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吾喰楽家の食卓

さんま苦いか塩つぱいか 

2018年08月22日 ナビトモブログ記事
テーマ:男の料理

庭の花木の枝が伸び、酷いことになっている。
幸い、昨日の朝は曇り空だったので、剪定することにした。
白木蓮、南天、山茶花、木香薔薇、百日紅の枝を、次々に切って行った。
切ること自体は、大した手間ではない。
問題は、切った枝を細かく切り、45リットルのゴミ袋に詰めることである。
枝の全部を詰め終えるのに、三時間を要した。
その成果は、六袋だ。
火曜日は、燃えるゴミの日だったが、収集車が来るのが遅く、全部、出すことが出来た。

曇り空とはいえ、剪定が終わったら、衣類は汗でびっしょりと濡れていた。
シャワーを浴び、作業着と下着を洗濯すると、昼餉の支度をする時間になっていた。
生饂飩を茹で、熱々の茄子汁で食べることにした。
最近、饂飩のつけ汁の具は、油で炒めた茄子を好んでいる。
汗を掻き、シャワーを浴びると、ビールを飲みたくなったが、我慢した。
池袋の立ち食い寿司屋へ行くと、必ず生ビールを飲んでいるが、極力、家では昼酒を控えたい。
それに、昼餉が済んだら、直ぐに夕餉の食材を買いに行かないといけない。
高校野球の決勝が始まるまでに、帰って来たいのだ。

スーパーに、新物の生秋刀魚があった。
先日、池袋のデパ地下で見て以来、食べたくなっていた。
近年、でっぷりと太った、秋刀魚は余り見かけない。
デパートの秋刀魚より、一回り小さかった。
それでも、一緒に並んでいた冷凍の生秋刀魚より、色つやが良く、見るからに美味しそうだった。
値段は、冷凍秋刀魚の二倍以上したが、それでも、真鯛や金目鯛の切り身より、はるかに安かった。
秋刀魚は、刺身も悪くはないが、塩焼にして大根おろしで食べるのが一番である。
一足早い、秋の味覚を味わっていると、佐藤春夫の詩である『秋刀魚の歌』の文句が思い浮かんだ。

余りにも有名な、「さんま苦いか塩つぱいか」の文句である。
この文句を初めて知ったとき、単に秋刀魚の美味しさを表現した詩だと思った。
いつの頃か覚えていないが、これが切ない恋の詩だと知り、非常に驚いた。
谷崎潤一郎の妻である千代への恋心が原因で、佐藤と谷崎は絶交してしまう。
恋多き谷崎なので、佐藤は千代に同情したが、それは恋心へ変わってしまったからだ。
『秋刀魚の歌』は、千代が谷崎の妻だった頃、千代とその娘と佐藤の三人の食卓に、秋刀魚がのぼったときの詩だという。
だから、毎年、初物の秋刀魚を食べるとき、詩を思い出し、柄にもなく感傷的な気分になる。

   *****

写真
8月21日(火)の昼餉と夕餉



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ウイールマンさんへ

吾喰楽さん

何か読んでいると、作者に感情移入することがあります。
たとえ、自分が体験したことが無くても。

2018/08/23 06:51:08

ごくさん

ウイールマンさん

えーとですね、何故感傷的になるのでしようか?
吾さんも以前人妻に、実らず恋をした事があるのでしょうか、、、

2018/08/23 02:44:08

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