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＜心に成功の炎を＞９４　

2018年07月25日 ナビトモブログ記事
テーマ：中村天風＜心に成功の炎を＞

＜訓言十九＞　人間として生きていくときに一番忘れちゃいけない大事なことは何か。
 
　これもあなた方にご参考になりゃ結構ですが　私はこういうふうに考えてる。
　われわれ人類にこの人生は何の理由で与えられてあるかということを正しくまず自覚することだ。これはいつか講演のときに　人間　何しにこの世にきたということを言ったでしょう。実を言うと　えらそうな顔して言ってるあの言葉を　私は３２、33歳まで知らなかった。
　だから　人間として生きる場合における一番大事なことを知らず　私は32まで生きてたわけだ。だから　お恥ずかしいけれども　本当に空気の圧迫で　ついでに生きてた私は　　あなた方よりも愚かな先輩だった。けれど　今はそうでないんだから　今度私のあとをくっついてくるときは　もう昔のまねをしちゃだめだよ。
　そしてとくに　私自身はこういうふうに考えてる。人生をたとえ一分間でも価値なく過ごしたり　また弱めたり　あるいはまた　自分の心に泥塗るような悶えを感じせしめるために　我々はこの貴重な生命を与えられたものじゃないということを　始終はっきり　忘れずに　心の中に記憶して生きろと。
　私は自分自身で　今でも　どんなことでも　チョイとでも　くだらない時間を過ごしているということを非常に恥ずかしいと思います。それをあなた方はときどき　くだらない時間を過ごしてることがおありになりゃしませんか。くだらない時間というのは　何にもしないことじゃないんだよ。けんかしてみたり　怒ってみたり　悲しんでみたり　ねたんでみたり　憎んでみたりする時間がくだらない時間なんだ。
　おおむねあなた方の人生の一日の　7割、8割ぐらいは価値なく過ごしてる場合がありゃしないか。あるいはまた　弱々しい人生を自分の心でつくって生きてやしないか。あるいは　知らない間に心を泥だらけにするような悶えを心に感じせしめていやしないか。
　そんなことをするために　我々は万物の霊長としてのすぐれた生命を与えられているんじゃないんだということを　しょっちゅう自分の心の中に明瞭に　忘れないで記憶して生きなさいと　私自身は私自身に言い聞かせて今日も生きております。
　チョイとでもまねしてごらん　愉快だから。パッと腹がたって　何か人に言おうというときに　＜あっ　いけねえ　ここだ　価値なく過ごしちゃいけない＞　と　すぐわかるようにならなきゃ。
　神経過敏か何かでもって　自分の体の弱いことなんか悔やんできたとき　＜あ　いけない　こんなことで弱めちゃいけない　そんなことをするために命は与えられていない＞ということに気がつけば　いくらばかでも　そこから向こうへ行けば落っこちるということがわかっていて　無理に落っこちに行く人はないから。

ー続くー



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