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強力な個こそ日本を結束させる 

2011年02月18日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

日本人に芯がなくなった
 
日本が最近変わったと思うのは、人間に芯がなくなったことである。芯は、個々人に精神の背骨が通っていて、それで外界をがっしと受け止めている状態である。
今の日本には道徳の基盤がない。家に土台がないようなものだ。たとえば、人は6日間は「何であれあなたの仕事をし」その次の日には休みなさい。親は敬いなさい。自分でも他人でも殺すのは大きな罪だ。姦通したり、盗んではならない、と言われたのである。これらは、紀元前から人が神に教えられていたとされる道徳律で、その真理は今でも本質的に変わっていないのだが、古くさい感覚として教えもしなくなった。
「働きたくない者は食べてはならない」「パンをただでもらって食べたりはしない」という戒めもあるのだが、現在では働きたくない人も食べさせてもらうのが当然の権利と言い張る時代になった。
紀元前でも難民を助けるのは義務であり、そのための方法さえ具体的に旧約聖書は書いている。一例を挙げれば畑で穀物を収穫する時、そのうちの一束を持ってくるのを忘れたなら、決して取りに帰ってはならない。それは寄留の(難民生活をしている)他国人、寡婦、孤児などに気兼ねせずに取らせるためであった。慈悲が人間を人間たらしめている基本なのだが、現代は慈悲など必要としない。生活保護の制度を作ればそれでいいじゃない、と考える。
 
戦後、自己の哲学教育せず
 
人道の基本、つまりその人の哲学を持つことを、戦後の日教組的教育はまったくといっていいほど、教えなかった。その結果、見るも無惨な結果が生まれた。何より目立つのは、生きる目標がその人個人の思想ではなく、社会の価値観で動くようになったことである。将来の計画を、自分が好きな道でたてるのではなく、世間通りのいいいわば流行で決める。
今欲しいものがあれば、自分が対価を払えなくても手にしなければ不満に思う人が増えた。それがローンという精神までを食い荒らす化け物になった、と私は思っている。戦前には、借金をしてものを買ってはいけない、と親から教えられたものだ。欲しいものがあればお金を溜めてから買いなさい、ということなのだ。日本の大半の銀行が、昔の「高利貸し」にあたる金融の部門をその営業に加えた時、私は日本人の精神の崩壊の最初の音を聞く思いがした。
来年度の予算は92兆4116億円だという。借金に頼らずに財政運営ができるかを示す基礎的財政収支は、22兆7489億円の赤字だという。どこの家でも、金がない時は使わないで耐える他はないのだが、現政権は現状を無視して金を国民にばらまき、人気取りをする。昔から、これはバカ息子を育てる方法で、国民の精神自体を荒廃させるものだ。国民も「皆いい子」と言われて甘やかされて育った世代だから、国全体の姿を見ず、自分の小さな得しか考えない。
誰でも人には、自分の人生に対する嗜好があって当然だ。時にはそれは、偏屈、頑固、時代遅れ、無理解といった非難を受けることもある。しかしそれらは、人の個性というものであって、昔の文部省の教育にも、軍国主義にも、世界の軽薄な風潮にも、権力志向にも、不正にも敢然として闘う力を持っていたものであった。
しかし今はそのような勇気を持つ人に、私は個人的に出会うことがほとんどなくなった。「組織の意向」に気兼ねするばかりで、自分の立場は表明しない卑怯者になっている。
 
内閣の票集め政策は投げ銭
 
現内閣は権力闘争に明け暮れる政治家の醜態をよく見せてくれた。その場その場で出す票集めの政策は、昔のご領主さまの投げ銭の場面を彷彿とさせる。熱狂して銭を拾う領民は「もっとくれ」精神に毒され、不平は募っても幸福は感じない。それが日本の現状だ。
昨年の最大の収穫は、検察も警察も、共に弛んで信じられないほど堕落していたことが明るみに出た点だろう。日本は堕落においても世界的レベルだったのだ。それで通る、と思っていられるより、むしろ早めに威信を失墜した方が救いだったかもしれない。これも権利ばかり教えて義務の観念を教えてなかった教育の責任である。
強力な個があってこそ、特異な力を備えた人間も形成され、時には彼等の強引な思想に周囲が悩まされることもあるのだが、逆にその刺激によって自分を発見した人も多かったのである。それらの哲学を持った人間集団が、政治にも、外交にも、産業の構造にも力を発揮して、日本を強固なものとして結束して来たのである。
何度も言っていることだが、人間は受けるだけでなく、他者に与えてこそ、初めて人間になり満たされ幸福を実感する。この心の流れを止めている限り、泥沼の国家経営は続くことになるだろう。
 
以上は、1月1日産経新聞の正論より、作家・曽野綾子氏の「年頭にあたり」を転載した。
 
「教えない罪」、「伝えない罪」もある。若い人たちにもっともっと色々な体験をしてもらいたい、そして自らの心の拠り所となる原体験をしっかりと積み重ねて欲しいと、私自身、つくづく感じたしだいである。
 
近年、世界に羽ばたき活躍する日本人が数多くいると感じている。ノーベル賞に輝く科学者あり、ピアノやヴァイオリンなどの国際音楽祭などでの受賞者、野球やサッカーなどの選手達。そして、米音楽界最高の栄誉とされるグラミー賞を今年は日本人演奏家が一度に4人も受賞した。最新のニュースでは宇宙飛行士・若田光一さんが宇宙ステイションの船長という嬉しい報道があった。
 
これらは政治の混乱と経済の停滞から国内に広がる閉塞感を吹き飛ばすような快挙に違いない。
日本人は素晴らしい。ガンバレ日本!
 


 

 

 

 

 
 

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