メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

人生日々挑戦

 「なるほど感」 

2015年10月29日 ナビトモブログ記事
テーマ:俳句教室

 別題 わさおの俳句教室日誌・秋吟行〜15.10.14分

 2015年10月14日開催の俳句教室は、青森市の野木和公園における吟行を経たうえで行われた。

 野木和公園は、青森市の西部丘陵地帯に位置し、園内は野木和湖を中心に静かな自然に囲まれている。

 総面積は33.6ヘクタールあり、バードウォッチングを楽しむこともできる。春は、約900本の桜が咲き誇る桜の名所であり、桜は、1922年(大正11年)に住民が植えたものだという。私たちは、何気ない日常でも、歴史の中で生きているということになる。

 園内の野木和湖は、ヘラブナ釣りで有名だったが、近年はブラックバス釣りが盛んである。

 
 静かな自然に囲まれた野木和公園における吟行だから、5句以内で自由に詠めばいい。


 以下に、10月14日の吟行によるわさおとKさんの俳句を掲げる。


津軽わさお作

 つわものどもの夢のあとにも女郎花

 ゆきずりの赤とんぼ我が肩につと

 詠む我に桜の紅葉真っ赤っか

 枯れすすき見れば見るほど枯れすすき


Kさん作

 
 空からも足もとからも秋が来た

 初冠雪野木和湖の鮒底の底

 野木和湖も今は真っ赤な桜なり

 かじかむ手野木和湖の風秋吟行

 長谷川櫂先生の著書「決定版 一億人の俳句入門」の28頁以下によれば、俳句には、作者と読者、二つの驚きが必要である。

 この驚きとは、はっと気づくことを指す。あっと驚くのではなく、静かに潜んでいるものにはっと気づく。

  はっと驚く、はっと気づく。そのためには、二つの条件が要る。一つは、はっと気づくことが作者の心の中にあり、それが読者の心の中にもひっそりと潜んでいること。もう一つは、まだ(誰も)言葉にしたことがないこと。無意識のうちに感じていることを言葉にしたものを見たときに、人ははっと気づく。

 俳句で詠まれていることに、「そうだ、なるほど」と思うときに、人ははっと気づく。その瞬間、作者と読者との間に共感が生まれる。

 この「なるほど感」が重要である。俳句で詠まれていることに、「そうなんだ」とか「そうなの」とか「あっそう」だけで、「なるほど感」がないと、作者と読者との間に共感は生まれない。「なるほど感」があることが大事である。

 今回の吟行における津軽わさお作とKさん作のそれぞれの俳句を比べた場合、「なるほど感」がある俳句は、Kさん作の方に多い。

 そして、比べてみて気づくのは、俳句で詠まれていることが、抽象的であるよりは具象的である方が「なるほど感」があるということである。





私の人気ブログランキングへの応援のため、
ポチッと↓をクリックお願いします。
http://blog.with2.net/link.php?1546952 



拍手する


コメントをするにはログインが必要です

PR





上部へ