メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

2−5 物価・生活費、私たちの台所事情(その2) 

2010年12月10日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

<div class='wiki'>
この項は(その1)からの続きです。<br />
</div>
<br />
<div class='wiki'>
<b>日本への旅行はお得</b><br />
 <br />
 日本のバブルがはじけデフレの傾向が続いていた頃、オーストラリアはシドニー・オリンピックでの景気拡大などを通じて物価が急激に上がりました。この結果、それまで日本は物価が高いと感じていたこちらの人たちにとっても、為替の円安・ドル高とあいまって、日本の物やサービスに割安感が生まれました。こちらでは雪の降るところがほとんど無いため、日本の特に、北海道のスキー場が大人気でスキーに出かける人がとても増え、スキー場開発でオーストラリアからの投資も盛んだと言います。<br />
 <br />
 日豪両国の消費者物価指数を比較してみますと、2000年を100として2002年から2005年の間、日本は毎年98前後で対前年の上昇率は僅かですがマイナスが続きました。これは世界でも異常な事態です。一方のオーストラリアでは同じ期間107から110、113、116と対前年で毎年約3佑両緇困鬚澆擦泙靴拭<br />
 <br />
 当然、オーストラリアの人々の収入も上がってきて、2007年では世帯平均5万3400ドル。分かりやすく月給として換算しますと、約4450ドル(44万5000円)となっています。驚くほどの高収入ではなく預貯金もあまり多くはないようです。しかし、年金制度や医療保険が充実しているうえ、ローンで家を買って節税しその家を1年後に転売して利ざやを儲けるというような財テクも盛んで、十分に生活をまかなったうえ、スケールが大きな遊びも可能なのです。<br />
 <br />
 先ほど、家の購入費相当分の定期預金で家賃をまかなえると言いましたが、決して計算間違いではありません。異常な超低金利の日本では信じられないかも知れませんが、こちらの定期預金の金利は税引き後5〜6%前後もあるのです。仮に平均的な家を購入できる50万ドル(5000万円)の資金を預けておけば年間2万5000ドル(250万円)の金利が付き、週400ドル(月額17万円)の家を余裕を持って借りられるのです。この高金利もオーストラリアの人たちの生活を支える要因でしょう。    <br />
 <br />
 もう少し日本と異なる物価の例をあげてみますと……。私たちはよくブリスベンやゴールド・コーストに車で出かけますがその高速道路の通行料が無料なので大助かりです。ゴールド・コーストまでは200舛△蝓■音?岼幣紊かりますが、途中ブリスベンの大きな橋を渡るのに2ドル50セントだけ必要なのです。ガソリンも日本が130円の時、円に換算して100円ほどでしたから随分差がありますね。<br />
 <br />
 外食は比較が難しいのですが、概ねランチは割高、ディナーは割安というのが実感です。例えば、2人でランチにビールを軽く飲んでピザとスパゲッティ各1皿を注文すると60ドル(6000円)ほどになってしまいます。ディナーは普通オントレーと呼ばれる前菜風の料理とメインの2皿で、これにお好みでサラダやパンを付けるだけですから和食に比べるといたってシンプルです。こんな具合ですからワインを飲んで一人70から100ドル(7000〜1万円)といったところで収まるでしょう。<br />
 <br />
<b>高い医療費、航空運賃</b><br />
 <br />
 この他、高いと思うものは医療、インターネット、航空運賃などです。医療費は私たちがまだ大きな病気やケガをしていないので実感はありません。しかし、民間の医療保険に加入することが義務付けられており、病院に支払った診療費などの領収書を保険会社の窓口へ持ってゆくと70佑曚匹鮓酋發婆瓩靴討れるシステムになっています。<br />
 <br />
 医者は概して良心的で、必要も無いのに診療を続けたり薬漬けにするようなことは無いようです。雅子が日本の眼科開業医で長期間治療を続けてきた疾患が心配になったのでこちらの眼科で診てもらいました。先生は「病気と言っても問題にならないほどの初期段階で心配ありません。1年半後に調べれば良いでしょう」と。安心はしましたが何だか拍子抜けでした。<br />
 オーストラリアの人は国民健康保険に相当するメディケアに入っていますが、十分なカバーがないのでさらに民間の医療保険に加入している人が多いと言います。<br />
 <br />
 もう一つだけ、航空運賃。かつて航空運賃は日本で買う場合はとても割高で、同じ区間でも外国で買ったほうがはるかに安くて、悔しい思いをしたことがあります。今は逆で日本で買ったほうが随分お値打ちになりました。例えば、私たちは時々日本へ行く(帰る?)のですが、こちらで買う往復の航空運賃は税込みで通常1人1500ドル、15万円ほどもかかります。日本で買う場合は時期によって変動がありますが、遊びに来てくれた妻のお友達は「ゴッキュッパで来られたわ」と大喜びでしたが、税金を含まず往復5万9800円。私たちはいつも悔しい思いをする側に住んでいるのだと残念に思ったものです。オーストラリアの格安エアラインが日本へ就航したので、少し安く利用できるようになり嬉しいことです。<br />
</div>
<br />
<div class='wiki'>
<b>為替の変動と生活</b><br />
<div class='indent'>
<br />
</div>
 海外旅行にしても移住にしても経費の面で大きな影響があるのが為替相場です。私たちは移住先をオーストラリアに絞ったころから可能な範囲でオーストラリア・ドルを買って準備してきました。円高のころは1ドルが60円台だったこともありますが、移住した2005年には80円台になり、2007年半ばにはついに100円を突破してしまいました。実に70佑離疋觜發任后2召忙笋燭舛何の準備もなくこの時点で、資金を移動して移住しようとすれば不可能でしょう。移住直後もう少し円をドルに換えようと思って様子を見ていましたが、ドル高になる一方でチャンスを失ってしまったことがあります。<br />
 <br />
 命綱の厚生年金はオーストラリア・ドルに換えてこちらで受け取っていますが、受給額が減少したのに加えて、為替変動の影響が大きくでて生活を不安定にしています。大まかに計算しますと、為替分だけで1か月に200ドル、2万円前後も増減することがあるのです。年金生活者にとってこれは大きな金額です。<br />
 <br />
 その代わり、円からこちらに移した資産の価値が上がったではないかと指摘する人もいるでしょう。しかし、今より安く買ったといっても、オーストラリア・ドルで保有している限りでは為替は関係なく、収入が増えることはありません。いずれ、日本に帰る時このドルを円に換えることになるでしょうが、今のところそのつもりは無いので、「絵に描いた餅」状態は続きそうです。その時の為替相場がどうなっているかは大きな問題です。<br />
 <br />
 逆に、オーストラリアにとってこのドル高は、日本の円高の時と同じように、輸出産業には逆風で、2007年対米ドルで18年ぶりの高値を付けた直後、財務相が警鐘を鳴らすコメントを出しています。<br />
 <br />
 当面、国民にとっては輸入消費財が値下がりするという利益を享受していますが、ドル高の一番目立った影響は日本への旅行、日本の物品の購入に割安感がでていることでしょう。物価上昇と共に収入も増え、ドルの価値が上がれば当然のことでしょう。逆に日本からオーストラリアへの観光客は1997年に80万人を記録して以来減少の一途をたどっており、2002年には70万人と数万人単位で減少していると言います。<br />
</div>

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR







掲載されている画像

    もっと見る

上部へ