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<心に成功の炎を>17 

2018年04月26日 ナビトモブログ記事
テーマ:中村天風<心に成功の炎を>

 もういっぺん申しあげるぜ。人間の意志の力が弱ってくるのは これ以外にもそうとう原因もありましょうけど 私の場合は 第一番は 自分の潜在意識領にあまりにも消極的な観念要素がたまりすぎたために 気にしなくてもいいことを気にし 心配しなくてもいいことを心配するというふうな状態になってしまった。
 潜在意識の中に消極的な観念要素がなければ どんな事柄に直面しても 驚いたり 怒ったり 悲観したりするもんじゃないんです。
 第二には 感情や感覚の世界に生きてるために よほど用心しないと 自分の精神的態度というものが ついこの感情や感覚に引きずられて弱くなってしまう。それで 思うにつけて 考えるにつけて いつも気弱な 引っ込み思案的な 神経過敏的な思い方 考え方をする。ああしちゃさわりゃしないか こうしたらいけないんじゃないかしら ああしたらあたりゃしないか というようなふうにね。
 そして第三に これもまた重大なことですが 感情 感覚のショックが 命を生かしていく一番大事な仕事を行なっている神経系統の生活機能に悪い影響を与えてガタガタにしてしまう。  
 この三つのことが どういうわけで意志の力が弱ったという状態を作り出すかというと 直接の原因は ラジオとテレビに必要なあのアンテナと同じようなものが心にあるんです。精神機能の運営作用を掌握する一つのアンテナがある。これを感応性能といいます。この感応性能が調和を失ってしまう結果 意志の力がグーンと程度を下げてしまうんです。
 ですから いま申し上げた三つのことを訂正する方法をおこなうと グングングングン 心のアンテナである感応性能が調子を戻してきます。すると われながら自分の心のあり方があっぱれだと思うほど 意思の力が強くなり じつに快刀をもって乱麻を断つごとく 思っちゃいけないこと 考えちゃいけないことは絶対に心の中に取り入れない。いつも積極的に 尊く強く正しく清く 心を敢然として堅持して人生を生きられるような人間になれるのであります。
 何はともあれ 心の入れかえをしなきゃだめなんですよ。その心の入れかえをするのが ここで今まさに教わる方法なんであります。
 その方法とは <観念要素の更改>と<積極精神の養成> そして<神経反射の調節>の三つ。この三つの方法を実行しないと 心の入れかえが必要だってことは万々わかっていても なかなか入れかえが入れかえにならないんです。
 その証拠には いまどきの世の中の多くの人々が 心のつくりかえをしようとするときに いつもできない相談をできるかのごとき気持でやってるという場合が多かないですか。
 現に あなた方もそうじゃない? 心がけ 考え方だけを変えさえすれば 心の入れかえができるというふうに思ってる人が少なくないんですよ。つまり 神経過敏の気持になったら 神経過敏でなく心を動かしゃいいじゃないかと思っている。
 そして それで完全に目的が達せられるように思ってる人が多いかもしれないけれども たとえば何かのことでもって元気をなくした人間が 誰かに<元気出せ もっと>といわれたときに<よっしゃ 元気出すわ>とすぐ元気が出れば なんのことはないんですよ。
 心配してる人間に <くよくよするない 心配したって片付く問題じゃねえじゃねえか。なるようにしかなりゃしねえやい。そんなこと つまんねえことだから 心配するな> <よし それじゃ心配せんわ>と これですぐ了見が入れかえできれば だれも苦労するものはありゃしません。それができるように思ってるのがあなた方なんだぜ。
 学校の先生が生徒に小言いうときだって 親が子供に小言いうときだって 先輩が後輩をしつけるときだって 今夜これから聞くような方法をしんみりと教えてやりゃあ 何もお互いに苦労しないでもって ドンドン ドンドン 心の立て直しができるであろうけれども 知らないから お互いやってることがこんにゃく問答じゃねえか。
<1行空く>

―続くー



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