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吾喰楽家の食卓

師匠の物忘れ 

2018年07月22日 ナビトモブログ記事
テーマ:古典芸能

昨日は、阿佐ヶ谷の生家に寄ってから、風流寄席へ行った。
偶々、車で来た姪っ子家族が帰るとき、地下鉄の南阿佐ヶ谷駅まで送ってくれたので、銀座へ早く着きすぎた。
外は暑いので、店へ行ってみると、まだ、受付が始まっていなかった。
会場内は準備で忙しいはずだから、誰も居ない控室で待つことにした。

程なく、大きな荷物を持った、鳳楽師匠が来た。
中に居るスタッフに挨拶をしてから、控室に戻ってきて、受付開始まで相手をしてくれた。
前日は、いわき温泉で落語会があったが、二百五十人程が入る会場のエアコンが故障し、その暑さたるや、酷いものだったらしい。
二時間の公演を、客の了解を得て、一時間で切り上げたという。

十分間程して、受付が始まったので、会場へ入った。
相変わらず、新潟から来るKさんは早い。
「今日は、パトさんが来られないそうですね」と、話しかけてきた。
その後、事情を知らない人からは、「今日は、お一人ですか?」などと、訊かれた。

定刻、師匠は高座に上がったが、「酢豆腐」という余り長くない噺なので、本題に入る前に、マクラをたっぷりと遣ってくれた。
ところが、そのマクラは、先ほど師匠から聞いた、いわき温泉の件である。
話には先があり、高座を一時間短くした分、打ち上げが一時間長くなったそうだ。
師匠は、私を相手に、マクラのリハーサルをしたのかも知れない。

更に、マクラは、後日談が続いた。
いわき温泉に一泊し、一旦帰宅し、ひと休みしてから銀座に来た。
ところが、汗で湿った長襦袢を干したまま来てしまったので、昨日の高座は、肌襦袢の上に着物と羽織を着る破目になった。
同い年の師匠の物忘れに、同類が増え、ほっとさせられた。

   *****

7月21日(土)の昼餉(立ち食い寿司)と、風流寄席の刺身(勘八・梶木)



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