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<心に成功の炎を>18 

2018年04月27日 ナビトモブログ記事
テーマ:中村天風<心に成功の炎を>

 さあ それじゃあ一体どういうふうにすれば心の入れかえができるだろうということを 今日は簡単に教えますよ(詳しくは <成功の実現>参照)。もうすでに聞かれている人がここにいやしないかと思いますが 何回聞いてもいいのよ。
まず 消極的というのは およそ10ある。第一が怒ること 第二が悲しむこと。第三が恐れること。第四が憎むこと。第五がやきもちをやくこと うらやむことだね。第六が恨むこと。第七が悩むこと 懊悩すること。第八が苦労すること。九番目が煩悶すること。それから十番目が迷うこと 混迷すること。
この中のどれかしらんがあなたの心にあるとき それは心が消極的な方面に働いているときなんです。そういう人は これから毎晩 床に入っての寝がけの寝付くまでの間の時間 断然その心の状態を積極的にする習慣をつけることですよ。 
 人間はね よほど心が修養されていないと 寝床に入ると とかく消極的なことを考えるべく余儀なくされる自然傾向があるんです。
 世にいういわゆるノイローゼというばかばかしい病がありますが あのノイローゼというやつは 寝がけに消極的なことを考えれば考えるほど 病状がより悪く進行してしまうんです。
 人間が寝るときには 体を横にするね。私が軍事探偵の時は立ってでも寝ましたが しかし そう何日も立っては寝られないよ。体を横にして寝ます。そうすると 頭も横になっている。そうだろう? するとどうなるかというと 大脳がやっぱり横になるんです。
 人間の思考作用というのは 脳髄で行なわれるんですが 脊髄の上に大脳が安定している場合に行なわれる思考作用が いちばん健康的な思考作用なんです。だから 夜になって寝るために横になって その状態で考える思考作用はよくないんです。
 私が病になってからというもの すっかり気が弱くなってしまって 毎晩 寝床の中でくよくよと考えちゃったんです。
 ですから あれほど毎日毎日あの満州の平野を駆け巡っていた時には 男惚れするほど強い心を持っていたはずの私が 病になってからというもの それはお恥ずかしいほど弱いものになってしまったんであります。人間 知らないということほど恐ろしいことはありません。けれど お陰様で研究の結果 寝がけに消極的なことを考えるのは よりいっそう神経系統の生活機能に対して 非常に悪い影響を与えるということがわかったんです。
 人間の生まれたときの心というのは 弱くもなきゃ強くもないんです。ラテン語でいうと <タブラ・ラサ> 無色透明でピュアなものなんであります。それが物心つくと いわんやまして 現代のようなマスコミ時代になると 耳から目から あらゆる方面から入ってくる消極的な暗示によって 現在かくあるがごとく あなた方を弱いものにしてしまうんです。
 ご自分でも思ったことない? 時によるとなんで自分はこんなに気が弱いんだろうと愛想つきることないですか?
 幸いに今まで どんなことがあっても 少しも自分の気持のなかに動揺を感じなかった人は そりゃあ 非常に幸福な人ですが なにがなしの事柄のあるたびに 自分の心の中に変化を感じる人は 真剣にお考えなさいよ。
 寝床の中というのは ただたんに肉体と精神との疲れを休める場所ばかりでないんです。そういうふうに軽々しく考えたらだめなんです。<はい 疲れた。寝ようや>なんて もちろん それも目的のひとつだけれども もっともっとそこには深い目的があるんです。それはなにかというと <生命の立て直し>ということなんであります。
 昼間グダグダに疲れた体も一夜ぐっすり寝ると 明朝 捲土重来的に力がでてくるじゃないですか。なにも寝ている間に一生懸命に自分の活力を吸収しようとしたわけでもなんでもないけれど 我知らずの間に 自然の作用で疲れもなおり 消耗された力も復活するというありがたい働きがあるんです。
だから 夜の寝ぎわは どんなことがあろうと つまり昼間たとえどういうことに関係した場合であろうとも夜の寝床の中は神聖でなければいけないんです。
 かりそめにも 消極的なことを いっさいもちこまない。
 それを凡夫凡庶のあさましさ 床に入って気が休まると よけいにくだらないことを考えてるわ あなた方。<昼間のあいつの言いぐさは いま思い出しても腹が立つ>なんて 消極的な気持ちのおさらいをしている人がいる。
 理想からいえば 寝床の中に入ったら 無念無想 何も考えないのが いちばんいいんですけれど これは修養しないとなかなかできない。だから そういうときは やむをえないから 考えるなという無理はいわないから 夜の寝際にどうしても ものを考えずにいられなかったら 考えりゃ考えるほど楽しく 思えば思うほどうれしいことだけを 考えたり思ったりすればいいんです。
 思うたびに考えるたびに 何とも言えない心に小躍りするような喜びを感じることだけを考えるようにすればいいんです。わかった?
 ともかくも 理屈はぬきだから 今夜から 新しい人同様 古い人も きょうはじめて聞いたような気持でもって 寝つくまでの間は どんなことがあっても心に垢 汚れはつけない 磨きたての真珠は薄絹に包んだような本当のきれいな気持で寝床にいなさいよ。
<1行空く>

―続くー



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