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<心に成功の炎を>95 

2018年07月26日 ナビトモブログ記事
テーマ:中村天風<心に成功の炎を>

 <訓言二十> 人間というものに信念がどれだけ大事かということ。
 
 人間と信念というものの関係は ちょうどお魚と水のようなものなんだ。
 魚は水なくしては生きられない。それと同様に 人間は信念なくしては一日といえども生きていかれない。
 その信念とはア何だというと 毎晩 寝際に鏡に向かって <おまえ 信念強くなる> といっていると自然とわかるんだよ。
 信念とはこんなものだよと 見せられない。およそ何がむずかしいって <信念ってなんですか> と聞かれると一番むつかしいわ。それは 毎晩毎晩 自己暗示を与えてるうちに <あ これか>ということがわかってくるよ 言わず語らず。だから それができてきて はじめて私がいまいってることがわかるんで <ああ 私は信念がでてきたな>ということが直感的にわからないと 今の言葉も皆目わからないんです。
 とにかく 自分の人生を 信念というもので支配するすることのできる人 そういう人は やたら悲しいとか悩ましいとかというものを感じなくなるんです。価値のない悲しみや悩みを感じない。
 いま あなた方 後から考えりゃ何も悲しむことじゃない 悔やむことでもないことを盛んにやってる。信念がないから 何かそうしなきゃそのときが過ごせないように 血みどろになって悲しんだり 悶えたりしてるだろう。 地震一つ グラグラっときたって 信念があったら逃げだしやしないもん。何か自分が悪いことをしょっちゅうしてるから 殺されやしないかと思って逃げだすんだと私は思うんだが どうだい?
 こういうと なかには 変なこという人があるよ。
 <そんなはっきりしたことで逃げ出すんじゃありません。ただおっかねえから逃げだすんだ>って。
 ただおっかないというのはどういうわけだ。何がおっかねえんだ。ただおっかないというのは。何にもあてがなくておっかないというのは およそ あてなき恋よりまだ頼りがないんだ。
 あてなき恋だって ずいぶん頼りがないぜ。物思いに沈んだ娘に
 <だれがいったい好きになったの? あの人? この人?>と聞いて その娘が
 <違うわよ>といったときに
 <それじゃだれさ>
 <だれでもいいのよ 男なら>といわれたら 困るだろう。これがあてなき恋。
 何もわからず ただおっかないから逃げだすんだという そのおっかないというのは何がおっかないんだ。だから よく考えてみると ずいぶんとぼけた人生に生きているということを感じなきゃだめよ。 

 <訓言二十一> <ああ 恵まれた 幸せだなあ>というふうに感じる本当の人生の状態とは。
 
 また幸福のことを言いたいが あなた方 こういうのを感じたことある?
 あなた方は 腹がへったときに何かうまいものが食えりゃ幸いだと思うし デパートにでも行って <ああ あの着物>と思ったときにすぐ <買ってやろうか>というので買ってもらったら <ああ 幸福だ>と思うだろう。好きな人とにヒョイと会ったときなんかにも幸福だと思うだろうけれども。
 まあそれも不幸だとはいわないけれども 本当の人生の幸福とはどういう幸福だというと簡単なんですよ。人生に何の悶えもないときが一番幸福だ。いいかい なんの悶えもないときが一番幸福なんだ。ああ あれが欲しい これが欲しい これがこうなりたいというときは もう幸福じゃないんだよ。一つの要求がでてくると それが満たされるまでは少しも幸福を感じやしない。
 しかも そうなろうには ただ現在与えられたものをもって満足するという いわゆるその分に安んずる習慣をつけなさい。これが むずかしいようで 実はやさしいんだが やさしいことをむずかしいように考えるのがあなた方です。
 私がつくった歌で 今の皇后様<昭和皇后様>が非常にお好きな歌だ。
 <ありのままに我ある世とし生き行かば 悔いもおそれもなにものもなし>
 ただその現在与えられたところを試しにヒョイと振り返ってごらん。そうすると 人生に悶えというものはそうわいてこない。
 現在与えられたもので満足しないから すぐフウッと要求がでてくる。

ー続くー



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