十三夜

メニュー

テーマ

カレンダー

月別

心どまり

2015年10月26日ナビトモブログ記事
テーマ：季節

　『十三夜に曇り無し』と言われる如く、昨夜は雲ひとつ無い神無月の夜空に、ちょっぴり欠けた風流な『後(のち)の月』が、ぽっかりと浮かんでいました。

　中秋の名月から約一か月後の十三夜のお月様を、『後の月』と呼びます。
又、十五夜の風習が中国伝来で有るのに対し、十三夜は日本固有の風習でして、栗や豆を供える事から『栗名月・豆名月』とも言われ、秋の収穫祭の一つだったようです。

　十五夜に次いで美しいとされたお月様を、古(いにしえ)の人々も大切にされ、愛でていたのでしょう。
宮中では古くから、宴を催すなど月を鑑賞する風習がありまして、所謂『観月(月見)の宴』が、催されていました。

又『片見月』は縁起が悪いとされ、十五夜・十三夜、両方のお月見をする慣わしが有りました。

　当地での十三夜様の御供え物は、薄三本に秋の七草を飾りますのが基本ですが、薄と庭のお花等を活けましてもOKです。
因みに私は、薄三本に枝付の柿と晩秋の花山茶花をｱﾚﾝｼﾞしました。
お団子は3個又は13個と大豆や枝豆・栗等、秋の農作物や果物の他に日本酒・お赤飯とけんちん汁をお供えします。

　この様な慣わしから、十三夜様も『秋の収穫祭』の一つではないかと見られている所以で有り、『栗名月・豆名月』と言われる所以です。

　十三夜の起源につきましては、諸説ありますが、延喜19年(919年)宇多法皇が9月13日に観月の宴を催されましたのが、日本独自の十三夜のお月見の始まりとされているようです。

　もし十五夜様が雲に隠されて見られなくても、十三夜様に期待したのでしょう。
十三夜様が見られなくても、古くは十日夜様と言う風習も有りました。
天候が安定しない十五夜様に加え、確実に見られそうな十三夜・十日夜様に願いを込めたのでしょう。
古今東西、日本人って本当にお月様が好きですね～☆
私も、そのひとりですが・・・

　又、十日夜は、お月見が主ではなく、稲の刈り取りが終わり田の神様が山に帰る日とされていた為、稲の収穫を祝いお餅をついて食べ、田の神様に感謝する本来の『収穫祭』でも有りました。

　子供の頃、稲の茎をたばねた『藁づと』や『藁鉄砲』で地面を叩き乍ら、そして唱え言をし乍ら、家々を回りまして、お菓子やお駄賃を貰ったものでした。
何となく、ハロウィンに似てますでしょう！

　いつ頃からかは定かではありませんが、当地ではその様な風習は姿を消してしまいました。
しかし、近隣の市町村では、無形文化財に指定され伝承保存されている所も有る様です。

　望月(満月)よりも、少々欠けたお月様に魅かれる日本人の感性。そして未完の美を追求する美学が能であるとも言われます。所謂『秘すれば花』の世界ですね！
未完の美、不足の美、余白の美、日本の先人達の美意識・美学には感銘を受けると共に、学ぶべき処が多々あります。

　明日からは、お天気が崩れる予報が出ています。
今宵は、お月様とおﾃﾞｰﾄ出来そうですが、朧月に成るのかしら？
朧に霞んだお月様も素敵です。