「ミスターXの善意が光る年の瀬」

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2013年12月13日ナビトモブログ記事
テーマ：暮らし

　師走に入り、今年も残すところ20日足らずとなった。毎年のことながら、1年が過ぎ去ることの早さを感じつつも、健康で元気に生活できていることを感謝する年の瀬である。

　来年の4月から消費税が現行の5%から8%に増税されるなど、庶民の暮らし向きが厳しさを増していく中で、寒さが身にしみる年末に、善意の人の温かい行為を耳にすると、ホットする。

　12月12日、青森県を代表する地元紙の東奥日報に、「『ミスターX 』今年も」の大見出しと「青森の施設に寄付金届ける」の小見出しがついた記事が掲載された。

　それによれば、青森市の障害者支援施設を運営するNPO法人の事務所に11日、今年もミスターXを名乗る男性が訪れ、善意の寄付を届けた。

　ミスターXは、午後1時前に来所。女性職員に「使って下さい」と話し、封筒を手渡した。女性職員が名前を聞いても、名乗らずに足早に立ち去った。
封筒の裏には「クリスマスか何かの一部にどうぞ!! ミスターX」というメッセージが記載されており、中には現金2万円が入っていた。
　ミスターXによる同施設への寄付は、3年連続で、今回で4回目だという。

　障害者支援施設というから、小規模な障害者通所授産施設といったところか。10人ほどの障害者が通所で在籍し、日中、木工玩具等の作品を作り、道の駅などで売ってもらう。
　障害者通所授産施設は、どこも運営は厳しい。財政事情厳しき折から、昔と比べて、国や県、市町村からの運営費補助金も減額されているのではないだろうか。

　運営は厳しいけれど、障害者支援施設は、障害者やその家族にとって、絶対になくてはならない施設だ。人間は、ハンディを抱えながらも、働くことができることに、生きがいを見出す。働くことで、障害者は喜び、家族も喜ぶ。

　そうした障害者支援施設を運営する人たちは、善意の人である。心優しきその人々は、施設運営が苦しくてもめげない。障害者やその家族を思えば、めげてはいられないからだ。

　人間誰しもそうであるが、寒さが身にしみる年末の楽しみは、クリスマスイブだ。この日を楽しむことで明日への活力も湧くというものだ。

　くだんの障害者通所授産施設は、障害者が10人として、指導する職員は、所長を含めて3人くらいだろう。
総勢13人が楽しむクリスマスイブの予算は、一人当たり1,000円くらいで、総額1万5千円といったところだ。少ないかもしれないが、運営が厳しい施設では、それで精一杯のはずだ。

　そんんな状況下でのミスターXの登場だ。ミスターXからの善意の寄付2万円は、大変にありがたい。施設の予算1万5千円に寄付2万円が加われば、ケーキとジュースや果物のほかに、寿司やプレゼントも買える。
　障害者通所授産施設のクリスマスイブは、大いに盛り上がり、みんな笑顔笑顔となる。

　人間が幸せを感じるのには、贅沢はいらない。一人当たり1,000円くらいの予定が、更に1,000円ないし1,500円増えるだけで、幸せ感は随分違う。そうしたちょっとしたところが大事なのだ。

　ミスターXがどんな人かは知る由もないが、ちょっとしたところの大事さをよく分かっている人だろう。

　
　障害者通所授産施設に3年連続で、今回で4回目の寄付をしているミスターXは、偉い。
　
　2万円と言えど、なかなか寄付できるものではない。それをここ毎年、年の瀬の寒さが身にしみる頃に、実行している。ミスターXの善意が光る年の瀬である。
　
　小規模な障害者通所授産施設を運営する人たちは、心優しき善意の人々だ。そして、それを助けるミスターXもまた、心優しき善意の人である。

　おそらく、ミスターXは、善意の寄付を大仰に扱われるのが苦手で、それだけシャイな人なのだろう。だから、施設の女性職員が名前を聞いても、名乗らずに足早に立ち去ったのだ。

　今頃、新聞報道を見て、汗を拭いているかもしれない。

　そして、クリスマスイブには、障害者通所授産施設のクリスマスイブが大いに盛り上がり、みんな笑顔笑顔なのを思い浮かべながら、お酒を飲むことだろう。
　「お酒はぬるめの　燗がいい肴はあぶった　イカでいい」の舟唄でも口ずさみながら、ちょっとしたところの大事さをかみしめるはずだ。

　そんなことを考えながら、ミスターXの善意の行いを見習うべく、努力することを誓いつつ、シニアブロガーは筆を置く。

　
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