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「一皮むけた羽生結弦選手、ガンバレ!」 

2013年12月21日 ナビトモブログ記事
テーマ:人生

 冬のスポーツの花形種目、フィギュアスケートは、相手との勝負であることはもちろんだが、競技者自身の自分との闘いが大きな要素を占めるスポーツ種目である。

 フィギュアスケート大会では、演技種目で高い得点を挙げた選手が勝つ。大会で得点を稼ぐためには、当然、毎日毎日練習しなければならない。

 そして、練習でできることを本番でできなければ、負ける。練習で高確率ではできないことを本番でできれば、勝つ。

 練習でできることを本番でできないのは、なぜか? 考えられるパターンは、いくつかある。

? 練習でできるのに、本番で急にできるかどうか不安になって、できない。

? 相手選手のでき具合を目の当たりにし、ここで決めれば勝てると思い込んで、力が入った瞬間、できない。

? 練習でできることはできるが、高確率ではできない場合、やっぱりできない。

 これらを考えれば、フィギュアスケートは、自分との闘いの要素が大きいとの思いが強くなる。

 大会本番で勝つためには、練習で高確率でできることと、本番では、無我の境地で、無意識に、自信一杯で、できることが不可欠だ。

 そして、できれば、ジャンプは、一つ目ができ、二つ目も、三つ目も、という具合に、次から次に成功し、気がついたらフィニッシュといった感じがほしい。

 優勝するためには、ジャンプだけでなく、ステップ、スピン、シークェンスなどでも、高得点を稼ぐ必要があるのはもちろんだ。

 かくして、フィギュアスケートでは、自分との闘いに負けてミスが出れば、ジャンプしてゴロッと転び、また、ジャンプしてゴロッと転びの連続となる。

 自分との闘いに勝つためのポイントは、どうやら、どこまで自信が身についていて本番に臨むかであるようだ。
 

 12月5日の夜、フィギュアスケートのグランプリファイナル第1日が福岡市のマリンメッセ福岡で行われ、男子のショートプログラム(SP)では、羽生結弦(ゆづる)選手がSP世界歴代最高得点を更新する99.84点で首位に立った。

 羽生選手は、4回転ジャンプ等のジャンプがすべて成功するなど、練習で高確率でできることを、本番では、無我の境地で、無意識に、自信一杯で、できた。羽生選手は、自分との闘いに勝った。その結果、SP世界歴代最高得点を更新する99.84点での首位となった。

 問題は、翌12月6日夜のフリー演技のできだ。羽生選手の今後を占う大一番となる。相手は、世界選手権3連覇中の名にしおうパトリック・チャン選手だ。このカナダの22歳は、手ごわい。

 羽生選手は、フリー演技で、自分との闘いに勝てば、優勝する。練習で高確率でできるのだから、本番では、無我の境地で、無意識に、自信一杯で、やるだけだ。それができれば、勝つ。

 羽生選手の相手は、チャン選手であって、チャン選手ではない。羽生選手の闘う相手は、自分自身だ。

 羽生選手が今回優勝すれば、来年2月のソチ五輪でも金メダルを獲得できる。

 チャン選手は、世界選手権3連覇中であり、ソチ五輪の優勝候補ナンバーワンだ。チャン選手も自信満々のはずだ。

 しかし、羽生選手が今回優勝すれば、チャン選手の心に羽生選手強しの意識が芽生え、ソチ五輪でも負けるのではとの思いが出てくる。そこが大事だ。チャン選手の心に余分な意識が生じることにより、ソチ五輪で余計な力が入る。結果、羽生選手の金メダル獲得となる。

 羽生選手の心臓は、チャン選手の演技がスタートしたあたりから、ドキドキハラハラの状態が続く。

チャン選手の演技は、意識的に見なかったが、観客の歓声でチャン選手のできが良かったことは分かる。

 場内に羽生選手の名前がコールされる。その瞬間、羽生選手の心臓のドキドキハラハラがピタッと止まる。


 その時、羽生選手は、「自分の持てる力を出しきろう」とだけ思うべきだった。それさえ思えば、問題なく優勝する。

 しかし、観客の歓声でチャン選手のできが良かったことが分かり、「チャン選手よりいい演技をしよう」と思った。この「チャン選手より」という意識が演技に影響した。羽生選手は、「チャン選手より」を頭に浮かべるのではなしに、単に「自分の持てる力を出しきろう」とだけ思うべきだった。
 
 冒頭の4回転ジャンプ。「チャン選手より」と意識し、力が入った瞬間、羽生選手は、ジャンプしてゴロッと転んだ。

 これまでの羽生選手なら、最初の失敗の後、「羽生さんちのゆづる君」の悪い方の面が出る。アレレッ、アレレッ、と泡食ってしまうのだ。
 泡食ってしまって自分との闘いに負け、ジャンプしてゴロッと転び、また、ジャンプしてゴロッと転びの連続となる。
 結果は、負けだ。会場全体が「アーッ、アーッ」。「羽生さんちのゆづる君」も狼狽し、「アーッ、アーッ」。

 しかし、12月6日夜のフリー演技では、そうはならなかった。

 冒頭の4回転ジャンプでゴロッと転びながら、「俺は何をヘンに意識してやってんだろう。自分の持てる力を出し切ればいいだけだろうが」と思い直した。

 それも、仙台弁で思ったのだ。「オレ、ナニ考えらさってやってんだー。そったらごと考えねーで、オレの力を出し切れば、いいんだべっちゃー」。

 その後のジャンプをすべて決めるだけでなく、最後は、疲労困憊で、スッと立ち上がれないほどに、力を出し切った。

 結果して、羽生選手は、グランプリファイナルでの初優勝を飾った。フリー演技、合計演技とも自己最高得点を更新し、フリー世界歴代2位となる193.41点を記録した。


 羽生選手は、フリー演技の冒頭における4回転ジャンプ転倒で、思いを切り替え、自分との闘いに勝った。今回、総じて、羽生選手は、練習で高確率でできることを、本番では、無我の境地で、無意識に、自信一杯で、できた。

 男は、その人生で、大人になる直前に、一皮むけるものである。羽生選手は、18歳最後の日に、一皮むけた。
この先、恐ろしく強くなって、フィギュアスケート界で羽生時代を築いていくことだろう。
 その手始として、来年2月のソチ五輪が楽しみである。



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個と団体

さん

サッカーや野球と違い、フィギュアスケート、ゴルフは自分と向き合うシビアな部分があります。
メンタル面が如何に強くあるかでしょうね。

今日、サンデーモーニングに伊藤みどりさんが出演してました。
毎年、当地にスケート指導に見え、来月も既に日程が発表されました。

2013/12/22 11:31:44

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