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<心に成功の炎を>3 

2018年04月10日 ナビトモブログ記事
テーマ:中村天風<心に成功の炎を>

 そして 人類の通念になっている理想の標準ともいうべきか 憧れともいうべきか まさにそうあらねばならないこの四つの条件が 果たして我々の人生に味わわれているか否かは お互いに考えなければならない重要なことであります。
 言うまでもなく かりにも人としてこの世に生まれてきた以上 第一にその生命ができる限り <長く> 生きられなければ この世に生まれ出た甲斐がないということは 誰でも常識で考えられますでしょう。
 ところが世間には 人生にいまだ何事もなさず また なさざるに先だって 早くもこの世を去るという 何のために生まれてきたのやら さっぱりわからないような短命の人がたくさんいます。こういう人は不幸中の不幸の人といっていいんです。お互いこの世に生まれてきた以上は 長く生きなければ どの点からいっても嘘でしょう。
 いわんや <強さ> を失った人生じゃあ 生きて生きがいがないでしょう。いくら長生きしても その人生に強さが兼ねそなわらないと ただこの世に長くいたという結果になって むしろ長く生きていることに煩わしささえ感じるという不幸なことになってしまう。
 お集まりの中にも 病をお持ちになっているお顔も見えますが 私も8年間 辛い病に冒された経験を持っている者ですが 病んでいるとき そこに少しもはなやかな人生はないんです。
 健康を考えないときが一番人間は幸福なんですよ。西洋のことわざに <Health is not valued until sickness comes>と言う言葉があります。この言葉のとおり 丈夫なときには丈夫なことを考えないし どこも痛くないときに<痛い>と言う人はいないです。だから 本当に丈夫な人は健康と言うことを考えませんよ。どうもないんだもん。お金をたんまり持ってる人は貧乏の事は考えないでしょう。
 そして 人生に<長さ>と<強さ>だけを兼備したところで まだまだ完全とはいえないんです。人生には あなた方各人各様にふりあてられている なさなければならない多くの事業や仕事があるんです。そのふりあてられている仕事や事業を完遂して さらにまたいっそう有為の事実を現実化させなければ 人間としての広義の義務が尽くされないんです。
 その目的を達成するのには 人生に<長さ>と<強さ>との上に <広さ>と<深さ>が実際的に加えられなければならないんであります。
 ですから 人間 ふたたび繰り返すことのできない世の中 どうしたってこの四つが完全であってこそ本当だと思し召すでしょう。
 しかも そうするのには 多くの人々のように 肉体ばかり考えていてもいけなければ 心ばかり考えてもいけないんです。心と肉体が一つになって我々の生命が生かされている。そして 心と肉体を一つにして生かされているという この動かすべからざる現実を忘れて生きたら 四つの条件は目的を達せられないんです。
 もしも 我々が肉体だけを本位として それ注射だ それ薬だ それ栄養だといって 豊富な肉体生活をしていることによって丈夫になれるとしたら 人生 このぐらい気楽ななものはありません。第一 医者ならびに医者の家族がみんな丈夫なはずだ。
 ところが どういうものか お医者さんそれ自身があまり強くない人が多いんです。医者の強くないのは<紺屋の白袴>ですよ。医者の家族がまた どういうものか あまり強い人がいない。私も医者だからよおく知っています。
 私がまだこういう消息を知らないで 医学だけでもって人生に生きている時分には 私の家の者は けっして 私に病を診てくれといわないんですよ。うちの主人の本当の腕前を知っているもの。
 しかし これは医者が悪いんじゃないんです。医学に欠点があるんでもなんでもない。生命というものは 肉体だけの処理では完全に解決がつかない存在であるからです。
 その肉体が生きていけるのは 生命を生かすエネルギーがあって それを心が受けとって 生命活動という現象があるんです。あくまでも心と肉体がピタッと一緒にならなきゃいけない。それはちょうど 夫婦があくまでもピタッとひとつの心じゃなきゃ その家が繁盛しないのと同じなんです。
 そこで ピタッと合わせるのに必要な方法を私がお教えしてるわけです。

ー続くー



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