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陽だまりのねごと
さいごの毛布 近藤史恵著
2014年09月20日
テーマ:テーマ無し
老犬ホーム「ブランケット」が舞台のお話。
老健施設でなく、老犬。
老犬を飼えない人がお金を支払って、預ける所。
原則は10歳以上と言うことだけれど、事情があって若い犬も居る。
「三つの名前を持つ犬」同様、社会適合が少々むつかしい人物が登場してくる。
物語の最後に、
犬がよろこびなど感情をストレートに表すのは、群で生活するのに必要な能力かも知れないと、主人公の気づきシーンがある。
ストーリーは施設に預けられても飼い主をひたすら待っている犬の気持ちと
母親に見捨てられた観を持って大人になった人間の気持ちがクロスして展開し、
良い方向に流れて終わる。
老犬の死が少しきれい過ぎはしないか?
目や耳が聞こえない老犬や歩くのがやっとの老犬を散歩させているのも
近隣で目にする。
ペット用品にオムツがメジャーになって久しい。
医師の常駐しない施設で、具合が悪くなったら車移動が必要な病院頼りと言う設定も安直な感じ。
ここのところ二匹、腎臓の病で点滴なしで生きられない高齢猫を見送った。
最後の最後は点滴の意味もわからない猫に、点滴の苦痛を強いているのは、私のエゴのような気がしてきた。
だんだん弱る最後の最後は飼い主の私が決めたようなもの。
嫌がる点滴はもう止めようと。
その晩、どちらの猫も膝に抱っこで、目から光が失われる時を過ごした。
人の自宅介護の限界もさんざん見る仕事に携わっていたこともあって、
老犬の世話がこうきれいごとであるはずがないと余計、思うのかもしれない。
施設入所を拒まれる理由に
愛犬、愛猫のことが確かにあった。
どこか最期まで安心して預けられる施設が実在すれば助かる。
人の入所費用も人手での在宅介護費用も出せない経済状況も珍しいことではない。
あってもお金次第...
こんなことを書いていると、犬と人間の関係も甘過ぎ?な気がしてきた。
読んで気持ちが軽くなる小説ではあるけれど。
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