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<心に成功の炎を>101 

2018年08月02日 ナビトモブログ記事
テーマ:中村天風<心に成功の炎を>

 <訓言三十> 何かで腹を立てたり あるいはヒステリックに興奮してる人には 事情のいかんを問わず 心をこめて それを忍ぶことを一生懸命に勧めて その気分を和らげることに努力しなければいけない。けっしてそれに共鳴したり 油をかけたり けしかけたりしてなならない。

 そうでなければ その人をいたずらに不幸に追いこむ手伝いをしているという おろかなことに結論がなっちまう。
 どうです? 気のあった友達なんかが何かで腹を立てたら すぐ共鳴するのがあなた方人生の義務のように心得ていやしないか。
 <なに怒ってるの? あの人のこと? あの人ったらいけないわねえ。ほんとに>なんて 一緒になっていうから
 <あなた わかってくれるわ>
 何がわかってくれるんだ。そういうときに よそからその二人の顔を見てりゃ 悪魔だ 鬼だ 般若だ。
 昔からのことわざにも 腹を立てて得した人は一人もいないねえ。

 <訓言三十一> 人間のこの世に生存する真の価値は その生存に対して より高い目的を認めて そうしてその高い目的を 生きているという現実と その現実を真理に順応して育て上げることによって達成するんだと信念するのみに正しく認識される。
 
 これは私自身のモットーだから わからなくてもいい。自分自身が生きていく場合に対して より高い目的を認めて そしてその高い目的は こうして生きているという現実と その現実を真理に順応して育てあげることによって達成されるという信念を持つ者のみがわかることだ。

         *

 以上が 天風訓言であります。
 いくらかご参考になれば 非常に結構であります。現在 何の参考にならないとしても 一生涯 私から離れずにいてくだされば 必ず <ああ あのとき聞いたあの言葉の意味は ここにあったか>ということがおわかりになるときがこようと思います。
 とにかく 道や遠し。同時に 山あり 坂あり 川あり。そらもう最初のうちは何べんかやりそこないます。いきなり訓言のとおりに実行なんて めったにできやしない。
 ただ 転んだら起きろ 倒れたら立ちあがれというふうに 屈せず たゆまず 文字どおりやり続ける。そうすると いつかは必ず <ああ なるほど>という自己陶酔にひたるときが必ずきますよ。
 終わりに臨んで一言 自分の命は自分のもの。その命を自分でもって困らせるようなことをしない。どうせ つらいこと 悲しいことだらけの世の中に生きるとき つらいことをつらいと思わず 悲しいことを悲しいと思わず生きなきゃ・・・苦をなお楽しむの気概をもって生きてこそ 否 もっと進んでいえば <矢でも鉄砲でももってこい。苦しいこと つらいこと 束になってかかってこい。そんなものに負けるおれじゃない>というような 勇気一番 この人生を正々堂々と 荘厳 雄大に生きられんことを 最後の言葉として あなた方の魂に捧げます。
 そして さらに大きな期待と夢と楽しみを胸に描いて 自己を研ぎ上げられることを あなた方のために希望して 本日の講演を終わることにします。

―426頁−5 完了―


<以下 当時の末尾に帰した内容>
2010年4月9日(金)
中村天風著<心に成功の炎を>426頁を書き写し終わりました。
2008年5月28日(水)から〜〜 
その2年間の内に いろいろなことありましたが まずは一区切りです。

ー続くー
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