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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

2−7 味オンチに乾杯!(その1) 

2010年12月09日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

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<b>食べ物が基本の移住生活</b><br />
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 「外国に暮らして何が1番の問題か」と聞かれれば、やはり食べる事と答えるでしょう。いくら長い歴史と薫り高い文化、豊かな自然があっても、またそこに住む人々がどれほど素晴らしい人たちでも、まず自分が食べる事に満足できないと辛いものです。滞在が長くなればその国の食べ物に慣れてしまうことはあるにしても、私たちのように定年後の移住となれば長年の嗜好が定着していて、なかなか厳しいのが現実です。<br />
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 私自身は毎朝味噌汁がなければ満足しないと言うことも、長期間の海外出張でも醤油や梅干、ラーメンなどをバッグに忍ばせることもありませんでした。逆に訪れた土地の食文化を知って初めてその土地の人たちの事も分かると思ったし、その土地の食べ物を楽しみたいという気持ちのほうが強く、不潔なものやゲテモノの部類は敬遠しましたが、実際に美味しく、興味深く食事を楽しんだものです。ですから平均的な人に比べて私は食べ物への適応力が強いと思うのですが、実際にオーストラリアに住んでみると美味しくないと感じたり不満に思ったりすることも多く出てきました。<br />
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 当初、私たちはこちらで週に2〜3回は外食して美味しいものを食べようと楽しみにしていました。しかし、サンシャイン・コーストはシドニーやブリスベンのような大都会に比べて食の多様性が無く、どのレストランへ入っても同じようなメニューが並び、中華やタイ料理も甘めの味付けが私たちの味覚になかなか合いません。また、ランチにしても選択の余地が本当に狭くバーガーやミート・パイのようなものになってしまいます。イタリアンの店でスパゲッティを頼んでも、あらかじめ茹でた麺を調理するのでアルデンテなど望みようがありません。<br />
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 また、「物価・生活費、私たちの台所事情」でご紹介したように外食は全般にとても高い出費を覚悟しなければなりません。こんな訳で最近ではあまり外食をしたいという気分にはなりません。我家で調理に工夫をして食べた方が美味しく、車の運転を心配しなくても良いのでワインやビールも進むというものです。<br />
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<b>マヨネーズはキューピー</b> <br />
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 個々の食品・食材について紹介していると紙面が足りなくなくなってしまいますが、少しだけ。まず、マヨネーズ。こちらのマヨネーズは甘くてサラダなどに使うと気持ち悪くて食べられません。日本でも梅干に砂糖やハチミツを入れるなど様々な食品が甘い味付けになって閉口していましたが、こちらの甘いマヨネーズは体が受け付けません。<br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/760162/img_760162_33707232_0?1291874429" alt="イメージ 1" class="popup_img_370_277 clearFix alignLeft"> パーティなどに招かれるとよく人気のスシ・ロール(海苔巻き)をたくさん作って行きます。生ものはダメなのでエビか照り焼きチキンとレタスやきゅうり、アボカドに日本のマヨネーズを少し乗せて巻きますが、これが結構おしゃれで美味しいと喜ばれます。そして、日本通の人は「このマヨネーズはキューピーでしょ」と嬉しそうに言うのです。本当は「オーストラリアの甘いのを使ってくれればもっと美味しいのに」と言いたいのかも知れませんが、まだ確かめる勇気がありません。<br />
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 日本ほど節操もなく何でも甘くなるということはありませんが、一般にマイルドで甘めの味が好まれるようで、コショウやマスタード、豆板醤なども皆パンチがありません。甘いものと言えば、あんこ。話には聞いていましたが、不思議なことに日本人なら誰でも好きなあんこが食べられない人が多くいます。お招きした友人に日本の伝統的なお菓子を食べてもらおうと苦労しておはぎを作りましたが、これが食べられずがっかりしたことがあります。どうも、豆が甘く味付けされお菓子として食べる習慣がないことが原因のようです。面白いことに、あんこが大好きな友人のダニエル曰く「なぜこの国の人はあんこが食べられないのか分かりません。こんなに美味しいものを!」と。でも彼はこう続けるかも知れません「なぜ日本人はこの国のマヨネーズが嫌いなのか分かりません。こんなに美味しいものを!」と。<br />
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<b>アラビカは荒挽き?</b><br />
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 普通、コーヒーと言えば濃い茶褐色でこうばしい香りが立ちミルクと砂糖をお好みで入れるものを当然のように思い浮かべますが、オーストラリアではまずこのようなコーヒーにはお目にかかれません。最初からミルクがたっぷり入ったカプチーノかカフェ・ラテ、あるいは名前の由来は分かりませんがフラット・ホワイトが普通です。ロング・ブラックと呼ばれるものが1番日本のコーヒーに近いのですが、本当のブラック・コーヒーでミルクが付いてきません。フラット・ホワイトは濃い目のコーヒーをカップ3分の1ほど入れそこにスチームで熱し、泡立てたミルクの液体部分を注ぎ、その上に泡を乗せて供すると言うシロモノです。不味くはありませんがほろ苦さも香りもありません。それにコーヒーでカロリーなど摂りたくはありませんね。<br />
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 自宅でいれるための豆を挽いたコーヒーはもちろんスーパーで売っていますが250グラムほどの小さなパックが10ドル前後もする上、味も香りも無いまずいものばかりです。そして、挽き方も細か過ぎてプランジャーの目では充分濾すことができません。荒挽きのものがないかと一生懸命探していたら「アラビカ」と表示されているパックを見つけ大喜びで買い求めた後、「あ、これはアラビアのことで荒引きとは違うね」とばかな自分に苦笑したものです。アラビカ種のコーヒーは微細な粉末にして濾さずに飲むこともあるそうですが、それにしても色々試してみた他のものもみな同じで美味しいものにめぐり合えません。入れ方の問題でもない気がします。<br />
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 最近では、コーヒー専門店やコーヒー豆を挽いてくれる店で「1番強くて、苦いのを荒引きにして下さい」と頼むようになり、ようやく「普通」のコーヒーが飲めるようになりました。入れ方は日本から持ち帰った紙のフィルターを使ってドリップしていますが、こちらのコーヒー・メカーを使うのも手かなと思っています。<br />
 ついでながら、日本で言う「フレッシュ」なる小さなカップに入ったミルク様のものはこちらには無く、コーヒー・紅茶には牛乳やクリームをたっぷり入れるようです。<br />
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この項は(その2)に続きます。<br />
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