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「相棒・甲斐享と甲斐峯秋 」 

2013年12月09日 ナビトモブログ記事
テーマ:人生

 日本の警察組織は、大きく二つに分かれている。国の警察機関が警察庁であり、都道府県の警察組織が警察本部(東京都は警視庁)である。

 警察官になるには、二つの方法がある。一つは、国家公務員試験に合格して警察官になり、もう一つは、地方公務員試験に合格して警察官になる。

 国家公務員試験により警察官になれば、国の警察機関である警察庁に入庁し、身分は、国家公務員である。これに対し、都道府県が実施する地方公務員試験により警察官になれば、各警察本部(東京都は警視庁)に所属し、身分は、地方公務員である。

 毎年、大卒で、地方公務員としての警察官に採用される者の数は、全国の総数で1,000名程度であるのに対し、国家公務員としての警察官に採用される者の数は、十数名にすぎない。
 俗に、警察官のうち、国家公務員組をキャリア組、地方公務員組をノンキャリア組と呼ぶ。キャリア組は、警察官僚とも称される。

 日本国の警察官組織は、一握りのキャリア組が中枢にいて、その周りを圧倒的に多数のノンキャリア組が取り囲み、支えているという構図である。


 刑事ドラマ「相棒」は、警視庁特命係の二人の警察官が織り成す人気ドラマである。

 水谷豊演ずる特命係係長で警部の杉下右京は、警察組織の中でキャリア組だ。

 杉下右京は、東京大学法学部を卒業後に渡英し、帰国後、キャリア組として警察庁に入庁する。20代後半の3年間のロンドン警視庁における研修を経て、警視庁刑事部捜査二課に出向のうえ活躍する。しかし、ある重大事件をきっかけに窓際部署の特命係に追いやられてしまう。

 杉下右京は、本来、警察官僚として、日本の警察組織を背負って立つほどの人材と言っていい。

 杉下右京の相棒、成宮寛貴演ずる特命係巡査部長の甲斐享は、ノンキャリア組である。

 石坂浩二演ずる甲斐享の父、甲斐峯秋は、警視監で警察庁次長である。

 警察庁次長は、警察組織の上下関係からは、警察庁長官、警視庁トップの警視総監に次ぐナンバースリーと言えるが、人事実務上は、警察庁次長は次に警察庁長官となるべき者を充てるポストとして運用されていることからすれば、実質ナンバーツーとも言える。

 甲斐享と甲斐峯秋の親子は、共に警察官であるが、警察官としての立場が違う。

 甲斐峯秋は、数多くの警察官の中で一握りのキャリア組つまり警察官僚であり、若い時から警察組織は自分が背負い、動かしていくとの自負に燃え、エリートコース中のエリートコースを歩んできた。
 今や、全国にまたがる警察組織の実質ナンバーツーであり、次の警察庁長官と目されている。
 警察組織を支え、守るためという彼の大義名分の下に、傍目からはあこぎと思われることもやってきた。

 息子の甲斐享は、学校の成績については、父親には似ず、父親のように飛び抜けて優秀とはいかなかった。

 甲斐峯秋は、息子が父親と同じようにはいかないことがあることは理解しつつも、時として甲斐享を不甲斐なく思うこともあった。

 甲斐享は、父親の鋭敏さや優秀さは認めつつも、時折息子を不甲斐なく思う感情を敏感に察してしまう。ゆえに、甲斐峯秋に対する批判を抱き、反発の念を引きずってきている。

 息子の甲斐享は、世間一般の目から見れば、不甲斐ないどころか、立派なものだ。しかし、そのことは分かりつつも、甲斐峯秋は、自分の息子のこととなると、つい目線のレベルを上げてしまうのだ。

 甲斐親子は、男同士だから、なかなか自分からは考え方において譲歩しようとはしない。

 警視庁特命係で甲斐享の相棒である杉下右京は、警察組織の中でキャリア組であり、かつ、窓際部署の特命係で長年にわたり苦労してきているだけに、懐が深い。

 杉下右京には、キャリア組の先輩である警察庁次長、甲斐峯秋の凄さがよく分かる。

 甲斐峯秋には、杉下右京の優秀さは一目瞭然であり、その能力を高く評価している。

 杉下右京に相対するとき、甲斐享も甲斐峯秋も、それぞれ親子の一方を良くは言わない。しかし、息子の甲斐享は別としても、親の甲斐峯秋は、内心ではいつも息子のことを気にかけている。世の中に、息子の幸せを願わない親はいない。

 おそらく、警察庁次長、甲斐峯秋は、甲斐享が警視庁特命係で杉下右京と相棒を組ませて貰っていることに、手を合わせて感謝しているはずだ。

 警察官として甲斐享が成長していくうえで、杉下右京と相棒を組むことほど幸せなことはない。全国にまたがる警察組織の実質ナンバーツーであり、次の警察庁長官と目されている甲斐峯秋には、よく分かる。


 刑事ドラマ「相棒」は、いわゆる刑事ものであり、毎回、犯人探しの謎解きストーリーが展開し、それを追いながら、テレビ画面を観るのが面白い。

 しかし、「相棒」が日本人から圧倒的に支持され、人気があるのは、「相棒」は、刑事ドラマだが、同時に人生のあやとか人情の機微を表現しているドラマだからである。

 刑事ドラマ「相棒」は、「相棒」というタイトルが素晴らしい。シンプルに「相棒」という二文字だけだ。その二文字がシンプルであるだけに、視聴者は、それぞれ勝手に脚色して理解できる。

 人生においては、夫婦も、親子も、同僚も、友達も、ライバルも、ペットも、こけしも、愛車も、その他のもろもろも、みんな「相棒」である。

 刑事ドラマ「相棒」は、「相棒」の大事さ、ありがたさも教えてくれる。「相棒」を観ていると、人生勉強ができるというものだ。



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PM4時からの放送が好きです。

彩々さん

キャリア組・ノンキャリア組の区分けが

良く解りました!(スッキリ)

私も相棒のファンですが

何故か今シリーズはあまり観ていません。

再放送分になるのを待っているという感じ

です。

多分、夕刻4時の時間帯で観たほうが

「相棒」の良さが伝わる気がしています。

2013/12/10 05:28:19

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