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心 どまり

サ神様 (サノカミサマ) 

2015年04月04日 ナビトモブログ記事
テーマ:季節

 今日は、ちょっと肌寒かったですね! 
いわゆる、花冷えでした。

 今夜の皆既月食を楽しみにしていたのですが、今にも泣き出しそうな空模様に、諦めざるを得ないようです。
雲間からほんの少しだけでも、見られたら嬉しいのですが・・・

 よく晴れた穏やかな春の日、春日和の下、愛でる桜もいいですが、今日のような花曇りの日に、朧(おぼろ)に霞む桜も風流です。
又、雨に濡れた花姿や、風に散らされたた花びらに命の儚さを・・・

 兎にも角にも、日本人はどんな桜でも好きなんですよね!

  世の中に 絶えて桜の なかりせば 
     春の心は のどけからまし  

 正に、在原業平の心境の如くです。
桜の花便りが届き始めますと、そわそわ、そわそわ、心が浮つき落ち着きません。
まるで、桜の花に恋をしているようです。

 何故、此処まで日本人は、桜の花に魅了されているのでしょう。

 花姿(形)、それとも綺麗なままで散る、潔い散り様(桜吹雪)のせいかしら?
でも、それだけでしたら、他の花でも良い筈ですよね!

 御花見と言えば『桜』、桜と言えば『宴』は付き物ですし、夜桜の下で酌み交わすお酒の味は格別です。
寒い中でも、盛り上がりますものね!

 其処で、私の中の”調べ虫”が騒ぎ出しましたので、調べてみました。

 ≪どうして日本人は、こんなにも桜が好きなのでしょうか?≫

結論です。

 ≪私たち日本人のDNAには、桜信仰が組み込まれている≫

のだそうです。
どういう事かと言いますと、『桜』は、日本固有の植物で、古代から人々に崇拝(信仰)されていたのです。

 古代の桜は、花が小さめで、色は薄淡く、オオシマザクラやエドヒガンに近かったようです。

 現在鑑賞されている艶やかな ”染井吉野”は、園芸鑑賞用として交配され、一本の桜から接ぎ木で増やされた為、全ての木が同じ遺伝子を持つクローンなのだそうです。

その為、自力で繁殖する事が出来ず、多くの染井吉野が近い将来、寿命を迎えてしまうので、その対応が問題になっています。

因みに、”染井吉野”の原木は、遺伝子検査の結果、上野公園の一本の桜が有力視されています。

 日本の最初の神様と言いますと、日本書紀や古事記のイザナギ・イザナミの命や天照大御神を浮かべる方も、多いと思いますが、それ以前、神話の時代よりも遥か前、古代日本(縄文時代)にも、神様は存在したのです。

 縄文文化は、森の文化であり、樹木とは切っても切れない関係でした。
樹木には神が宿り、その神を神聖視し、信仰(樹木信仰)したのです。

 縄文人が信仰する神様が、『サ神(サノカミ)様』。
所謂(いわゆる)『山の神様』でした。
『山の神様』は、春になりますと、山から下りて来て『田の神様』になります。

その時、お休みになる木が『サクラ』の木。
『サクラ』の『サ』は、『サ神様』の『サ』。
『サクラ』の『クラ』は、神様が座る『 神座』。
つまり桜は、『山の神様の新座する木』という事で『サクラ』と呼んだのです。

『サ』とは稲の精霊であり、また稲そのものでもあります。

 古代縄文人が、農耕開始(稲代作り)の目安としたのが、『桜の開花』だったのです。

 因みに、原始農耕期と言われる、1万3千年位前から始まった農耕は、”女性により発見された”との説があります。

 男性は狩猟を行う為、活動範囲が広くなります。
女性は育児を行う為、生活空間が限られてしまいます。
それ故女性は、日々目にする植物の成長を、定点観測する事が出来たのです。
自らの出産・育児体験と植物の成長とが重なり、農耕の発見につながったのではと考えられているようです。

 山の神様が宿られているサクラ(桜)の木の下で、『 サ神様 』に祈願する為、お供え物をしました。 
最も欠かせない重要なものが『サケ(酒)』。『サケ(酒)』には、神前に「ササゲル(捧げる)」と言う意味があります。 

 酒に添えるサカナ( 肴 )は、サカナ( 魚 )やサケ菜(山や野の物)をお供えし、歌や踊り、神楽を催し奉納したのです。  
後に、酒を飲む際、共に 楽しむ様々な対象(歌や舞・面白い話題など)も、酒の肴(さかな)と呼ばれるようになりました。

 こうした奉納舞などを見学して戴く『 サ神様の貴賓席 』が、『サジキ( 桟敷 )』であり、庶民は地面の芝の所で見ていたので、『 芝居 』と言う言葉が生まれました。

 酒や肴など、『サ神様 』にお供えした物を、庶民が頂く事を『おさ下がり』と言うのも同じ語源です。

 又、『サ神様』は 山の神様ですので、山の神様がいらっしゃる所には、人々は近寄れなかったのです 
そこで、その境界線をサカイ( 境 ) 。
境に設けられた垣根がさく(柵)、『サ神様』が山から下りて来る田植えの時期5月を、『サツキ(皐月・五月)』と言うのも、この信仰から『サ神様の月』を示しているそうです。

 地名や氏名・河川等にも、『サ神様信仰』の名残が見て取れます。
例えば、サガミの国とかサヌキ、サド、サツマ、トサ、カズサ、シモフサ、ワカサなどの国名がそうです。

 又、相模・相模原・佐賀美・相神・相見 の様に、異なる漢字が使われているのは、当時は、カタカナ表記であった為、当て字によるものです。

 現在、行われている『花見の宴』は、元々は『神事』であり、『御祭り』でもあったのです。
                      続く

     
          (出典 酒と桜の民族 西岡秀雄著)



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桜大好き

みのりさん

桜 日本人は好きですね
桜を見ると癒されます。

2015/04/10 19:39:40

ゆっ子さんへ

良香さん

 おはようございます・

 ゆっ子さんのお住まいの所では
桜の花は、見られるのかしら?

日本人の桜好きは、本能のようなものですね!

只今、”調べ虫”ちょっとおさぼり中!
また、頑張ってUPしますね!
でも、あまり期待しないで、続きは多分皆さんが
ご存知の事だと思いますので・・・


お仲間がいらして嬉しいわ!
これから宜しくお願い致しま〜す。

     :.゜ヽ(´∀`。)ノ゜.:。 ゜

2015/04/07 09:45:47

こんにちは

ゆっ子さん

良香さんの中にも「調べ虫」がいるんですね。
私も何でも調べてみるのが大好きです!

桜がこんなに気になるのは日本人のDNAがなせるワザだったんだ!
外国人は桜に対しての思いいれなんて全然ないもの。

「サ神様」って知りませんでしたがいろいろ勉強になります。
ホント続きが楽しみ♡

2015/04/06 19:58:06

COSMOSさんへ

良香さん

こんにちは!

 コメントをありがとうございます。
『サカ(坂)』は、『サ神様』が山から『下る』と言う意味なんですね!
確かに、神様に纏わる物に、『サ』の字の付く言葉が多いですね!
考えてみますと『賽銭』『賽銭箱』も『サ』から始まっていますね!

ありがとうございます。
ご期待に添えるように、頑張ります。
              p(*^-^*)q

2015/04/05 14:15:15

御返杯

良香さん

yinanさんへ

 ”酒なくてなんの己が桜かな”

落語好きな父が、寡黙な父が、お酒を飲むと口遊んでいた川柳でした。
近所の醸造所の経営者は、祖父の友人(遊びび仲間・飲み友達)でしたので、お酒には不自由しませんでした。

 喜 でも酒。
 怒 でも酒。
 哀 でも酒。
 楽 でも酒。

酒好き、呑兵衛さんにのみあらず、やはり日本人は、酒あってこその人生なんですよね!
yinanさんからの御盃、御返杯致します。
今度は、私がお注ぎいたしますわ!

2015/04/05 13:59:51

サ神様信仰

COSMOSさん

坂道のサカも神様に由来するそうです。山から降りてくるときに通るからとか。そして祭りの時の掛け声「ヨイヤサ!ヨイヤサ!」とか「ササドッコイサノサ!」などもそのようですね。続きを楽しみにしています。

2015/04/05 09:16:24

花見

yinanさん

良香さん、今晩は〜!

桜にまつわる話は内容が濃いです。

サクラのサに意味があったのですね。
花見は神事ですから、桜の木の下で飲んで踊って
騒ぐのは神聖な行為。
大威張りで花見て一杯をやらなければ。
”酒なくてなんの己が桜かな”。

2015/04/04 20:44:01

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