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「陸軍中野学校」で確認、増村保造監督の面白さ 

2019年04月22日 外部ブログ記事
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亀梨和也主演の人気スパイ映画『ジョーカー・ゲーム』は、旧日本軍内に秘密裏に設立された実在のスパイ養成組織「陸軍中野学校」をモデルにしている。そして、この究極の情報機関である陸軍中野学校を、戦後、北朝鮮の工作機関が手本にしてきたと、作家の佐藤優氏ら内外の多くのインテリジェンスのプロたちが指摘しているという。 その中野学校を題材に映画化したシリーズの第一作目は、昔の映画にしては見た映画がことごとく面白さをかんじさせてくれる増村保造監督の「陸軍中野学校」(1966)。主演は「眠狂四郎」や、「忍びの者」で有名な大映のスターで、妙に色気のある美青年の市川雷蔵。それまで時代劇を中心に活躍していた市川雷蔵が、時代劇以外のジャンルに主演として出演した異色作である。映画は中野学校の設立から、第一期生が卒業するまでを描いている。まず、はじまってそうそう主人公の三好次郎少尉(市川雷蔵)は、草薙中佐(加東大介)から「机の上にあったものを言ってみてくれ!」という記憶力を確認する質問で面接が始まる。 やがてこれからスパイ学校を設立する旨を説明される。今までにない施設を作り上げていくということで、教官である草薙中佐が理想に燃えた人情家として描かれている。草薙中佐から「君は女が好きか?」など、いきなり聞かれて「嫌いではありません」と、三好次郎が答えると、「女に惚れたらすぐに抱きたくなるか? 抱くときは裸になるかね?」など重ねて聞かれる。一つ一つの場面が印象的で、日本のスパイ映画にもこんなにも面白い作品があったのか・・・と、目を開かせられる。アメリカの007シリーズのお色気とアクション満載のお金をふんだんに使ったはでな夢物語的な世界とは違って、ごく普通の生活をしていた優等生が、スパイとして生きることの悲哀を、生活に根差したリアルさで表現していた。スパイ教育についていけず、自殺する訓練生なども映画には出てくる。この一作目が評判よかったからだとは思うが、続けて合計4作品が作られている。その2作目が森一生監督の「陸軍中野学校 雲一号指令 」(1966)。 物語の冒頭、大型軍用船が大爆発での沈没から始まる。1作目は、スパイとして生きることの苦悩に焦点をあてていたようだが、この映画では完全に事件の解決として主人公は活躍する。時限爆弾を仕掛ける男が、夜警倉庫係で、年取った貧相な男であるところなどに意外性があった。また、そこに出てくる村松英子演じる訳ありげな女性・梅香が名前が表すがごとく妙に色っぽい。その2点に興味を惹かれるが、物語がわかりにくくやはり第一作目が断然面白い。 3作目は、田中徳三監督の「陸軍中野学校 竜三号指令」(1967)。この作品では、でる女優が全て見た目に華やかさがない。それに物語もわかりにくい。舞台は上海ということになっているが、日本のセットで撮ったことは素人目にもすぐにわかってしまう。せっかくの市川雷蔵と加東大介の名コンピもこの映画では台無しとしかいいようがない。こうしてシリーズものでも監督で比べてみると、いかに増村保造監督が娯楽性を重視した偉大な監督であったかということを証明する結果になっている。 

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