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純文学の夜空に咲いた『火花』という花火 

2015年08月18日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し


お笑い芸人として初めて著書が芥川賞を受賞したという、ビース又吉。遅ればせながら、ようやく彼の(又吉直樹)の小説「火花」を読んだ。小説は、芸人の日常生活と師匠と呼んだ人物「神谷」との交流を描いている。 主人公は徳永という名の芸人だが、読んでいるとピース又吉と主人公が重なってくる。私小説風の主人公がイメージ化できるというのは普段テレビに出て顔が売れている強みであろう。ところで、この小説で師匠という立場の神谷の良さが僕にはよくわからない。どこにそんなに惹かれて徳永は、「神谷」を師と仰ぐに至ったのか・・・・赤ん坊相手に奇妙な俳句を読んだ場面など面白いとはおもうが、彼の発言も実はわかるようでよくわからない。ベビーカーに近づいた神谷は、「可愛いですね」と若い母親に声をかけた後に、赤児の顔を覗き込み、「尼さんの右目に止まる蠅二匹」と七五調でつぶやいた。その言葉の意図を徳永が尋ねると「昨日考えた、蠅川柳である」と神谷は時代がかった調子で応答した。そして、恐怖で顔を引きつらせる母親に、「僕は蠅きみはコオロギあれは海」というように、蠅川流を赤児に披露し続けたという。その行為の意味するところは、後で文章でだいぶ詳しく分析してみせてくれてはいるが、いくら言葉を重ねても、埋まらない何かはそこに残ってしまう。だから一読しただけでは、すっきりせずに、また読み直したくなる。そういえば、ぼくより小説を読まない妻が、この「火花」だけは、読了し、さらにまた本日、読み直している。現在、200万部を突破したということからもわかるが、相当な反響を呼んでいるようだ。『単なる流行に乗っかって読んでいる人がほとんど』と、切り捨てる考えの人もいるが、小説、もしくは本に触れるいいきっかけになっているのではないか。普段、小説を読んでいるとたいていは途中であきて、別のノンフィクションやエッセー類の本に移るぼくも、又吉の「火花」だけは、一気に読了できた。純文学風で、実はみんなを楽しませてくれて、さらに二度読みしたくなるという小説「火花」。これはやはり、ビース又吉の次回作の小説に大きな期待をかけてしまう。

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