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平成最後の国立劇場賞 

2019年01月28日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

昨日、国立劇場で『姫路城音菊礎石』の千穐楽を見た。
三日目の公演では、2階席の両脇に空席が目立ったが、今回は殆ど満席だった。
千穐楽は、3階席の最後列(3等席)で見ることが多かったが、今回はプチ奮発して最前列(2等B席)を選んだ。
国立劇場では、コストパフォーマンスが一番いい席だと思っている。
必ずしも最前列が取れる訳ではないが、次回からの千穐楽は、この席にしたい。

3階席の最前列は、舞台の全体が見渡せ、立廻りも全員の動きが良く分かる。
市村橘太郎の立廻りは、三日目も上手いと思っていたが、千穐楽で素晴らしさを再認識した。
数年で還暦を迎える役者とは思えない、軽い身のこなしだった。
狐の妖術で動かされた大縄跳びの場面では、大勢の中央で見事に跳んだ。
元々、立廻りと踊りの上手さは、定評がある役者ではある。

菊之助の長男・寺嶋和史(かずふみ)と、寺嶋しのぶの長男・寺嶋眞秀(まほろ)が出演したのも、初春公演の見所だろう。
子供特有の台詞回しだが、二人とも、長い台詞を引っ掛かることなくこなした。
大詰では、舞台中央に立った菊五郎の隣で、和史が長い台詞を云った。
三日目では、和史の台詞が終わったとき、安堵の顔を見せた祖父の菊五郎である。
前日、失敗したのかも知れないと、余計なことを考えた。
場数を踏んだ千穐楽だからか、菊五郎は、安心して和史の台詞を聞いていたようだ。

帰宅して直ぐに、国立劇場賞の発表を見るので、パソコンを開いた。
優秀賞は、予想した通り、市村橘太郎が受賞した。
特別賞は、寺嶋和史と寺嶋眞秀だったのも、想定内である。
この日、劇場に来ていた、二人の母親と祖母の富司純子も喜んだことだろう。
更に、立師および、橘太郎(伴蔵)の家来を演じた立廻り一同も、特別賞を受賞した。
云うまでもなく、橘太郎が優秀賞を取れたのは、優秀な立廻りがあってのことだ。
平成最後の歌舞伎見物は、大いに楽しんだ一日になった。

   *****

写真
1月27日(日)の国立劇場と昼餉(神戸コロッケ/ひれ・コロ重)



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