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むぅびぃ・とりっぷ
変わり者としか言えない楽天家・よーちゃん
2019年07月02日
テーマ:テーマ無し
常々、思うこと。 それは内勤の立場で言うと、オフイスの環境の悪さ。外国の映画なんかにででてくるオフイスは、個人ごとに仕切りがあって顔と顔を突き合わせて仕事をしなくてもいいのがとてもうらやましい。 ぼくの会社はもちろん違う。仕切りも何もないので、嫌でも前の席の人とは1日中顔を突き合わせて仕事をしなければばらない。ぼくの前の席は、現在44歳で変わり者として有名な独身の小太りの男。名前は鈴木陽介という。名前がヨウスケなので、ぼくは「よーちゃん」と呼んでいる。会社では「さん」付けが推奨されているのだけれど、「ヨウスケ!」と呼び捨てにしている人も多い。 彼は今のように残業がうるさく言われる前から定時退社の人。朝はギリギリに出社してくる。そして帰り時間が近づくと、時計ばかり気にしている。仕事中に、何がおかしいのか「ニター」と、笑っているときがある。こちらが、仕事で追い込まれて焦っているときなど、その顔を見ると脱力する。 「よーちゃん、ニタニタしすぎだよ!と、注意したときもある。その時だけは、まじめな顔に戻るのだけど、気がつくとまたニタニタ笑いをしている。 44歳にもなれば、仕事の一つや二つ、何か本人の頑張りでほめられたことぐらいだれでもあるものだが、よーちゃんの場合みたことも聞いたこともない。 声をかけられるのは、仕事で失敗をしたときだけ。普通であれば、「うるさいなぁ、今度は文句いわれないように頑張ってやる!」と、奮起するはず。それくらいきつくしかられているのだが、その時が過ぎるとケロリとしていて何も変わらない。 そんな人がなぜ、会社にいられるかというと、労働組合があるから。普通であればクビだと思う。しかし本人はそのことをよく分かっておらず、『自分の能力を発揮できる部署に移りたい』と考えている。 それ以前に、自分の能力を見つめなおす必要があると思うのだが、そこはすっ 飛ばして『おれはここにいるべき人ではない。』と思っている。ある意味、大物で究極の楽天家である。ぼくは基本、変わった人をながめているのが好きなので、最初はもの珍しさもあって、彼を面白く見ていた時もあった。でも最近はお互いにランチだけの付き合い。それも同じビルの地下1階でお互いが食事を終えると、世間話しもなしに同時に席をたつという一緒に飯を食うその意味もないような関係になっている。 よーちゃんとぼくはは同じ情報システムの課に所属している。仕事では接点がない。 仕事に関しては見てるだけでイライラさせられるけど、普段の会話でわかるのだが、とてもやさしいところがある。なにか世間を知らないおぼっちゃん的なおだやかさを持っている。酒もたばこもやらないし、女遊びをするわけでもない。「風俗とか行かないの?」 と聞いたら「行かないですね。考えられないですよ。」と、答えていた。「未だ童貞とおなじようなものなのではないか?」と、よーちゃんと会話した男連中は みな心配している。よーちゃんは、女遊びはしないが、女性とのお話は大好き。でも、彼の欠点は自分を嫌っている女性の態度をわかっていないところだ。はたから見ると、あきらかに迷惑に思っているのがみえみえなのに、一方的に話しかけて呆れ笑いをされていたりする。 本日は、めずらしくぼくより先に会社に到着していた。ぼくは周りに「おはよございます。」と、挨拶しながら席に座るのだが、よーちゃんからは挨拶の返しもない。たまにこうゆう具合に挨拶なしの不機嫌な顔のままの時があり、『こいつはまったく挨拶ぐらいきちんと返せよな!』と、ぼくはむっとくる。 よーちゃんが不機嫌なのはしょうがないとしても、彼の髪を見て、驚く。昨日、髪の毛があまりに乱れていて、「少しは鏡を見ろよ!」と、あきれはてた上司から注意を受けたばかりなのに、また大嵐の中を歩いてきたような髪型になっている。 それに加えてベルトをしていない。 前にもベルトを忘れたことがあり、上司からその時にも注意を受けたというのに、また同じことをしている。 「よーちゃん、ベルトどうしたの?」 「あ!」「また注意受けるよ。」「電車に乗ってから、ベルトを忘れたことに気が付いて、それで戻ったら間に合わないからそのまま来ちゃいました」 普通、ベルトなんて何度も忘れないもんだけど、よーちゃんの場合はしょうがないのかもしれない。自分の服装にあまりにも無関心なのがよーちゃんのキャラだ。 そもそもよーちゃんの使っているベルトはとても古い。ボロすぎて太った彼のウエストでは、はち切れそうに見える。今、ぼくらのいる9階のオフイスには150人くらいの男子がいるが、もし9階のオフイスで『ボロベルトコンテスト』をやったら断トツの1位を得るだろう。 まあ、よーちゃんがいかに変わっているかはまた重ねて書いていこうと思う。
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