メニュー

最新の記事

一覧を見る>>

テーマ

カレンダー

月別

私家版・日豪の比較文化人類学 〜群れから抜け出した羊が見たもの〜

3−7 私たちのホリデー、タスマニア旅行(その1) 

2010年12月06日 外部ブログ記事
テーマ:テーマ無し

<div class='wiki'>
<b>海外の国内旅行?タスマニアへ</b><br />
 <br />
 1990年、フジテレビと東宝が制作した映画『タスマニア物語』はその内容もさることながら、言葉では言い尽くせない程の美しく雄大な風景がとても印象に残っていて、いつかは行ってみたい所でした。2007年の5月中旬、私たちは雅子が還暦を迎えたのを祝って旅することにしたのですが、その目的地にタスマニアを選びました。<br />
 <br />
 こちらに移住したらあちこち旅をすることが夢の1つでしたが、移り住んだ2年間は娘と息子、それにカティアの結婚が相次いで日本などへ出かける機会が多かったので、自分たちのホリデーどころではなかったのが、一転して身軽になり自由な時間が出来たこともあって「夢の中の夢の地」へ出かけることが出来たのです。<br />
 <br />
 私たちの住んでいるサンシャイン・コーストからはブリスベン空港から2時間半のフライトでタスマニアの州都ホバートに着きます。これは当然パスポート、ヴィザ不必要の国内線。2年以上こちらに住んでいながらタスマニアという「外国」へ旅するような感覚があったので、不思議な気がしました。でも、この頃のタスマニアは初冬。北海道とほぼ同じ緯度にあるだけに用意した冬の衣類がかさ張って8日間の旅の荷物もちょっとした「海外旅行」並みとなってしまいました。<br />
 <br />
 航空券、レンタカー、それに宿泊ホテルの予約など旅の手配は、今は誰でもそうするのでしょうが、全てインターネットで行い、どの予約も何も問題なく安心して旅をすることが出来ました。パックのツアーもあり経費も少し節約できるようですが、自分たちの行きたい所やペースに合わないこともあって、自前の旅程を作ってみたのです。車の長距離、長時間の運転が心配になった時にはパックのツアーも良いかも知れません。<br />
</div>
<br />
<div class='wiki'>
<b>美しい大地、その歴史と産業</b><br />
 <br />
<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33688961_0?1291637997" alt="イメージ 1" class="popup_img_370_277 clearFix alignLeft"> タスマニアはオーストラリア大陸の南東にある北海道より少し小さい島です。オーストラリアの中では最も小さな州ですがその歴史は古く、ホバートは1804年に入植が始まったと言いますからシドニーに次いで2番目に古い街です。<br />
<div class='indent'>
<br />
</div>
 この島には最初イギリスからの囚人のうち重罪人や再犯者が送られましたが、ホバートから車で1時間半ほどのポート・アーサーには1800年代中期に使われた監獄の建物が残っていて、観光のスポットとなっています。残念ながら私たちは時間の都合で立ち寄ることが出来ませんでしたが、風化が進み荒涼とした建物の写真や資料からだけでも、人が人を裁き、罪を償うことの厳しさが重く伝わって来るところのようです。<br />
 <br />
 こうした悲しい歴史はありますが、島全体は緩やかな丘陵地に山岳と木々がアクセントとなり絵のように美しい大地です。豊かな多雨林が多く、少し森の中に入れば苔むした大地や屹立する木々に誰もが驚嘆するはずで、島の4分の1を国立公園が占めているのもうなずけます。<br />
 <br />
 タスマニアは鉄、亜鉛、マグネシウムなど多種多様な鉱床が広く分布して重要な産業となっています。2006年の4月、北部にあるビーコンズフィールドの金鉱で落盤事故があり、1人が死亡し2人が2週間後に救出された事故は、オーストラリア中が救出作業を固唾を呑んで見守り、喜び合い、自国鉱業の重要性を懸命に救出に当たる人たちの姿から再認識したものです。<br />
 <br />
 もちろん牧畜・農業も盛んで、道路を走れば両側はすべて牛や羊の牧場と言っても良いほどです。島の形がリンゴの形をしていることから、アップル・アイランドとも呼ばれますが、実際にリンゴの産地としても知られています。日本と逆の季節と冷涼な気候を利用してソバが栽培され日本に輸出されていることはご存知でしょう。日本で春に新蕎麦が食べられるのはこのためですが、最近ではあまり季節は関係なくなっているようです。ちなみに、私たちは産地のタスマニアでその蕎麦が食べられるかも知れないと思い、あちこちで聞いてみましたが誰も首を横に振るだけ、残念ながらこちらの「本当の新蕎麦?」にはありつけませんでした。<br />
</div>
<br />
<div class='wiki'>
<b>おしゃれで美味しいタスマニア</b><br />
 <br />
<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33688961_1?1291637997" alt="イメージ 2" class="popup_img_370_277 clearFix alignRight"> 私たちがこの旅行でホバートに着いたのは飛行機の便の都合で夜の9時を過ぎていたので、ホテルにチェックインするとすぐ食事に街に出ましたが、どこも終わりかけていてサラマンカ・プレイスで1軒だけ賑わっているイタリアンのレストランにもぐり込みました。「もう遅いので1人1品だけにして欲しい」と言うので2人でビールと雅子がリゾット、私がスパゲッティを注文して遅い夕食をとったのです。<br />
 <br />
 その料理はオーストラリアでは初めて味わったと言っていいほど美味しいものでしたが、ほぼ満席だったお客もどことなくおしゃれで品の良い服装をしているのに気が付きました。気候の関係で身に付ける衣類や装飾が多くなり、おしゃれの余地があるのは分かりますが、私たちの住んでいるクィーンズランドのカジュアルな服装に比べると随分違います。美味しい料理に感心しながら、ふと「あっ、イタリアなのだ!」と気が付いたのですが、タスマニアはイタリアからの移住者がとても多いので食べ物も美味しく、人々もおしゃれなのだと納得したのです。こう言っては失礼かも知れませんが、イタリアは着倒れと食い倒れを一緒にしたようなところがありますからね。<br />
 <br />
 翌日バッテリー・ポイントと呼ばれる海を見下ろす住宅地を歩いてみると、イギリスの18〜19世紀のジョージ王朝時代の様式という家々が軒を連ね、まるで映画のセットに迷い込んだような街並みが続いていました。こうした様式や意匠の面で私に詳しい知識があればもっと興味深い観察ができたはずですが、同じ国の中でこれだけの歴史が残り、違いがあることを知ったことだけでも大きな収穫でした。<br />
</div>
<br />
<div class='wiki'>
<b>絵画の中の旅</b><br />
 <br />
 私たちの旅は州都のホバートを基点に、東海岸のフレシネ国立公園、北海岸の第2の都市ロンセストン、それに世界遺産のクレイドル・マウンティンを中心に、途中小さな街のスポットに立ち寄るという8日間の日程でした。宿は近代的なシティー・ホテルは避けて、歴史的な建造物のホテル、日本の民宿のようなB&B (Bed and Breakfast)、ゴルフ・コースなどを持つリゾートの複合施設、それに山のロッジといった様々なスタイルの宿泊施設を組み合わせ、それぞれの良さを味わってみようと欲張ってみました。結果は予想通り各様の特徴・良さがあって大満足。これからもこの手で旅に相応しい宿をその都度選んでみようと思いました。<br />
 <br />
 移動は空港で借りたレンタカー。8日間で1223舛鯀?砲靴泙靴燭、疲れを感じたことはありませんでした。道路は幹線でも多くが片道1車線でしたが、まるで私たちの専用道路のように対向車は通らず、郊外では交差点も少なく、要所々々の道路案内もあるべきところに確実にあって、迷うこともなく目的地に向かうことが出来たからでしょう。<br />
</div>
<br />
<div class='wiki'>
<img src="http://img2.blogs.yahoo.co.jp/ybi/1/9a/60/shigemi_akamatsu/folder/781161/img_781161_33688961_2?1291637997" alt="イメージ 3" class="popup_img_370_277 clearFix alignLeft"> そして何よりも、道路の両側に広がる景色が絵画のように美しかったことも運転の疲れを感じなかった原因のような気がします。なだらかな丘陵の牧草地が幾重にも重なり、あったら良いなと思うところに木立があり、絶妙な間隔でヒツジたちが草を食み、ポツンと佇む絵本の中に出てくるような農家からは夕餉の支度か暖炉の煙がゆっくりと立ち上る。そうしたまるで絵画のような中をドライブするのですから疲れる訳がありません。<br />
 <br />
 また、木立の紅葉も感激でした。日本では晩秋の紅葉はとても美しく、雅子もその風情が大好きですが、移住先のクィーンズランドの亜熱帯では紅葉する木は全くと言っていいほどありません。ところが訪れた5月のタスマニアは紅葉の季節。日本と同じモミジやポプラもあって色づいた木々が秋のしっとりとした雰囲気を見事に演出していました。<br />
 <br />
 タスマニアの風景は密度が濃いと表現したらいいと思いますが、どちらを向いても、どこを切り取っても、曇りでも青空でも また朝霧でも夕焼けでも「絵になる」のです。旅行中の300枚ほどの写真は、皆に見てもらいたくてコンピューターで映画風に音楽付きスライド・ショーにして、そのCDを友だちに配りまくったのです。<br />
</div>
<br />
<div class='wiki'>
この項は(その2)へ続きます。<br />
</div>

>>元の記事・続きはこちら(外部のサイトに移動します)





この記事はナビトモではコメントを受け付けておりません

PR







掲載されている画像

    もっと見る

上部へ