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「沢水の洗顔痛し秋薊」 

2016年10月03日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句ポスト投稿

 「俳句ポスト365」は、愛媛県の松山市が運営する俳句の投稿サイトだ。その第154回 2016年8月18日週の兼題は、「秋薊(あきあざみ)」である。兼題の説明に曰く。

秋薊(秋の季語)「あきあざみ」。キク科の多年草である薊には多くの種類があり、そのうち「山薊」「南部薊」「真薊」など、秋に花をつけるものの総称をいう。単に「薊」と言った場合は春の季語となる。

 俳句集団「宇宙(そら)」のメンバー5人による「秋薊」に対する投稿の入選結果は、次のとおりである。

 沢水の洗顔痛し秋薊   天選  篠田ピンク  

 兵隊の雑嚢かばん秋薊    人選  津軽わさお  

 円空の鋭き刃跡秋薊   人選  津軽まつ 

 嘗味噌のしみる舌先秋薊   並選  津軽ちゃう 

 秋薊小屋に残りし呼子笛    並選  野々原ラピ

 
 「俳句ポスト365」では、全体3,000句程度の投句に対し、入選が「天、地、人、並」に分かれる。入選の「天、地、人、並」の内訳は、各回、天の俳句1句、地の俳句9句のほか、大体、人選の俳句200句、並選の俳句300句だ。

 今回の俳句集団「宇宙(そら)」による「秋薊」に対する投稿の入選結果は、天選1句のほかに、言わば、人選の2句は、上位210句内の句、並選の2句は、その下の300句内の句である。天選1句はもちろん、人選2句、並選2句とも、3,000句中の堂々の入選句だ。


 それでは、3,000句中の栄えある一等賞の天の句は、どんな句か。何事も勉強の意味で、以下に天の句を再掲し、及び選者の夏井いつき先生の講評を掲げる。

 沢水の洗顔痛し秋薊   天選  篠田ピンク      
      
 「秋薊」という種があるのではなく、秋に咲く薊全般を指すのが、季語「秋薊」なんですね。元々「薊」は春の季語であり、「夏薊」「秋薊」とそれぞれの特徴を把握していくのは、なかなかに難しい要求です。

 他の季節ではない「秋薊」の特徴は?……となれば、「秋」の一字の爽やかさであり、秋冷であり、ささやかな寂寥感めいた感情でありましょうか。

 掲出句、「沢水」にて「洗顔」している状況が、一句の世界となって立ち上がってきます。「沢水」という場所情報に加え、「洗顔」の一語によって、前夜はこの「沢」の近くで野営したのではないかと想像できます。

 野営の朝を迎えての「洗顔」を、「沢水の洗顔」という言葉で端的に表現したのが鮮やか。巧いなあと思います。

 さらに「洗顔」の感覚としての「痛し」のリアリティ。この一語が、春の「薊」でもなく、「夏薊」でもない、「秋薊」という季語の本意と呼応します。

 最後に出現する「秋薊」は、具体的な種ではなく、「秋」に咲いている「薊」という漠然とした、この季語の特性をうまく表現しています。

 朝の清澄な空気、「洗顔」の「水」の感触。野営の現場をこれだけの言葉で切り取れていることに、爽やかな感嘆を覚える一句です。


 以上に関する津軽わさおの勉強したところを以下に掲げる。

 今回、津軽を拠点とする俳句集団「宇宙(そら)」は、メンバー5人による天・地の俳句への挑戦、26回目にして初めて、天・地の俳句、しかも天の俳句に入ることができた。

 天の俳句に選ばれた篠田ピンク君の大快挙達成に関し、メンバー5人全員で大きな喜びに包まれている。 

 そして、篠田ピンク君の作句の考え方を聞いてみると、夏井いつき先生の講評内容とドンピシャリであることに大いに驚く。メンバー全員で、今回のドンピシャリの点を含め、篠田ピンク君の天の句及び夏井いつき先生の講評内容を更に熟読玩味していくことにしている。

 このような具体の内容に即し、メンバー全員で、勉強し、かつ切磋琢磨していくことで、更なる俳句集団「宇宙(そら)」のレベルアップに挑戦して参りたい。



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