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私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

3−4 メンタル・ハーモニー 

2010年12月08日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

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<b>趣味を生かして友達づくり</b><br />
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 移住前にインターネットでこちらの様々な事情を調べていたら、想像していた通り合唱団も活発な活動をしていることが分かりました。移り住んで余裕が出来たらどこかの合唱団に入って歌うことがひとつの大きな目標になりました。皆で声を合わせて歌うことの楽しさもさることながら、一度に多くの友達を作ることが出来る計算もありました。そして、異なった国の人たちがどのようにして音楽を作り出して行くか興味津々だったのです。<br />
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 私は子供の頃NHKの児童合唱団で歌い、高校・大学ともに勉強もしないで合唱のクラブ活動にのめり込んで指揮者まで務めました。そのためか、社会人になるのも2年遅れてしまったほどですから歌は大好きです。それから40年もの間、歌うのはカラオケ程度でしたが、こちらで相当レベルの高い合唱団に入っても歌だけはついて行く自信がありました。<br />
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 移住後2か月経って、近くの教会でバデリム・メイル・クワイヤーという男声合唱団が毎週月曜日の夜練習をしているというので様子を見に行きました。男声合唱団を選んだのは、大学時代が男ばかりの合唱だったためです。練習会場に行ってみると40名ほどの団員は私と同じかもう少し年配の人ばかり、皆お人好しのようで、楽しそうに特有の重厚なハーモニーを楽しんでいました。<br />
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<b>昔とった杵柄で</b><br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33699305_0?1291770956" alt="イメージ 1" class="popup_img_371_277 clearFix alignLeft"> どんな感じの合唱団か見るだけのつもりでしたが、休憩時に指揮者が呼ぶので行って見ると「パートを決めるから声を出してください」と。私もぐずぐずしていないで早く仲間に入れてもらった方が良いかなと思い、久しぶりに大きな声で彼のピアノに合わせて音階を歌いました。合唱団始まって以来初めて東洋人が入団して来るとなれば誰もが私の声がどんな声なのか興味があったでしょう。休憩中の団員の耳は皆私の方に向けていたに違いありません。歌い終わると指揮者は「あなたはファースト・テナーですね」と言うではありませんか。どうも張り切り過ぎて普段は出ないような高いところまで歌ってしまったようです。男声合唱には4つのパートがあってファースト・テナーは一番高い音域を受け持ちます。もともと私の声はもっと低く、下から2つ目のバリトンでしたから戸惑いましたが思い切ってやってみることにしました。<br />
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 合唱に詳しい方ならご存知だと思いますが、バーバーショップ(床屋)と呼ばれる男声合唱があります。これは、4人のカルテットのスタイルと同じようにメロディをセカンド・テナーが歌い、ファースト・テナーはその上でハーモニーを補ったり、オブリガート風の旋律をつけたりします。このバーバーショップの合唱団もバデリムで活動していますが、私は自分が慣れ親しんだのと同じ普通はファースト・テナーがメロディを歌う伝統的なスタイルのバデリム・メイル・クワイヤーで歌ってみたかったのです。<br />
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<b>若き有能な指揮者</b><br />
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 バデリム・メイル・クワイヤーは1974年に設立され、長い間女性の指揮者が指導をしていましたが、私が入団した直前に件の若い指揮者、ロス・ジェルフに代わっていました。彼はまだ音楽専攻の学生でしたが才能に恵まれ、すでに演奏活動を始めていました。2006年には彼が参加する少人数の合唱団が世界の合唱コンクールで金メダルを取ったほどです。<br />
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 練習はパートごとに分かれてすることはあまりなく、いきなり合わせて行きます。というのは、シーズンが始まる2月には年間の曲目がほぼ決まり、楽譜とパート別の旋律が録音されたCDが渡されて、各自練習をして来るからです。もっとも、楽譜を読める人は少ないようですが。そして、ロスはあやふやな部分を自ら歌って覚えさせ、歌い方や声の出し方を細かく指導してゆきますが合唱の勘所を良く知った指導ぶりに感心しています。<br />
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 歌う方はベースが音をしゃくり上げたり、内声がフラットぎみになったり、ブレスの前の音が不自然になったりと、私が昔経験したことと同じで懐かしく思いましたが、「国や人種が異なっても音楽は難しいところまで一緒だな」と嬉しく納得したものです。<br />
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 もちろん歌う曲は英語の歌詞がほとんどですが、英会話はまだ不自由しますが書かれている英文の歌詞は発音さえ間違えなければ問題ありません。意味も大体理解できます。私は数10年ぶりの合唱でしたが、夢中になっているうちに歌の感をすっかり取り戻していました。<br />
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<b>欲しい音楽専用ホール</b><br />
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 私たちが出演するコンサートは平均すると1か月に1回ほどあって、日本の合唱団のように定期演奏会は開きません。チャリティであったりバンドとのジョイントであったりスタイルは様々ですが、大体は午後2時に始まり休憩時か演奏後にお茶とお菓子がサービスされます。<br />
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 選曲は組曲にしたり、民謡とか黒人霊歌などとステージごとに特徴付けてまとめることはあまり無く、単独のピースを寄せ集めて構成しています。日本の演奏会の「清水脩・月光とピエロ」、「パレストリーナ・ミサ曲」それに「トスティ・歌曲集」などと言うようなステージごとの選曲は少し重たい気はしますが、こちらでも取り入れて欲しいと思います。<br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33699305_1?1291770956" alt="イメージ 2" class="popup_img_390_292 clearFix alignRight"> 問題は会場です。良く会場となる教会は音響の面では悪くないのですがステージと客席の具合が余り良くありません。そして、箱物が得意の日本なら小さな自治体でも固定席の「○○文化会館」がありますが、シドニーやブリスベンなど大都会は別にして、こちらにはそれがありません。ほとんどは多目的ホールで平場の床に椅子を並べて演奏会場にします。それは良いのですが、舞台が演劇やショーには向いていても反響板が無いので音が散逸してしまい、合唱にはつらい設定なのです。広いサンシャイン・コーストに1つ位は音楽専用とまではいかなくても音響の良いホールがあってもいいような気がします。<br />
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<b>メンタル・ハーモニーを求めて</b><br />
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<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33699305_2?1291770956" alt="イメージ 3" class="popup_img_370_277 clearFix alignLeft"> なんだか、合唱音楽事情のようなことになってしまいましたが、私にとっては定年後の趣味の幅が広がり、何よりもこの国の人が集まった合唱団という組織の一員に加わることが出来たことが嬉しく、大切なことだと思っています。知り合って友達となり食事やお茶を一緒に楽しむ以上に、協力して1つのことを成し遂げるのですから、お互いの結びつきはさらに深まるはずですね。大晦日のジャズ年越しのパーティの誘ってくれるギャリーら気が置けない団員の仲間は、その奥さんやパートナーと共に私の宝物のような人たちです。<br />
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 コンサートのお茶やクッキーなどのサービスは団員の奥さんたち「婦人部?」が協力して行いますが、これはこれで女性たちの友だち作りのきっかけとなるとても良いチャンスです。あるコンサートに雅子はスシ・ロール(海苔巻き)をたくさん作って持って行き、他の奥さんたちのケーキやクッキーと並べてお出ししたところとても喜ばれ、あっと言う間になくなってしまいました。<br />
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 悩みは皆が私に話しかける英語が仲間内で話す話し方と同じなうえ、年配の人は発音が崩れている場合が多いので、なかなか理解できない時があることです。ある時、練習に出かけたところ誰も来ていないので、すごすごと家に帰ったことがありましたが、その日の練習は休みという口頭での連絡を聞き取れなかったのでしょう。早くこの状態から脱却してメンタル・ハーモニーをさらに美しく重厚に奏でなければなりません。<br />
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