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「貧乏神と福の神」 

2018年12月04日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

貧乏神と福の神のお話はたくさんあって、毎年暮れになると色々語ります。これは短い方のお話です。

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貧乏神と福の神

昔あるところに働き者の兄さんが一人ぼっちで住んでおった。
よく働くのになかなか暮らしは良くならず、広い家も荒れてきた。

周りが心配して、嫁さんを世話してくれた。
日陰の村から来たこの嫁さんがまた大した働きもんでな、気だても良い。
お粥でも、団子汁でも、なんでもこしらえれば、真っ先に「おらえの守り神さん、食べてけろ」とおそなえしてからでないと、箸を付けない。

若夫婦はたいそう仲が良くって、夜明け前から日暮れまで、せっせせっせと稼いだから、暮らし向きはだんだん良くなって、家も綺麗になってきた。

三度目の年越しにゃあちっとばかり餅もついたし、塩ジャケをな、1匹丸ごと買うこともできた。
「いい正月ができる」と夫婦が喜んでいると、押入れの中でぐすんぐすんと泣く声がした。
びっくりして開けてみると、痩せ〜こけた、汚なげ〜なじい様が、顔中ぐしょぐしょにして泣いとる。
「おめえ、だれだ?」と聞くと、
「おらはこの家に百年この方住んどる貧乏神だ。はあ、おめえ方夫婦が、あ〜んまり良う稼ぐもんだで、とうとうおらはこの家さ居られなくなっちまった。今夜除夜の鐘がなれば、福の神がやってきて、おらはおっぽり出される。
こんな住み良い家は他にゃあねえから、出て行くのが辛くて辛くて、泣いてんのよ!」と言った。すると嫁さんが、
「百年も、ず〜っと、一緒に住んでたんだべ? なら なにも出てゆくこたあねえんでねえの?」と言った。すると兄さんも、
「そうだそうだ、なにも出て行くことなんかありゃあしねえ。福の神がきたら追っ払っちまえ!」と言った。
貧乏神はたまげた。今までこんな優しいこと言われたことがない。
「ほんに、それで、ええんだか〜?」と繰り返し念を押して、
「だば、おらに飯いっぺえ食わしてくれ。力ぁつけて福の神をおっぱらうから」と言った。
夫婦は鍋いっぱい飯を炊いてシャケも焼いて、漬物も刻んでやった。
貧乏神は「うめえうめえ」と大喜びで全部平らげた。そうして除夜の鐘を待った。

除夜の鐘が一つ鳴ると、表口から「ごめんなんしょ」と、福の神が入ってきた。そうして、貧乏神がまだそこに居るのを見ると、
「やい貧乏神!この家はもうおめえの居られる所でなくなった。とっとと何処へでも出て行け!」と怒鳴った。すると貧乏神は、「なにおっ」と言って体当たりして行った。
不意を突かれて福の神は少しよろけたが、何しろ肥ってるし重たいから、そう簡単には追い出されねえ。
すると兄さんが、「それ!貧乏神負けるな!がんばれ!」と言って貧乏神の背中を押した。嫁さんも
「それ!貧乏神負けるな!がんばれ!」と言って、兄さんの背中を押した。
福の神はたまげた!今までどこさ行っても大歓迎されるおらだのに、ここの家のもんときたら、福の神のおらを追い出して、貧乏神と暮らしてえと言っとる。こりゃあ一体どういう了見だ!?」と首をかしげた。その途端兄さんが、
「それ!そこだ!ぶん投げちまえ!とさけんだ。貧乏神は、馬鹿力が出て、福の神を外へ突き倒してしまった。
福の神は、
「もうこんなヘンテコな家には、二度ときてやらねえからな」と言って、お尻をさすりさすり逃げて行った。

だから---この夫婦は、一生大金持ちにはなれなかったな。
でも、良い子供らをたくさんさずかって、幸せに暮らしたということだ。

貧乏神は今もこの家にいるらしいよ。それで、この家の子孫は代々みんな働き者なんだそうだ。 おしまい。







優しいお話でしょう。

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