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津軽弁・「あれね」 

2013年12月19日 ナビトモブログ記事
テーマ:人生

 カウンセリングとは、依頼者の抱える問題や悩みなどの相談に対し、専門的な知識や技術を用いて行われる援助のことである。カウンセリングを行う者をカウンセラー、相談員などと呼び、カウンセリングを受ける者をクライエント、相談者などと呼ぶ。

 カウンセリングは、いわゆる「人生相談や身の上相談」とは異なる。
 「人生相談や身の上相談」は、問題の解決そのものを目的とするため、相談に対して具体的あるいは直接的なアドバイスをする。
 これに対し、カウンセリングは、相談に来た人自身に焦点をあて、その人の悩みを聞くことで、疲れた心をほぐし、相談者が問題解決も含めて人間的に成長できるよう手伝う。

 カウンセリングの意義をこのように把握した時、カウンセリングみたいな事例があることを思い出した。その事例とは、シニアナビにおけるブログ記事とそれに対するコメントのやり取りである。

 ブログ記事の投稿者が相談者で、コメントを寄せる人々は、カウンセラーみたいなものだ。

 ブログの効用の一つとして、カウンセリング効果があるということだ。

 で、カウンセリングがより効果的に行われるのは、相談者が抱える苦しみを体験したことがある人がカウンセラーである場合だ。
 同じ経験をしている者同士だから、少し話をするだけで、「ああ、あれね」とお互いに分かり合える。

 カウンセリングに関わる「ああ、あれね」は、カウンセラーと相談者の意思疎通や相互理解を指し示す表現ということになる。

 日本列島は、弓なりの形をしていて、東西南北に長い列島であり、東西にも3,000キロメートル、南北にも3,000キロメートルもの長さがある。
 それゆえ、日本列島各地には、さまざまな弁があり、同じ日本語の表現ないし表記であっても、意味が全く違うことがあり得る。

 津軽弁でも、「ああ、あれね」と表現する。この「ああ、あれね」の意味は、カウンセリングをめぐるカウンセラーと相談者の間における「ああ、あれね」とは、異なる。

 津軽弁で使う「ああ、あれね」の「あれね」は、はらはらする、気が気ではない、という意味だ。「ああ」は感嘆詞である。したがって、津軽弁の「ああ、あれね」は、見ていて、はらはらする、気が気ではない、ということで、その程度がかなりであることを意味する。

 
 去る12月5日から7日まで、フィギュアスケートのグランプリファイナルが福岡市のマリンメッセ福岡で行われ、男子では、羽生結弦(ゆづる)選手が初優勝を飾り、女子では、浅田真央選手が2年連続4度目の優勝を果たした。

 羽生選手は、ショートプログラムでは、4回転ジャンプ等のジャンプがすべて成功するなど、完璧なまでの演技内容を見せた。

 続くフリー演技では、冒頭における4回転ジャンプで転倒したものの、その後のジャンプをすべて決めるだけでなく、最後は、疲労困憊で、スッと立ち上がれないほどに、力を出し切った。

 今回、総じて、羽生選手は、練習で高確率でできることを、本番では、無我の境地で、無意識に、自信一杯で、できた。

 一方、浅田選手は、ショートプログラムでは、落ち着き払った演技でトップに立った。冒頭のトリプルアクセル(3回転半)では、着氷させるが、回転不足を取られた。しかし、続くトリプルフリップをきれいに決め、全体として、安定感あふれる演技だった。

 フリー演技では、トリプルアクセルに2回挑戦し、2回とも失敗したものの、そのほかの演技を高得点でまとめあげ、ショートに続き、フリーも1位となり、優勝した。

 浅田選手の今回のグランプリファイナルでの演技は、総じて、観ていて、堂々たるものだった。

 しかし、振り返れば、前回、2010年2月開催のバンクーバー五輪で銀メダルを獲得した後、一頃の浅田選手の演技は、観るたびに、津軽弁での「ああ、あれね」だった。観ていて、大変に、はらはらするし、気が気ではない状態だった。

 テレビ画面に向かって声援を送る中で、「ああ、あれね」状態がずうっと続いた時期がある。その頃の浅田選手は、トリプルアクセルに挑むどころではなかった。トリプルアクセル以外の難度の低い演技ですら、やってみなけりゃ分からない感じだった。

 しかし、ここにきて、最近の浅田選手は、かつての悪い状態とは全く違う。今回のグランプリファイナルのショートプログラムでの演技は、観ていて、堂々たるものだ。「ああ、あれね」感じは、みじんもない。
 冒頭のトリプルアクセルは、成功したように見え、惜しくも回転不足を取られたと言っていい。

 浅田選手は、続くフリー演技では、トリプルアクセルに2回挑戦したが、2回とも失敗した。しかし、浅田選手は、崩れなかった。トリプルアクセル以外の演技で得点を稼ぎ、優勝に持ち込んだ。

 トリプルアクセルに2回挑戦し、2回とも失敗したが、浅田選手の演技全体を観ていて、もはや「ああ、あれね」感はない。浅田選手の演技は、観ていて、大変に、はらはらし、気が気ではないという状態から完全に脱却し、今や堂々とした風格すら漂う。

 浅田選手は、トリプルアクセルに2回挑戦することについては、既に、1回目は確実に成功するレベルに到達している。
 しかし、2回目は、1回目成功による勢いが良ければ、成功する。つまり、2回目成功は、本番での一本勝負なのだ。それほどに、トリプルアクセルの2回連続成功は、至難の業である。

 だから、浅田選手は、フリー演技の直前練習でのトリプルアクセルの試技は、1回だけにすべきだ。

 本番で、ジャンプは、一つ目ができ、二つ目も、三つ目も、という具合に、次から次に成功し、気がついたらフィニッシュといった感じの過程の中で、トリプルアクセル1回目成功、続いて2回目成功という流れになるのだ。

 今回、フリー演技の前に行われる直前練習で、浅田選手は、最初のトリプルアクセルに成功したが、2回目は転倒した。
 最初のトリプルアクセルは、いつどこでやっても成功するレベルに到達済みだから、今回の直前練習でも、当然成功した。しかし、2回連続成功の2回目成功は、本番での一本勝負でしかできない。それほど難しいのだ。
 
 浅田選手は、直前練習でのトリプルアクセル2回目を失敗したことにより、急に、本番でのトリプルアクセルができるかどうか不安になった。

 急に、できるかどうか不安になって、本番では、トリプルアクセルへの挑戦が、1回目失敗、2回目も失敗と続いたのだ。

 浅田選手は、フリー演技の直前練習でのトリプルアクセルの試技を1回だけにすれば、本番では、トリプルアクセルの2回連続成功に成功することができる。


 年が明けて、2014年2月、浅田真央選手は、凛としてソチ五輪のリンクに立つ。
  
 ショートプログラムでは、首位になる。かつてショートプログラムを苦手とした浅田選手の姿は、どこにもない。ショートプログラムの中では、1回のトリプルアクセルに挑戦し、完璧に成功させる。

 そして、フリー演技。ジャンプは、一つ目ができ、二つ目も、三つ目も、という具合に、次から次に成功し、気がついたらフィニッシュといった感じの流れである。その過程で、トリプルアクセル1回目に成功し、その1回目成功による良い勢いのままに、トリプルアクセル2回目も成功する。

 満場のスタンディングオベーションを受けて、浅田選手は両手を上に挙げて、天を見上げる。その先に、天国のお母さんが祝福し、満面の笑顔を浮かべている姿が見える。

 浅田選手は、2010年2月のバンクーバー五輪で銀メダルを獲得した後、「天国のお母さんに金メダルを見せ、褒めて貰いたい」一心でひたすら頑張ってきただけである。

 夢は叶う。ひたすら頑張れば、夢は叶う。



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