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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

3−1 クリスマスとお正月 

2010年12月08日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

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<b>大汗のサンタクロース</b><br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33699662_0?1291775506" alt="イメージ 1" class="popup_img_277_370 clearFix alignRight"> 街に「ジングルベル」が流れてクリスマス・ツリーがきらびやかな飾りを風に揺らせる季節になると、私たち日本人はコートの襟を立てて足早に行き交い、なぜか気忙しい気分になってしまいますね。<br />
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 ところが、オーストラリアは季節が逆で真夏にこのクリスマスを迎えます。12月の中旬から1月の下旬まで学校は夏休み、大人もホリデー・シーズンとなるので、日本とは逆に人々はゆったりした気分になるようです。日本のような派手さはありませんが、こちらでも店先にクリスマス・ツリーを飾ってサンタさんもあちこちに登場します。<br />
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 面白いのは、ツリーには白い綿の雪はありませんが、サンタさんのあの赤い服はやはり少し厚手の長袖で、ブーツを履きますから大変。サンタ役の人は白いひげの向こうで大汗をかいて赤くなっているのです。やはりクリスマスは寒い冬が似合うのでしょうか、オーストラリアの人々もそれに憧れているようにも見えます。でも、時々サーフボードに乗ってサンタさんがやってくるのも楽しいですね。<br />
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<b>とことん楽しむライフスタイル</b><br />
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 こちらではもちろん正月よりクリスマスの方がはるかに大きなイベントで、様々な形でこれを祝い、楽しみます。12月に入るとお友達が集まってクリスマス・パーティがあちこちの家で開かれるようになります。多人数の場合はお昼にも開かれ、開催する家の人は多少の料理と食器、ソフトドリンクを用意し、参加者はそれぞれ1品ずつお料理と自分たちが飲むワインやビールなどアルコールを持参するのです。そして、必ず夫婦やカップル単位で参加するのが普通です。<br />
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 私たちがこうしたパーティに参加したのは、日本語・文化教室の生徒さんで高校の日本語教師をしていたデボラさんが開いた時が初めてで、こちらで迎えた最初、2005年暮れのクリスマスのことです。彼女が参加者にお願いしたのは「ゆかたを着て来て下さ〜い」。教室の仲間の人たちはほとんど浴衣を持っていましたし、夏ですからそれを着てもおかしくはありません。でも、白のボンボンが付いたサンタさんの赤い三角帽子をかぶって、浴衣なのか寝巻きなのか分からない着物を身につけ、帯の代わりに革ベルトを腰に巻いた人たちのパーティは日本人から見れば奇妙でしたが皆そんなことお構いなし。ご機嫌で午後のひと時を楽しんだのです。<br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33699662_1?1291775506" alt="イメージ 2" class="popup_img_270_360 clearFix alignLeft"> クリスマスの1週間ほど前の夜、近くの小学校の芝生の校庭でキャロルのイベントが毎年開かれます。仮設の舞台でクリスマスの歌やダンス、バンドの演奏などが行われるのです。<br />
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 日本だったらたこ焼きも風船も金魚すくいもがまの油?も様々な夜店が軒を連ねる場面ですが、ここではせいぜいアイスクリームとホットドッグのお店に子供の遊具程度の出店です。でも、皆家族連れで折りたたみの椅子やシートを用意して集まり、中にはテーブルまで用意してディナーをしながら舞台のパフォーマンスを楽しみます。<br />
 車椅子のお年寄りも頭に赤いトナカイの角や光るピアスなどを付けてご機嫌。私たちもアパートの人たちと連れ立ってこのイベントに出かけますが、「なんと微笑ましく、なんと健全なことか!」と、とことん楽しむライフスタイルを羨ましく思うのです。<br />
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 そして、クリスマス・イヴは一転して家族だけで静かに、質素でもたっぷりのご馳走とプレゼントの交換を楽しむのが習慣のようです。<br />
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<b>ジャズと花火でハッピー・ニュー・イャー</b><br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33699662_2?1291775506" alt="イメージ 3" class="popup_img_370_277 clearFix alignRight"> 移住後の2回の大晦日は、私が加わっている男声合唱団・バデリム・メイル・クワイヤーの仲間ギャリーが誘ってくれて奥さんのロイスたちとジャズの生演奏を聴き、食事をしながら新年を迎えるというイベントに参加しました。<br />
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 こう聞くと、豪勢な年越しのように思うかもしれませんが入場料は13ドル(1300円)、食事は自分たちで用意し、ワインなどのアルコールは会場で酒屋さん並みの値段で買えるという嬉しい設定です。しかもジャズは一流の演奏で、普段ほとんどジャズを聴かない私たちですが気持ちよく乗せられてしまい、ダンスをする人たちも多くいます。<br />
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 こうして、最後は皆が手をつないで輪になって「蛍の光」を歌い、歌い終わると「ハッピー・ニュー・イャー!」となります。そして、あちこちで皆が誰彼かまわずハグハグして新しい年の挨拶を交わすのです。私たちの最初の大晦日はこの時刻が午後11時だったので「なんだ、まだ新年を迎えていないのに?」と思いましたが、時差があってクイーンズランドより1時間早く年が替わるシドニーに合わせているのだと聞き、納得しました。クイーンズランドは日本より1時間進んでいますから、私たちは日本より2時間早く新年を迎えているのです。<br />
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 そのシドニーやブリスベンなど大都会では、花火が打ち上げられ多くの人出があり、その模様はテレビでも生中継されます。日本の花火とは趣が異なりますがその美しさはまた見事なものです。<br />
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<b>工夫で正月気分を演出</b><br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33699662_3?1291775506" alt="イメージ 4" class="popup_img_262_350 clearFix alignLeft"> 一夜明けた元旦はこちらももちろん休日ですが静かなものです。人に会えば「ハッピー・ニュー・イャー!」と挨拶を交わしますが、街に注連縄や門松があるわけでも、初詣の人出もありません。さすがビーチだけは家族連れで賑わっています。<br />
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 2回目のお正月を迎えた私たちは日本語・文化教室の人たちを招いて、新しく引っ越したユニットで新年のパーティを開く事にしました。お客様は日本に興味のある人ばかり、ホスト・ホステスが日本人となれば、日本の正月気分が必要ですね。<br />
 でも新しいユニットは超モダンな造りです。考えた末、門松と注連縄を玄関に飾ることにして、山から竹と松を調達し、荒縄などもホームセンターで見つけて来て、妻と2人がかりで高さ1辰曚匹量臂召箸修了弔蠅旅啼譴巴輜縄を作り上げたのです。<br />
 門松に付き物の葉牡丹は時期がずれて無いので妻が紫陽花の最後の花を添えました。出来ばえは自分ながらとても立派で、お客様にも大好評だったことは言うまでもありません。<br />
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<b>時空を越えた雑煮の感激</b><br />
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 元旦はやはりお節料理に雑煮がないとどうも落ち着きません。材料の乏しい条件でこの望みをかなえるのは大変です。でも、秋に日本から持ち帰ったたつくりやこちらで手に入る蓮根、里芋、人参の煮付け、それにだし巻き卵などを用意し、元旦のお節にしました。とっておきの日本酒はシャンペングラスで傾けて多目のお屠蘇になりました。<br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33699662_4?1291775506" alt="イメージ 5" class="popup_img_360_270 clearFix alignRight"> 傑作は雑煮で、スーパーでいつでも売っている塩茹での海老を買って、暮れに4日間ほど天日に干して「干し海老」を作り、それを入れたのです。干し海老は良いだしが出て香ばしい香りも立って、お餅もいっそう美味しかったのです。50年以上前、両親の郷里、瀬戸内海の小豆島から暮れになると送られてきた干し海老を思い出して作ってみたのですが、その同じ味を半世紀の時空を越えて、異国の地で味わうことが出来たことに様々な意味で心底感激しました。<br />
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 そして初詣は神社が無いので、車で20分ほどのユードロの山の中にあるチベットの仏教寺院を訪れて、私たちの異国での生活の平安や、離れ離れの家族の幸せなど1度に多くの願い事をしてきました。<br />
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 こうした日本人の大晦日から正月にかけての習慣、風習は、旧年の反省に立ち新年の抱負、指針を明確にする意味で大切にしたいものです。でも注意したいのは、新しい年に生まれ変わることが出来るという形式的な妄想です。より良く生まれ変わることは出来れば私も望むところですが、過去の都合の悪いこと、責任を全うしていないことまで「水に流して」忘れてしまってはいけないと自戒するのです。<br />
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