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吾喰楽家の食卓

耐乏生活 

2019年01月31日 ナビトモブログ記事
テーマ:男の料理

例年のことだが、正月は何かと物入りだった。
その皺寄せで、中旬以降は、耐乏生活を強いられた。
とはいえ、辛かった訳ではなく、むしろ楽しんでいると云ってよい。
外出するのは、近所へ買物に行くくらいで、時間なら充分にある。
如何に、食卓のコストパフォーマンスを良くするか、考えることが出来るのだ。
調理にも、時間を掛けられる。

前日の昼餉は、冷凍ご飯を電子レンジで解凍し、非常食のレトルトカレーを食べることにした。
一工夫して、揚げたてのメンチを添えて、カツカレー擬きにしたのは大成功だった。
昨日の昼餉は、カレーと共に常備している缶詰で、蒲焼丼を作った。
本来は秋刀魚だが、試しに買った鰯蒲焼の賞味期限が近づいていた。
魚の缶詰は、賞味期限の間際が美味しいらしいから、今が食べ頃だ。
見た目が良い上に、山椒を使ったことで、鰻丼の気分で食べることが出来た。

親父の常套句、「上には上がある」を思い出した。
偶々、テストで良い点を取ると、「上には上がある」と云って、増長を戒めた。
「下には下がある」とも、云った。
例えば、夕餉のおかずに、不平を云った時である。
「三度のご飯を食べられない人も居る。三度三度、食べられるだけ幸せだ」と、いう訳だ。
食事に関する、戦時中の苦労話も、散々、聞かされた。

夕餉は、筋が多くて刺身にならないメバチマグロで、剥身(すきみ)を作った。
加熱用の表示だから、鮮度の見極めが必要で、生食は人に勧められない。
ところが、本マグロは別として、最近のマグロでは一番の美味しさだった。
要するに、ここで云う耐乏生活とは、単にコストを掛けていないだけで、満足度は極めて高い食卓である。
歌舞伎や落語の回数を減らせば、そんなに苦労しないで済む、という意見もあるはずだ。
でも、目的があるからこそ、耐乏生活に耐えられる。

   *****

写真
1月30日(水)の昼餉と夕餉



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