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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

2−6 移住生活に不可欠のインターネット 

2010年12月10日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

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<b>インターネットがあっての移住</b><br />
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 私たちの移住の準備段階から移住後の手続き、調査などにいたる様々な作業はインターネットとE‐メール、それに記録保存と文書作成機能などパソコンの機能無しではとうてい不可能でした。退職者ヴィザ取得に必要な手続きの情報はほぼ100優ぅ鵐拭璽優奪箸巴里蝓移住先の不動産の動向も現地の人と同じスピードで入手することが出来ました。また、英語を使ってのコミュニケーションは読み書きなら多少できる私にとって、E‐メールでのやり取りは、電話での会話に比べて格段に楽だったこともあります。いずれにしてもインターネットが使えなければ、数十倍の労力と時間が必要だったでしょう。<br />
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 もちろん、この雑文もパソコンを使って書き、保存し、知識があやふやな時はインターネットで調べています。これを原稿用紙に書いて何度も書き直し、文献や資料を取り寄せて調べていたら大変なことになります。<br />
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 これから移住を考えている方で、まだパソコン・インターネットを使ったことの無い人にとっては必需品ともいえるものです。また、移住でなくても定年退職後の過ごし方として様々な情報を手軽に入手したり、通信手段としたりして生活の幅がぐっと広がりますから是非、一刻も早く始めることをおすすめします。<br />
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<b>開設手続きにプッチン</b><br />
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 移住後、住む家が決まると一日でも早く欲しいのが電話・インターネットの通信手段です。私たちはすぐに近くにある電話会社の店舗に行って開設の申し込みをしようとしました。その会社はこの国の電気通信事業の民営化政策で1990年代初頭設立された新しい会社なのでサービスも良いはず、と思ったのです。<br />
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 ところが、その申し込みに行ってみると個人を証明する様々な書類が必要だと言うのです。私は日本という国が私個人を証明するパスポートがあれば十分だと思ったのですが、運転免許証や銀行の残高証明、電気など公共料金の請求書などが書類によって点数が決められ、規定以上の点数が必要なので、それらを持って来いと言うではありませんか。パスポートなど規定の点数には全く手が届きません。それに、移住直後の私にこの国の運転免許証や電気の請求書などあろうはずもありません。渡航前に開設した銀行の口座のステートメントを作ってもらい持っていっても点数が足らず、車の購入契約書や家具の領収書など私に可能なすべての書類を用意して再三足を運んでも、それは証明書にはならないと言うのです。<br />
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 プッチンと切れてしまった私は「私自身がここにいるのに、紙切れの方を信用するのか。もう電話は他の会社に申し込む!」と声を荒げたところ、「今回はこの書類でOKですが、書類が整ったら持って来て下さい」とシブシブ手続きを受け付けたのです。個人を証明する書類の提出は法令で決まっていることは知っています。しかし、マルチカルチャリズムを標榜するこの国で海外からの善意の移住者が一刻も早く欲しい手段を手に入れるのに、このような煩雑で実行不可能な手続きを要求するのは理解できません。何より、個人を尊重するはずのこの国でその個人が信用されないという滑稽な事態に少なからず落胆したものです。<br />
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<b>まだ遅れているインターネット</b><br />
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 日本ではADSLはほぼ完備されて、光ファイバーの普及が進んでいる段階だと思いますが、オーストラリアではやっとADSLの普及が緒についたばかりです。家庭のパソコンの普及率は高いのですが国土が広過ぎるためなのでしょうか、ADSLが使用可能な地域はまだ限られています。<br />
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 世界でもトップレベルの日本のインターネット社会にどっぷり浸かっていた私は、こちらでのインターネット契約の際、ダウンロードに制限があることが念頭にありませんでした。契約では、その容量が1か月400メガバイト。つまり様々なサイトを開いて情報を得たり、更新ソフトをダウンロードしたりして得るデータの量がそれだけだと言うのです。しかし、使ってみなければどの程度の使用量か分からないので、契約だけは早くしたいとサインをして、めでたくこの国のインターネット利用者になったのです。<br />
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 ところが、このダウンロードの制限がくせ者でした。普通に様々なホームページを開いて情報を得るだけのことなら400メガバイトあれば節約して1か月間は使えるかも知れません。ところが、我家の場合1台のパソコンを雅子と2人で使い、日本のニュースなども丹念に読むとなれば、かなり制限が厳しくなってきます。その上、「スカイプ」と呼ばれるインターネット電話を使うようになってからは20日足らずで制限を突破し、その後はダイヤルアップ接続程度のスピードに極端に遅くなってしまうのです。そうなったら、インターネット電話も音声が途切れがちで使えません。その先どこまでも続く高速道路を400疏?辰討たら、「ハイ、ここから一般道へ降りてノロノロ運転しなさい」と言われるようなもので、その都度恨めしく思ったものです。<br />
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 このようなバカげたサービスに嫌気がさして、後日やはりダウンロードの制限があるのですが、別の旧来の電話会社に乗り換えましたが、その時に薦められたスピードがより速くダウンロード制限が600メガバイトの契約も、もっとひどいものでした。これは早くて良いと思ったのが私の無知でした。スピードが速い分だけ単位時間に使用するデータ量が多くなり、以前より早く制限を突破する結果となってしまったのです。その契約ではスピードは落ちませんが、制限を超過した分1メガバイトにつき15セントという信じられない程の高い追加料金を請求されます。<br />
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 これにも嫌気がさして料金がとても高い同じ会社の1つ上の契約にしましたが、これはダウンロードの制限が必要以上に大きすぎて12ギガバイトもあり、毎月10ギガバイトほど未使用で捨てているというもったいないことをしています。<br />
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 物を買ったりサービスを受ける際、普通は前もってその料金を知っているので問題ありませんが、このダウンロードの制限は使ってみないと料金が分らないという面からも承服できないシステムです。ついでながら日本の事情は知りませんが、電話と携帯とインターネットをまとめて1社と同時に契約しているにもかかわらず、料金の請求は3つ別々に、しかも時期がバラバラに来るというご丁寧なことが起きています。それぞれの支払期限を注意しながら3つまとめて支払う不都合さを毎回味わっています。<br />
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 またまた、ついでながら、日本では日常的に利用している銀行預金からの自動引き落としのシステムは一部で利用できますが、こちらの人はほとんど使いません。請求書の内容をきちんとチェックして納得してから振込むのです。請求自体に間違いがあったり、知らない間に自分の口座から引き落とされるのを嫌っていたり、銀行の業務を信頼していなかったりすることが原因のようです。<br />
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<b>世界は狭い、女のコミュニケーション</b><br />
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 オーストラリアのインターネット事情は前述のように極めて劣悪なサービスの下で我慢を強いられますが、インターネットそのものは私たち移住者にとって欠くことの出来ない機能です。また、日本で強固なお友達のネットワークを築いてきて、こちらに移り住んだ妻、雅子にも大きな恩恵をもたらしています。<br />
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 日本では全くパソコンとは縁の無かった雅子ですが、移住後日本のお友達との文通に便利だろうと思ってE‐メールの使い方を教えました。キーボードそのものも触ったことの無い彼女にとって、1行の文を入力するのに30分も1時間もかかる作業でしたが、苦労して作ったメールを試しにニューヨークの娘に送ってみたところ見事届いて返事をもらうと、その便利さが理解できたのでしょう。それ以後は急速の進歩でメールをマスターし、インターネットでも日本の新聞を読んだり、様々な情報を得たり出来るようになりました。今では妻が1台しかないパソコンを占拠する時間が私より多くなっている日もあるほどです。<br />
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 それに輪をかけてパソコンの存在価値を高めたのがインターネット電話です。前述の「スカイプ」は相手のパソコンも同じソフトをインストール(無料)していれば、マイク付きのヘッドセットを付けて無料で通話でき、一般の加入電話にも格安でかけられるものです。カメラをセットすればお互いに顔をみながら話すことも出来ます。この電話はかなりの情報量となるので、私たちにとってはインターネットのダウンロードの制限をすぐに超過してしまうのが悩みの種でした。しかし、一般電話での海外との通話はかなりの出費となるのでインターネット電話の無料は魅力です。<br />
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 ある日、雅子が「スカイプ」でお友達と通話をしていた時、私は午後から予約してあったゴルフに出かけました。コースは車で10分程の所、1人でプレーをし、空いていたので3時間と少しで18ホールを回って家に帰ると、「何とまあ!?」、まだお話中ではありませんか。インターネットは女性には大変便利なものです。<br />
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<tt>コラム</tt><br />
<b>便利なエフトポス</b><br />
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 オーストラリアではエフトポス(EFTPOS = Electronic Funds Transfer at Point of Sales)がとても普及しています。これは英文の名前からも分かるように、買い物などの支払代金をその場で自分の銀行口座から直接引き落とすサービスです。日本では「デビットカード」と呼ばれているシステムのことですが、まだ普及の途上のようで、私も日本では使ったことがありませんでした。<br />
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 エフトポスは銀行に預金があれば、そのキャッシュ・カードがそのまま使え、手数料は銀行によって異なりますがわずかです。1日の限度額を設定でき預金の範囲なら何度でも使えます。クレジット・カードと異なるのはエフトポスは使うとその時点で決済されることです。サインも必要ではなく暗証番号を打ち込むだけです。<br />
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 その上、大きなスーパーなどでは買い物の代金支払時に利用する際「キャッシュ・アウト」と言ってレジから現金を受け取ることも可能です。財布に現金の持ち合わせがなくても買い物ができ、ついでにその場で預金を引き出すことも出来ますから便利ですね。利用した記録は銀行のステートメントに全部記載されて郵送されてきます。<br />
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 で、機能は便利でも使える所が少なくては意味がありません。しかし、驚くほど広く普及していてレストラン、スーパー・マーケット、ファスト・フード店、ガソリン・スタンドなどはもちろん、郵便局や免許証を発行する交通関係の公共施設でも気軽に利用できるのです。私たちの住むバデリムのショッピング街でエフトポスが使えない店舗は無いでしょう。<br />
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 実際に利用する場合は、支払時にエフトポスで払うことを伝え、カードを読み取り機のスリットに通し、現金を引き出す場合は金額を伝え、口座の種類(Savings, Cheque, Credit)を選び、4桁の暗証番号を打ち込み、最後にレシートを受け取って完了です。口座を選ぶところまで店員がやってくれるお店もあります。<br />
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 注意したいのは暗証番号を入力する際、店員や後ろに並んでいる人に手元を見られないようにすることです。でも、気持ちがいいのはこの時、対応の店員さんはほとんど何か他の作業をするか、自然な態度で視線を横に向けてくれるのです。<br />
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