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八十代万歳!(旧七十代万歳)
いろいろ気付かされて
2018年08月16日
テーマ:テーマ無し
泣く子と認知症には勝てません。どんなに腹立たしくても逆らったらダメなのね。
所詮理屈は通らないんだから。損得勘定してたら腹が立つだけ。
実際私は病気になることを禁じられている状況。
私が病気になると怒り出して手がつけられない。自分が不自由だから。
だから、ストレスから、「夫原病」を起こさないために、いちいち腹を立てない修行をしなくちゃ。
こき使われてもボランティアに徹しましょう。87歳にはきついけどね。
このとんでもない事態に対応するにはそれしかない。
夫にデイサービスに行ってくれと言うのはもうやめます。諦めが肝心。
しかし同じ部屋に長くいる事には耐えられないから逃げ場を作る。
夫は一人で留守番しているぶんには大丈夫、寝ているだけなので。
近所に喫茶店無し。適当なイートイン無し。
800m先の公民館と図書館分室のロビーで物語探しをしましょう。
3時間ぐらい気を鎮めてから買い物して帰る事に。
火曜日のFMの収録は、収録時間の他に、一人で次の準備をする時間スタジオにいさせてもらいましょう。スタジオに他の予定がある日は、広い部屋があまり使われてないから、隅っこにいさせてもらえるように頼んで見ます。
昔話の知恵も活用出来ますね。
葛粉薬
むかしあるところに、たいそう仲の悪い嫁と姑がおったそうな。毎日毎日ケンカばかりしているもんだから、は〜、おっか様のなげくことといったら・・・
「は〜〜〜ぁ あんな言うこときかないきつい嫁なんぞ貰っちまって、あたしゃこれからどうなることやら 病気にでもなったら何されるか分からん。あんなおっそろしい鬼嫁は、早いとこ追い出してしまわねばなるまい」と思うもんだから、ますます嫁いびりに精を出した。
嫁は嫁で・・・
「は〜〜〜ぁ あんな理屈の分からねえ、そこ意地悪いおっか様の居るところへなんぞ、嫁に来ちまって、あたしゃこれからどうなることやら、亭主はちっともかばっちゃくれないし、泣いて帰れる実家も無い。このままじゃ、あたしゃおっかさまにいびり殺されちまうよ。 おっかさま歳なんだから、早いとこぽっくり逝ってくれないかな・・・・そうだ おっか様さえ、ぽっくり逝ってくれりゃあ・・・良いわけだ」・・・と思いつめちまった。
そこでお寺に行って、和尚様に散々泣き言を言ってから、 「だから和尚様、ウチのおっか様が早くぽっくり逝くような薬をくだせえ」と言ってしまった。
和尚様は「そこまで、せつないのかぁ」といってしばらく黙っていたが、
「よし、分かった。毒の薬を上げよう。ただ、一度にたくさん飲ませて、すぐに逝かれたら人に知れるぞ。この薬はな、毎日まいにち、朝昼晩のご飯にちーっとずつちーっとずつ振り掛けるんじゃ。そうすればまあ7日ほどで、おっか様はあの世に行くじゃろう。
但しこの薬をやるからには、わしの言うとおりにせにゃあならんぞ。おっか様は7日ほどであの世に行く。だからそれまでの間、どんなに無茶を言われようと、どんなに意地悪されようと、機嫌良うはいはいと、聞いてやるんじゃ。おっかさまの喜ぶように喜ぶようにしてやるんじゃぞ。それが出来るんであれば、この薬をやるが、どうするな?」と言いました。嫁さんは考えた。
・・・これまで辛抱したんだ、あと7日で楽になれるんなら、どんな辛抱だって、た易いこった。
「和尚様、和尚様のおっしゃるとおりにしますけえ、その薬を下せえ」
こうして嫁さんは、毎日まいにち、朝昼晩のおっか様のご飯に、白い粉をちいっとずつ、ちいっとずつ振りかけとった。
そうして7日目になった。おっか様は弱る様子も無い。ただ、みょ〜〜〜なことが起きていた。
おっか様が無茶を言わなくなった。意地悪をしなくなった。人が変わったように、優しゅうなった。
それを見て嫁は考えた。「は〜〜〜ぁ、人は死ぬる時が近づくと、仏様のようになると聞いて居ったが、きっとこれがそうなんだな。ということは、おっか様はもうじき死ぬんだ。 けど、薬なくなったから、もっと貰ってこよう」と又お寺に出かけて行った。
和尚様は「それじゃああと7日分だけ、上げようのう。今度こそほんとに、おっか様はあの世に行くんじゃけえ、おっか様の喜ぶように喜ぶように、先回りしてやってやるんじゃぞ」といいました。
嫁さんはまた、まいにち毎日、朝昼晩のおっか様のご飯に、白い粉をちいっとずつ、ちいっとずつ、振りかけとった。
ところがおっか様は日増しに元気になった。5日目には、一人で町まで、うきうきと買い物に行った。そうして、自分のものは何にも買わねえで、嫁に、上等の着物を買ってきた。
「お前にこれを上げようのう。近頃お前はわしにたいそう優しゅうしてくれる。わしゃ、それが嬉しゅうて嬉しゅうて、有難うてならんのじゃ」と言った。
嫁さんはたまげちまった。何もかもおっぽり出して、お寺へ駆け込んだ。
「和尚様大変だ!ウチのおっか様が死なねえ薬を下せえ」と泣き叫んだ。和尚様は笑って、
「はよう気が付いてよかったなあ。人にしてもらいたいと思ったら、自分から先にしてやらにゃぁ、いけんのじゃぞ。よう分かったな」
「わかりました、わかりましたけえ、はよう死なねえ薬を!」と嫁さんは泣き喚く。和尚様は、
「泣かんでもええ、泣かんでもええ。おっか様は死にゃあせん。
あの薬はな、ただの葛粉じゃ」と、大笑いしたんだと。 ・・・・・おしまい。
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