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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

3−2 嬉しい日本からの来客(その1) 

2010年12月08日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

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<b>移住と別れ、再会の喜び</b><br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33699591_0?1291774089" alt="イメージ 1" class="popup_img_370_270 clearFix alignRight"> 日本を離れてこちらで暮らしていてとても嬉しいのは、日本から身内や友だちが訪ねて来てくれることです。こちらで気の置けない新しい友だちが多く出来ても、家族や昔からの親しい友だちに再会できることは何にも代えがたい喜びなのです。合いたくてもお互いに海の向こうに住んでいるとなれば思うようにはなりませんから、それが異国の地で実現できれば嬉しさもまたひとしおです。<br />
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 私たちが移住して間もない2005年の6月に兄夫婦が遊びに来てくれたのが最初で、その後雅子の友だちが入れ替わり立ち替わりやって来てくれ、よほど気に入っていただいたのか、すでにリピーターも出現しています。本当に嬉しいことです。また、娘夫婦はカティアの結婚式参列のためにオーストラリアに来たのに合わせ、息子夫婦も別の時期に来てくれました。しかし、子供たち夫婦はまだ若いので長いホリデーを取ることが難しくそれぞれとても短い滞在でした。いずれゆっくり遊びに来てくれることを楽しみにしています。<br />
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 私は学生時代に道草をして通常の人の場合より2年遅く社会人となりましたから、私が定年になっても友だちはまだ現役の人が多く、なかなか休暇を取って海外旅行をすることが出来ないようで、まだ誰も来ていません。会社の後輩が家族でゴールド・コーストに遊びに来た時、車を飛ばして会いに行った程度で、いずれ多く来てくれるでしょう。<br />
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 お客様も私たちもお互いに積もり積もった話がいっぱいあって、1週間ほどの滞在では時間が足りないほど。あちこち案内して観光をする時間も必要です。私たちにとっては長く会えなかった人たちの近況や日本の様子を聞くのも楽しみですが、私たちの移住生活を見て欲しい、移住の苦労や喜びを伝えたい、日本では味わえない豊かな大自然を満喫して欲しい、陽気なオーストラリアの人々の暮らしぶりを知って欲しい……等々と、欲張りな気持ちも正直強くあるのです。<br />
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<b>男と女、交友の違い</b><br />
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 日本から訪ねて来てくれる雅子と私の友だちの差が格段に雅子の方が多い現実を見ると、どうしても男と女の友だち作りの違いを考えてしまいます。<br />
 「濡れ落ち葉」や「わしも族」という言葉が世に出て久しく、すでに死語の感さえありますが、実際には団塊の世代が一挙に定年を向かえて一層この言葉の重みが増しているように思います。意味はご存知だとは思いますが、古語?の部類に入りますから若干説明しますと――。定年を迎えた亭主が家で何もすることがなく、掃いても掃いても取れない「濡れた落ち葉」のように奥さんにまとわり付き、奥さんが外出しようとすると「わしも一緒に行く」と言い出すことを皮肉を込めて言い表しているのです。家庭を顧みず働き、仕事以外何も出来なかった男たちの悲哀を感じさせる言葉ですね。<br />
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 この言葉の裏には、定年を迎えた夫とその妻のそれぞれの交友関係が大きく異なるという背景があります。男は多くの場合30年、40年と働いている間友だちを作ることができる機会は本当に少ないものです。業績や出世の競争相手でもある同僚とはなかなか親しい仲にはなれないことも多く、学生時代の仲間とは気を許すことができても会う機会は多くありません。趣味の仲間を作るほど余暇が多くないのも現実でしょう。<br />
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 また、一般的に男性は女性ほど人恋しいと思う性格を持たず、友だちという群の中にいるより個人でいた方が楽に感ずるという違いも見逃してはいけないと思います。<br />
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 一方の女性は一般的に友だちを作る機会が本当に多くあります。子供が小さな頃はお母さん同士、気の合うご近所の人たち、学生時代からの友人、趣味を同じくする仲間等々……。ご亭主が元気で留守の間に、友だちのネットワークはとても強固に築かれています。<br />
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 こうした2人がいきなり毎日朝から晩まで顔を突き合わせて暮らすようになるのですから、軋轢が生じない訳がありません。深刻な場合は、定年離婚にまで達する夫婦も多いと聞きます。離婚してお互いにハッピーであればそれでも良いでしょうが、そのようなケースは稀で、多くは悲劇ですね。<br />
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 少しだけ男の肩を持たせてもらうと、「濡れ落ち葉」や「わしも族」は夫婦が一緒にいることを疎ましく思う女の立場からの発想で、長年働いて来た男に対しては少し身勝手で厳しい仕打ちではないかと思います。夫婦はいつも一緒にいることが自然なのですから。しかし、家事は妻だけがすることではなく、時には男も台所に立つなど自立が必要です。<br />
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 兄や娘・息子夫婦は別にして、日本からの友だちで夫婦で私たちを訪ねて来てくれた人は皆無です。日本の熟年夫婦が背を向け合った状況から脱却し、海外へも2人で旅するのが普通になるにはどれほどの歳月がかかるのでしょうか。<br />
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<b>助け、感謝し合う移住生活</b><br />
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 で、私たちの場合は私自身があまり濃密な人間関係の中で暮らしているより希薄であった方が気が楽という性格でもあり、濡れ落ち葉になっているようなことはありません。こうした事情もあって、やはり友だちのネットワークは雅子の方が格段に広く、こちらに訪ねて来てくれる友だちの数は前述の通り大きな差です。<br />
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 ところで、ここでは日本からの来客が全体のテーマなのに先程から脱線気味ですが、書きながらとても大切なことに気付きましたので、このまま脱線して行きます。それは、私たちは定年後に海外に移住したことによって、思わぬ面で恩恵をこうむり、幸運を手にしていることです。<br />
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 その第1は、私たち2人が互いに助け合い、頼り合い、いたわり合う気持ちが強くなったことです。不案内な異国での生活は、買い物にしても何処かへドライブするにしても、郵便物を送るにしても1人では心細い、言葉に自信がない、不測の事態があったら困るとなれば、行動はいつも2人の方が安心で、どうしても互いに助け合わなければなりません。お互いなるべく一緒に行動して助け頼り合うのと、邪魔で疎ましく思うのとでは大きな違いです。<br />
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 また、2人の共通の友だちが多く出来ることです。ディナーやモーニング・ティーに招いたり招かれたり、またコンサートやお祭りに出掛けたりするのはいつも夫婦単位で、自然に共通の友だちが出来てしまいます。こうなると、わざわざ「わしも、わしも」と言わなくとも、2人で一緒に出かけなくては体裁が悪くなってしまいます。これは日本での事情と大きく異なる点ですね。<br />
 こうして、私たちは定年後の夫婦にありがちな、ぎくしゃくした関係を移住したことによって克服することが出来たと思っています。<br />
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<b>あちこち案内、あれこれご馳走したい</b><br />
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 さて、深刻な話はこれまでにして、来客との楽しい話に戻りましょう。<br />
 日本から私たちのサンシャイン・コーストに来るには、ブリスベン国際空港に着きますが、通常ですと直行便とケアンズで乗り換えるコースとがあります。ほとんどの便が日本を夜に出発して翌朝に着くスケジュールです。日本とクィーンズランドの時差は年中1時間。飛行機は地図のとおり地球を北から南へ飛びますから時差ボケはありませんが、夜中に機内でぐっすり眠ることがなかなか出来ないのと、全部で9時間半ほどの長いフライトですから皆疲れ気味での到着です。 <br />
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 でも、出口で出迎えの私たちの姿を見つけると皆大喜び。さすがに私は日本から着いたばかりのご婦人にいきなりは出来ませんが、雅子は久しぶりのお友だちですからオーストラリア流にハグハグで大歓迎します。<br />
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<div class="alignCenter"><img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33699591_1?1291774089" alt="イメージ 2" class="popup_img_560_276"></div> <br />
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 大体、皆1週間から10日間の滞在で前半は我家に泊まってサンシャイン・コーストを回り、後半はゴールド・コーストに移動するという日程を組みます。人数が多いと我家には泊まることが出来ないので近くのリゾート・ホテルを利用していただき、私の車と大型のレンタカーで移動することになります。前半は静かで美しく大自然がいっぱいのサンシャイン・コーストの海と山を楽しみ、後半は高層ビルが建ち並ぶ世界有数のリゾート、ゴールド・コーストの観光とレストラン巡りとショッピングが私たちが立てる来客の大まかな滞在計画です。<br />
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 オーストラリア人の中にもゴールド・コーストを好まない人がいますが、観光客としては1度は訪れてみたい所。これほど有名なリゾートが近くにあるのですから日程に組み込まない手はありません。それに、食事はサンシャイン・コーストに比べてこちらの方が格段に美味しく、バラエティに富んでいるので、それも魅力です。<br />
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 サンシャイン・コーストの我家から南へ1時間のドライブでブリスベン、さらに南に1時間でゴールド・コーストという位置関係です。<br />
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 少し残念なのは、お客様に私たちの住んでいるバデリムをゆっくり見てもらう時間があまり取れないことです。バデリムは住宅地で観光の対象ではないので時間をかけて案内しづらいこともありますが、美しい街並みと住む人たちの生活ぶりを是非見てもらいたいのです。これからは滞在型の旅にして、スーパー・マーケットで買い物をし、郵便局で絵葉書を送り、カフェのテラスでお茶をし、オーストラリア人の家庭を訪問したりする体験をゆっくりしてもらうのも良いかなと思っています。<br />
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この項は(その2)へ続きます。<br />
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