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千手観音坐像
2017年05月01日
テーマ:テーマ無し
千手観音坐像(せんじゅかんのんざぞう)(蓮華王院本堂安置)
湛慶作 1軀
妙法院(京都市東山区) 鎌倉時代(1254)
木造 像高 335センチ
蓮華王院本堂(国宝)は後白河法皇の御願になり、長寛2年(1164)に創建、堂内には康慶・運慶父子が造った丈六の本尊千手観音と、それに隋侍する等身大の千手観音1000体が安置されていたが、建長元年(1249)火災のため建物とともに諸像のほとんどを失った。同3年(1251)再興に着手、足かけ6年を要して堂宇をはじめ中尊の千手観音、千体千手観音、二十八部衆および風神・雷神が造立されたのである。
この丈六を超える巨大な中尊は再興像で、檜の寄木造り、玉眼、漆箔(しっぱく)を施す。像容は自然で、面相にやや古様がみられるのは旧像の風を伝えているものかと思われるが、体部の造形や太めで強い衣文線には鎌倉彫刻の特色を表している。像内の銘文よって作者は運慶の子・法印湛慶(ほういんたんけい)であり、それに小仏師康円・同康清が協力、2年半を費やして建長6年(1254)に完成したものであることがわかる。時に湛慶82歳、円熟した彼の技法を示すばかりでなく、運慶に始まった鎌倉彫刻がその頂点に達したことを物語る作品である。
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