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人生日々挑戦
「大リーガーの田中将大投手を早く観たい」
2013年12月11日
テーマ:人生
日本プロ野球における2013年シーズンは、東北楽天ゴールデンイーグルスの田中将大投手の年である。
楽天が創設9年目にして初めて日本シリーズに登場し、初の日本一に輝いたことは輝いた。しかし、だからといって、2013年シーズンは、楽天の年と表現するよりは、田中将大投手の年であると表現する方がふさわしい。それだけ、田中投手の功績は偉大である。
去る11月23日の勤労感謝の日、楽天の本拠地、Kスタ宮城でのファン感謝祭で、ギネス世界記録の認定式が行われた。
田中投手が今季打ち立てたプロ野球新記録、レギュラーシーズン24連勝、シーズンをまたいでの28連勝、ポストシーズンも含めた30連勝の三つがギネス世界記録に認定されたのだ。
田中投手は、「自分がギネス世界記録に載せてもらうなんて考えたことがなかった。非常に名誉なことです」と語った。いたって控え目な言い方だ。
そして、11月26日、プロ野球の最優秀選手(MVP)の表彰式が行われた。パ・リーグMVPは、満票獲得で田中投手の初受賞だ。
レギュラーシーズン24勝0敗1Sという圧倒的な成績で、最優秀防御率(1.27)、最高勝率(1.000)、最多勝利の3大タイトルを独占し、かつ、楽天の初優勝・初の日本一における最大の貢献者であり、当然の受賞である。
田中投手は、2008年の岩隈久志投手以来、楽天球団史上2人目のMVP受賞者となった。
MVPの受賞に際し、田中投手は、「勝ち星は投手だけではどうにもならない。チームに助けていただいた1年間だと思う」と語っている。田中投手の人間として最も優れているところは、こうした謙虚さにある。
彼を観ていると、いつも、決して驕らないし、威張らないし、自慢しないことが分かる。やはり、この若者はただ者ではない。
田中投手は、日本プロ野球において、単シーズンで成し遂げ得る最高の成績を全部達成してしまったと言える。だから、極論すれば、もう田中投手が日本プロ野球に在籍する意味はない。
若者には旅をさせろだ。太平洋を渡ったアメリカ大陸にこそ田中投手がより挑戦しがいのある舞台がある。
海の向こうの大リーグでは、日本人選手の活躍がめざましい。次に、その一例を挙げる。
12月14日、大リーグは、今季のサイ・ヤング賞(最優秀投手賞)を発表した。ア・リーグでは、リーグ最多の21勝を挙げたタイガースのマックス・シャーザー投手が初受賞に輝いた。最終候補に挙げられていたレンジャーズのダルビッシュ有投手は2位、マリナーズの岩隈久志投手は3位で、日本投手初受賞の快挙はならなかった。
2位のダルビッシュ投手は、今季は13勝9敗、防御率2.83で、277奪三振でリーグ奪三振王のタイトルを獲得し、被打率でもリーグトップの・194を記録した。
3位の岩隈投手は、リーグ3位の219回2/3を投げ、防御率は3位の2.66を記録した。弱小チームで投げながら、14勝6敗の成績を挙げた投球内容が高く評価された。
こうした状況下に、田中将大投手が参戦すれば、どうなるか。野球ファンならずとも、ワクワクするというものだ。
田中投手は、海外球団と選手契約を締結できる海外FA権をまだ取得していないから、大リーグに移籍するには、ポスティングシステム(入札制度)で行くしかない。
昨年までのポスティングシステムでは、入札の上限額がなく、最高入札額の1チームとしか交渉できなかった。
昨年までの制度では、田中投手の場合、上限額は40億円は固く、この40億円がアメリカ球団から楽天球団に支払われる。このほか、田中投手自身への支払額は、50億円は固く、合計すると、90億円は固く、100億円の大台もあり得る。
しかし、ポスティングシステムについては、今季、日米間で見直しの交渉が行われた。紆余曲折を経たうえ、最近、日米間で大筋で合意したとされる新制度では、入札金に2000万ドル(約20億円)の上限が設けられている。
上限額は20億円だが、最高入札額の複数チームと交渉できる。田中投手の場合、上限額の20億円で10チーム程度とも交渉できるものと見られている。
田中投手にとっては、従来制度だと1チームとしか交渉できないのに対し、新制度では10チーム程度とも交渉できるのだから、新制度の方がいい。
しかし、楽天球団は面白くない。従来制度だと40億円以上の額が入るのに、新制度では上限額の20億円しか入らない。差し引きで20億円も少ない。さあ、どうする楽天球団!
そうしたら、案の定、12月11日、ネットで配信ニュースが相次いで流れた。以下にヘッドラインを掲げる。
「マー君手放さん!三木谷発言に全米騒然 - デイリースポーツ(12月11日)」
「三木谷オーナー「移籍させない」…米記者は1週間前の談話掲載 - スポニチアネックス(12月11日)」
自身初のプロ野球日本一に輝いた楽天の星野仙一監督は、12月3日、日本記者クラブで記者会見し、田中将大投手の大リーグ移籍に関し、「若者のチャレンジは賛成」と明言している。
火の玉男の星野仙一監督の明言は重い。やはり、田中将大投手と星野仙一監督の絆は、強くて深い。
それにしても、ここに来ての楽天球団の三木谷オーナー発言「移籍させない」は、何なんだろう。
ポスティングシステムの制度変更により、アメリカ球団から楽天球団に入る金が、40億円から20億円へと20億円少なくなったからか。これまでの経緯に照らせば、20億円少ないからとしか理由が想像できない。
仮に、20億円少ないから「移籍させない」というのでは、三木谷オーナーよ、男がすたるよ。
田中投手は、日本プロ野球において、単シーズンで成し遂げ得る最高の成績を全部達成してしまったのであり、極論すれば、もう田中投手が日本プロ野球に在籍する意味はない。
若者には旅をさせろだ。海の向こうの大リーグという最高の舞台で、田中投手が吼えるさまを、日本中のプロ野球ファンはワクワクしながら観てみたいのだ。
鉄は熱いうちに打てだ。田中投手が最高の今こそ大リーグに挑戦させるべきだ。
金の話をすれば、田中投手のおかげで創設9年目にして初の日本一になった楽天は、仮に日本一になれなかった場合に比し、何年間かのタームでみれば、20億円以上の得をしているはずだ。
田中将大投手を大リーグに行かせるなら、ゴチャゴチャしないで、男らしく気持ちよく送り出してやろうよ。
もし、田中将大投手の大リーグ行きの雲行きが怪しくなったときには、火の玉男の星野仙一監督が黙っていない。だから、何も心配する必要はない。
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