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人生日々挑戦
「80歳のサンタさんたちにお聞きしたい」
2013年12月14日
テーマ:暮らし
「不患寡而患不均」すなわち「寡(すく)なきを患(うれ)えずして均(ひと)しからざるを患(うれ)う」という言葉がある。
中国の思想家、 孔子が『論語』の中で為政者の心構えを説いた言葉であるが、人間生活における真理を表す言葉でもある。
数人に物を分け与える場合を例にすると、分け与える物の数量が少ないことは、気にしなくていいが、数人にとって分配が不平等かどうかは、気にしなければならないという意味である。
例えば、4人に分け与えるりんごが1個しかないときに、りんごが1個しかないという物の少なさは、気にしなくていい。4人は、誰も少ないことに不満は思わない。腹が減っていれば、それでありがたいと思う。
しかし、4人のうちの1人には与えないで、残りの3人だけに3等分して分配したら、どうなるか。与えられなかった者は、不平等さを不満に思うし、なによりも悲しい。なぜなの?と傷つく。そして、3等分して分配された3人だって、気持ちが良くない。
したがって、合理的な理由がない限り、平等を旨とすべきである。
師走に入り、今年も残すところ20日余りの12月10日、ネットで「匿名サンタ、600万円分の本寄贈 北海道の3小学校に」と題し、次のような朝日新聞デジタルの配信ニュースが流れた。
北海道釧路市阿寒町の阿寒、中徹別、仁々志別の3小学校に9日、匿名の男性から計約3千冊の図書が贈られた。
男性の依頼を受けた市内の学校向け書籍販売店が、辞典や図鑑、児童向けの小説などを選び、段ボール箱につめて各校に届けた。
店によると、男性は11月中旬に来店。3校を指定して、「クリスマスのプレゼントとして、子どもたちに本を贈りたい」と、その場で600万円を支払ったという。店主の男性は「80歳前後で、決して名乗らず、連絡先も言わなかった。突然の話に驚いたが、責任を果たしたいと思いました」と話した。
このニュースを聞いて、嬉しかった。
各小学校の年間の図書購入費がいくら予算措置されているかは存じ上げないが、最近における市町村の財政状況の悪化に照らせば、せいぜい年間100冊、金額にして20万円もあればいい方だろう。
そうしたときに、3小学校に対し、3千冊、600万円分の図書が贈られたのだ。1小学校当たり、1千冊、200万円分の図書の寄贈だ。10年間分もの図書に相当する。
80歳のサンタさんから突然にクリスマスプレゼントが届けられたのだ。小学校の子どもたちがびっくりして喜ぶ様子がテレビ画面でも放送された。観ている方も嬉しくなる。
3小学校に対し、3千冊、600万円分の図書を寄贈したのは、80歳前後の男性で、決して名乗らず、連絡先も言わず、その場でキャッシュで600万円を支払ったという。
80歳前後の男性つまり80歳のサンタさんは、偉い。実に偉い。
私は、配信ニュースの「北海道釧路市阿寒町の阿寒、中徹別、仁々志別の3小学校」を観て、釧路市阿寒町とはどんなところだろうと知りたくなった。
今のネット社会は便利だ。分からないことは、何でもネットが教えてくれる。
フリー百科事典のウィキペディアによれば、2005年10月11日付けで釧路市、阿寒町、音別町の3市町村が合併して、新たな釧路市が誕生した。これに伴い、阿寒町は廃止され、釧路市阿寒町となった。
阿寒町(あかんちょう)は、マリモで有名な阿寒湖を有する。釧路市との合併後、もとの阿寒町役場は阿寒町行政センターとなっている。
阿寒町の人口は、6,401人とある。
阿寒町の各項目の中に、学校についての記載もあり、小学校は、阿寒(あかん)、阿寒湖(あかんこ)、中徹別(なかてしべつ)、仁々志別(ににしべつ)の4校、中学校は、阿寒、阿寒湖の2校ありとある。
これを見て、アレッと思った。配信ニュースによれば、80歳のサンタさんからの3千冊、600万円分の図書を寄贈されたのは、阿寒、中徹別、仁々志別の3小学校であり、阿寒湖小学校が入っていない。
ははあ、小学校の統廃合で、4校が3校になったのかなと思って、釧路市のホームページを見た。
そうしたら、小学校通学区域の項があり、この中に、阿寒小、中徹別小、阿寒湖小、仁々志別小の順に記載されている。すなわち、阿寒、中徹別、仁々志別、阿寒湖の4小学校ともあるのだ。
これが事実だとすれば、釧路市阿寒町の4小学校のうち、阿寒湖小だけが80歳のサンタさんからの図書の寄贈を受けなかったことになる。
そして、これが事実だとすれば、阿寒湖小の子どもたちは、なぜなの?と思い、悲しくなるだろう。
また、寄贈を受けた阿寒、中徹別、仁々志別の3校の子どもたちは、どんな思いがするだろう。
「寡(すく)なきを患(うれ)えずして均(ひと)しからざるを患(うれ)う」べきではなかろうか。
釧路市阿寒町の4小学校のうち、80歳のサンタさんから図書の寄贈を受けたのが阿寒、中徹別、仁々志別の3校で、阿寒湖小は受けなかったのが事実である場合、津軽に住むシニアブロガーは、はてと考えてしまう。
北海道の釧路市阿寒町へは行ったこともなく、縁もゆかりもない。しかし、日本国の将来を担う子どもたちのことは、気になる。
仮に、阿寒湖小の父兄は裕福な人々が多い等の事情で、普段から年間の図書購入費が事実上潤沢であり、他の3校より格段に恵まれているのならば、まあ、やむを得ない。
しかし、そうではないとしたら、話は別だ。
11月中旬に、80歳のサンタさんが市内の学校向け書籍販売店を訪れ、3校を指定し、図書の寄贈を依頼してその場で600万円を支払った際、80歳のサンタさんと店主とで、どんなやり取りがあったのだろう。
配信ニュースでは3校を指定してとあるが、やり取りの中で、釧路市阿寒町には4小学校があると店主は言わなかったのだろうか。4小学校があることを知ったうえで阿寒湖小を除外したのだろうか。
80歳のサンタさんは、3小学校に600万円もの図書を寄贈するくらいだから、教育の大事さを十分に理解されている方だろう。そして、当然、子どもたちの気持ちも分かる方だろう。
もし、阿寒湖小の子どもたちが悲しんでいるとしたら、の話をさせて貰う。
? 80歳のサンタさんは、600万円もの図書の寄贈をポンと実行するくらいだから、よほどのお金持ちだと見る。そこで、別途、阿寒湖小に1千冊、200万円分の図書の寄贈をしていただきたい。
? ?ができないならば、80歳のサンタさんは、阿寒、中徹別、仁々志別の3校にメッセージを送り、各校250冊、50万円分の図書を阿寒湖小に寄贈するよう頼んでいただきたい。
これが実現すれば、結果的に、釧路市阿寒町の4小学校は、それぞれ750冊、150万円分の図書を80歳のサンタさんから寄贈されることになる。めでたしめでたしだ。
? ?も?もできないならば、釧路市阿寒町の図書の寄贈を受けた3小学校の出番だ。3小学校で話し合い、阿寒湖小に申し出て、80歳のサンタさんからの3千冊、600万円分の図書は、4小学校で仲良く分け合うことにしてほしい。
釧路市阿寒町という旧阿寒町時代からの同じブロックの4小学校は、いつも助け合い、仲良くする関係でありたい。それが教育というものだ。
以上、縷々申し上げた。津軽のシニアブロガーの杞憂に終わるならば、それに越したことはないが、子どもたちのことが気になるから、80歳のサンタさんをはじめ、関係のみなさんのご所見をお聞きしたい。
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