの?」と、聞いてくる。「でもツムツム(ゲーム)は、やってないよ。」そんな問題ではないのだが、そこにこだわっててもしょうがない。「夢を見てね。めずらしい友達が出てきたよ。」「え?誰?」「澤谷さん」「彼はいい人だったもんねぇ。」妻も澤谷さんとは何度か会ったことがある。妹が彼と付き合っていたのは、もう25年も前の話。ぼくが名古屋の大学に入ったときに、ちょうど澤谷さんも名古屋の大学に入っていて、そのときにずいぶん世話になったものだ。それにいっしょによく酒を飲んだ。その頃、妹は高校を卒業し、青森で就職が決まった頃だったと思う。妹は現在は澤谷さんとは別れて、別の人と結婚をしている。一方、澤谷さんも妹と別れた後、スナックのカウンターの女性と付き合っていたのだが、長くは続かなかった。その後、精神的に不安定になり、精神科に通っていた。妹と別れたことが彼を精神的に追い詰めたようだと、みんな口にはださずともそう感じていた。その後、連絡がないと思っていたら、『澤谷さんは病院で首つり自殺をした』と聞いた。「夢には澤谷さんだけ?他には出なかったの?」妹の名を挙げようとして留まった。妹と妻とはささいな事で言い争いをして、それ以降、僕も妹に遭っていないし、妻にも妹の話題は避けていた。いろいろ気を遣うものだ。 その数日後、同じように記憶に残る夢を見た。高校生の時に絵のモデルになってもらった、みんなのマドンナだった奥田さんと、そのころに友人だった仲村がでていた。これから日替わりで今までに出会った知人が、夢に出てくるのであろうか。人は死ぬ間際に、それまでの人生が走馬灯のように脳裏に思い浮かぶという。ひょっとすると、この知り合いが日替わりで出てくる夢が、僕が死に向かう前準備なのかもしれない。季節外れの扇風機の風を浴びながら、ふとそんなことが頭をかすめた。 

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