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ひとり言
Amtrakで過ごした4日間
2018年07月03日
テーマ:テーマ無し
53時間の間ずっと聞きなれた汽笛の音と共にCalifornia Zephyr号は私の感慨などはお構いなしに今迄停車してきた駅々となんら変わりなく終着駅Emeryvilleにほぼ定刻の30分遅れ(Chicagoでの搭乗時から30分遅れていた)で到着。 それは私の5年越しの夢「アメリカ大陸横断」が叶った瞬間!!
写真の動画を作ったのでご笑覧ください。 4日間の記録なのでちょっと長いですが・・・お手すきの時に
https://youtu.be/uxgQnj_XRtY
5年前のちょうど同じ時期、飛行機で45分で行けてしまうNYからBuffaloまでの距離をAmtrakで行って見ようと思い付き、 Empire Serviceという名の路線で
Penn StationからNiagaraまでの実に快適な8時間を過ごして以来列車で東海岸から西海岸までを踏破することが私の夢になった。
今回はその旅の続きの続行。
Buffalo DepewからChicagoのUnion StationまでをLake Shore Limitedで終点Chicago Union stationまで9時間。 そこでCaliforniaZephyrに乗り換え西海岸のCalifornia州Emeryville(終着駅)までの53時間の列車の旅。
Lake Shore Limitedはコーチクラス(いわゆる普通座席)を興味本位で選んでみた。 前回はビジネスクラスを利用して快適だった。 しかし、アムトラックのホームページによるとコーチクラスも座席は広くフットレストなども装備されていて快適そうであったこと、そしてもちろんお値段もお安く(ビジネスを使ってもお安いのだけど)、アメリカの旅する人たちの姿も垣間見ることが出来る。 と、いろいろな理由でコーチクラスを使ったけれど・・・
次に乗る時にはやはり最低でもビジネスにしたい。 理由は、車両が先頭の気動車に近いので絶え間なくなり続ける汽笛の音が思いのほかうるさかった。 ビジネスクラスは一番後ろに位置している・・・と言う理由が明確に理解できた(笑
California Zephyrは迷わずシャワーとトイレのついたベッドルームを選んだ。 もちろん寝台車両には広いトイレとシャワールームが何室か設備されているけれど長旅ゆえ快適さを最優先。 日本の新幹線や他の列車と比べたら列車も機材も古めかしいけれど、清潔で快適。
8時間の一度目の経験が退屈しなかったからといってさすがに53時間は・・と思い普段から読みたかった本を3冊持参した。 が、しかし・・・どういうわけか夫も私も「退屈」とは無縁の53時間を過ごしたこと、そのこと自体が本当に不思議。
地平線だけが続く車窓は何時間走っても変わらない・・・日没が迫り、夜が来て、満天の星空をみせてくれ、そしてカーテンを開けると美しい夜明けがそこにある。
California Zephyr は7つの州を過ぎて行き(Depewから数えると10州)、4つの時間帯を超えて行く。 どこまでもどこまでも変わらない景色が続く中でColoradoに入りDenverを超えるとそこからのロッキー山脈越えは圧巻。 あの高い山脈を越えて行く方法は長い長いトンネルでもなく、アブト式でもなく、またスイッチバック方式でもない。 列車は右に、そして左に大きくゆったりとカーブを切りながらゆっくりと、着実に力強く坂を上って行く。 私たちの居住スペース列車の真ん中に位置しているので行く手には列車の先頭が見え、振り返ると最後尾も見える・・・何度も繰り返されるその景色には性懲りもなく何度もシャッターを切ってしまったほどの魅力がある。 43個のトンネルをくぐり、その出入り口では迫りくる自然のままの荒削りの岩山に「ウ〜ン、だからロッキーマウンテンなんだ」と納得。
食堂車は2両、その前方にパノラマカーが位置している。 パノラマカーの階下は売店とカフェルーム。
寝台車乗客には3食が提供されるというのでチケットを買った瞬間から興味津々。 バイキング方式かな・・・でも、列車が揺れるとそれは案外大変かも、などという考えは取り越し苦労で、実際には本物のレストランと大差のないサービスと食事が提供された。
メニューは、朝食、昼食、夕食、サイドディッシュ、飲み物、デザートのカテゴリーになっていて、値段も明記されている。 (コーチクラスの乗客はその都度支払う)
4人掛けのテーブルなので、私たち二人はほとんどいつも誰かと相席になった。 相席になるとそこは社交の場。 無言のままだったり、不機嫌だったりは許されないのであろうと思われる暗黙のルールが在りそうだった。 どこのテーブルもにこやかに話をしながら食事を続けている。 見ず知らずの人たちと祖何風に食事をとることは日本人には若干荷が重いかも・・・だが、幸いにも我が夫は大人のアメリカ人男性、そつなく楽しい会食の場にしてくれた。
さて、食事の質。 期待していなかっただけに実に嬉しい期待外れ。 食べたものはデザート、コーヒーも含めてすべて美味だった。 アメリカの平均的レストランの味と質を考えるとスコアはかなり高い。 ただ、だんだん人気のメニューには数に限りがあり別のものを注文せざるを得ない状況だったけれど・・・とうとう食べられなかったシーザーサラダが今も心残り。
3食付ということは、お酒以外は何をたのんでも良いというのが大陸的ということか・・・
私が食べたいものはいつも一番お安くて、ステーキなどとは20ドル以上も差があったなぁ、と思った私は心が貧しいらしい。
全てタダだけれど、そこはチップの国アメリカ、3食で15ドルくらいのチップが必要。
起床時間や、食事の時間に関してはいくつもの時間帯を超えて行く、という慣れていない状況に何度も戸惑った。 Colorado州に入り、山岳標準時になった・・・などというアナウンスもまったくないことに正直とても驚いた。 必要不可欠の情報だと思っていたのは私だけ?
ましてやアムトラック(概して外国の列車は同じであるが)は出発するときにも、到着するときにも本当に静かであり、乗車中もほとんどアナウンスがない。 食事の案内も1度か2度のみ。 日本であればうるさいくらい事細かに案内があるだろうと思われる部分もじつにさっぱりしている。 どこかの国の様に子供の頃からあれやこれやを指示されながら生きてきている(気が付かないけれど・・・)身には若干の物足りなさと心細さを覚えるほど、そこは「自分で考えて行動せよ」という大人の世界なのかもしれない。
私達の部屋はBedroomと呼ばれ、トイレとシャワー、お湯も水も出るシンク、ロッカーとハンガー、2段ベッドと寝具、たためるエキストラの座席、テーブル、読書灯、3か所に電源が付いている。 ホテルと同じようにたくさんのタオル類、石鹸、シャンプー、コンディショナーも用意されていた。 トイレとシャワーは一つの小さな部屋で機能的なシャワーカーテン、トイレットペーパーが濡れないように実に見事な工夫が施されたホルダーは見事として言いようがない。
シャワーは結果としてトイレに座って使うことになるわけだが(おすすめ、と書いてあった)トイレに座ってシャワーを浴びることにあった若干の抵抗も、実際に浴びてみるとなかなか快適で・・・いやはや、病み付きになりそう(笑。
車窓から飽きもせずに見つめ続けていた風景
「何もない平原」 車窓のほとんどが何も変わらないこの景色だったのになぜか目がはなせなかった不思議
「天使の階段」 最初の夜明けを迎えたのはたぶんアイオワ州からコロラド州へ入る付近、ここで見えた薄明光線・・・ 雲の切れ間から太陽の光が漏れ、光線の柱が放射状に地上へ届くそんな状態が刻々と移り変わるのをやはり飽きもせずに眺めつづけていた・・・何度シャッターを切ったろうか
「ソルトレイク」 残念ながらこの街を通過したのは真夜中で何も見えず残念だったけれど、夜明けから午前中のほとんどを走ったユタ州とネバダ州で、デスバレーを思わせるような風景が続く。
塩湖の水が蒸発してソルトフラッツになった世界的に有名なボリビアのウユニ塩湖のような風景のそばを通ったのは真っ暗闇の中で何とも残念
「満天の星空」 夜中の3時半ごろ、誰かに呼ばれた気がして起き上がってカーテンを開けてみた・・・そこにあったのは絶句するほどの星空だった。 42度くらいの高い位置にある北極星は圧巻。 思わず眠っている夫を起こし二人で夜明けが来るまで星空を眺めつづけた。
Sleeping carのチケットを買った人の特典
Chicago Union駅では出発までの時間The Legacy Clubという素晴らしいラウンジの利用ができる。 そこはで無料の飲食のサービス、テロを警戒してコインロッカーのない駅舎では荷物の預かりサービス(時間があれば荷物を預けてChicagoの街をそぞろ歩きしてくるのもOK)はうれしい。そしてFree WiFiが利用できる高級ホテルのような空間。
参考URL
https://www.amtrak.com/california-zephyr-train
このサイトからチケットが買えてEチケットが発行される。
運賃と料金は購入時期や繁忙期などに左右されるので一定ではなく、任意の日付を入れて検索してみると面白いと思う。
http://www.chicagounionstation.com/
Chicago Union駅のサイト
NYからのEmpire Serviceは供給されていたWiFiは路線のほとんどが大平原を行くためWiFiサービスは初めからなかったCalifornia Zephyr
好奇心も手伝ってポケットWifiを持参し、現地でsimを入れて使用。
流石に何もない大平原では繋がったり繋がらなかったり・・・繋がった、と思った時は都市が近づいていた。 Better than nothing。
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