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<心に成功の炎を>77 

2018年07月05日 ナビトモブログ記事
テーマ:中村天風<心に成功の炎を>

 人生の仕事をできるだけ大脳の支配下に置かないようにすると それが結局において 心を疲れさせないでもって 神経系統の生活機能を完全に働かすようになって 自然と健康も運命も完全になるような力がでてくる。それは余裕が出てくるからなんですよ。
 まあとにかく 何もかもみんな小脳に任せるようになったら 実にそれは尊いことになる。本当にすぐれた人というのは普通の人と違って あんまり細かく気を使いません。だから むかしから<対人は小児の如し>ということわざがあるぐらい。それはつまらないことに気を使わないだけなんだよ。みんな小脳に任せちゃった。
 あなた方は 何かむずつかしい問題があるとすぐ 大脳を使うんです。天風会員になって修練会をなんべんも経験すると むずかしい問題があると 大脳じゃ考えませんよ。ちゃんと自己暗示力を応用して 小脳に考えておけよと 小脳に考え方を任せちまうじゃねえか。それだから 非常にできてる人は 苦労だと思えるようなものにぶつかっても 苦労しやしませんよ。
 私はその昔 軍事探偵時代に 朝から晩まで ジレットの刃みたいに神経とんがらせて生きてた。ところが 悟りを開いちゃってからというものは もう極めてのんびりと どんな大事件があったって 何とも思いやしません。みんなもう いざというときには小脳が片付けてくれると思ってる。
 だから 私と一緒にいるときに大きな騒動が起こったら たとえば地震が起こるとか あるいは何かその他のアクシデントが起こったとき 私が逃げろと言わないかぎりは逃げちゃいけないよ と私よく言うでしょう。あわて者になると 少し大きな地震があると 講演してる私をおいてきぼりにしていっちまう人があるね。そういう人は大脳が出ていっちまってる。小脳で生きてる人だったらね 小脳が逃げろといわないかぎり逃げやしませんよ。
 だから 大脳と同様 もしも小脳に故障が生ずると どんな利口な人間もばかになってしまう。第一 慣れた仕事ができなくなってしまう。
 人間というものは 小さな小脳というものが脳髄の中にあるために 生活がじつに気楽にできてるわけです。
 あなた方は それが当たり前と思ってる。それは罰当たりというんだよ。
 ありがたいかな 小脳があるから 非常な困難を生活に感じないんだ。歩くんだってそうだろ。まだ小脳が発達してない小さいときは<あんよは上手 おころびお下手 ここまでおいで>と チョイ チョイ チョイと歩く。今ごろは 右を出しゃ 左を出すなんてことをいわれなくたって 必ず互い違いに出してるだろ。それとも ときどきヒョイと 互い違いに出さないで ひっくり返っちまうことあるかい?
 とにもかくにも こうして生きていられるのは小脳のおかげ。少しこみいった文章や手紙などを書くときでも 現在では 文字をほとんど無意識的に書いちまうじゃねえか。いちいち新しい気持ちで字書いてる?小脳があるからでしょ。この小脳の作用を学問のほうじゃや 小脳の反射運動とこう名づけた。
 いずれにしても 小脳は人間の とくに肉体の一切の行動を極めてたやすくするために造物主が与えてくれたもんだということを忘れちゃいけませんよ。

 それから第三は延髄。

―続くー



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