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人生日々挑戦
十行歌・「上村愛子選手、頑張れ!」
2013年12月05日
テーマ:人生
今から15年前の1998年2月、日本で二度目の冬季五輪となる長野オリンピックが開催された。
長野オリンピックで、私たちは、それまで見たことのないスキー競技に出くわした。
スキーで急斜面を滑り降りるのだが、その斜面にはデコボコ(凹凸)の深いコブが作られている。
選手は、単にデコボコの急斜面を滑り降りるだけでない。途中で、小スロープを利用して空中にジャンプし、大の字の格好になった後に着地したり、空中でスキーごと回転した後に着地したりする。
そして、後は、一目散にゴールに滑り降りる。
このスキー競技は、スキーのフリースタイル競技の一つで、モーグルという。
モーグルは、単にスピードが早いだけではダメで、ターン技術とエア演技が優れたものでなければならない。
多くの日本人は、長野オリンピックで初めてモーグルを目にし、その面白さに引き込まれた。
そして、モーグルの女子で、里谷多英選手が金メダルを獲得した。18歳で高校3年生の上村愛子選手も初出場で7位に入賞し、日本女子モーグル選手が一気に世界のトップ選手の仲間入りを果した。
日本中が歓喜し、モーグルファンになったのは、言うまでもない。
その時、18歳の上村愛子選手がいずれは金メダルを獲ってくれると、みんなが期待を抱いた。
2010年2月14日、スポーツニッポンの配信ニュースは、「笑顔も涙が…上村愛子『何でこんなに一段一段なんだろう』 」とのタイトルつきで、次のように伝えた。
上村愛子の4度目の挑戦は4位で終わった。
4大会連続で出場し着実に階段を上がってきた。98年長野が7位、02年ソルトレークシティーが6位、06年トリノが5位。順位を1つずつ上げてきた。しかし、悲願のメダルまであと一歩。
長野オリンピック出場時には18歳の上村愛子選手は、2010年2月のバンクーバーオリンピック時には、30歳になっている。12年の歳月が過ぎ去っていった。
この間、フリースタイルスキー世界選手権では、金メダル2個、銅メダル2個を獲得し、世界を転戦するワールドカップでは、 総合成績で、2001-02シーズンは銀メダル、2007-08シーズンは金メダルに輝いている。
これだけの押しも押されもせぬ実績からして、日本国中の誰もが、初出場で7位入賞の長野オリンピック後のオリンピック大会でのメダル獲得を期待した。
誰よりも、上村愛子選手自身がメダル獲得を確信していたはずだ。
しかし、98年長野が7位、02年ソルトレークシティーが6位、06年トリノが5位と、順位を1つずつ上げてきて、10年バンクーバーがあと一歩の4位。
上村選手がこれほどまでに精進し、4度もオリンピックに挑戦し続けているのに、神様は、なぜメダルを獲らせてくれないのだろう。
上村選手は、悲願のメダルまであと一歩の4位で終わったのに、銅メダルを獲得したシャノン・バーキー選手に祝福の声を掛けている。
この場面を私たちはテレビ画面で観ている。上村選手は、笑顔でシャノン・バーキー選手に祝福の声を掛けているのだ。そこには、心底好敵手を称える上村選手の愛らしい笑顔がある。
そして、インタビューを受けた時、上村選手は、「私は何でこんなに一段一段なんだろう」と語り始め、あふれ出る涙をぬぐうのだ。
「何でこんなに一段一段なんだろう」。と誰しもが思った。そして、上村選手の胸中を察するなんていう間接的なことではなしに、日本中のみんなが全く同じ思いを抱いた。
こんなのを観せられると、たまらなく切なくなる。実況中継のテレビ画面を観ているシニアは、みんなが、男は上村選手のお父さん、女はお母さんになりきって、上村選手を称え、一緒に涙した。
年が明ければ、2014年2月に、ロシアのソチで第22回冬季オリンピックが開催される。上村愛子選手にとっては、五度目のオリンピックだ。
上村選手には、三度目の正直はなかった。あと一歩で、四度目の正直もなかった。
でも、きっと五度目の正直が上村選手にはソチ五輪である。
2013年11月3日文化の日、日本シリーズ第7戦が東北楽天ゴールデンイーグルスの本拠地・Kスタ宮城で行われた。
楽天の星野監督は、中日で2回、阪神で1回のセリーグ優勝を果しているものの、日本シリーズでは敗れ、日本一になった経験がない。だから、なんとしても星野監督を日本一にならせてあげたい。
結果は、楽天が3-0で巨人を下し、通算成績4勝3敗で初の日本一に輝いた。楽天にとっては、球団創設9年目にして初、星野監督にとっては、初めての日本一だ。星野監督の日本一は、四度目の正直である。
上村愛子選手は、長野県の白馬村育ちだが、東北とは深い縁がある。
上村選手は、これまで、フリースタイルスキー世界選手権でのメダルは、2個の銅メダルのほか、2個の金メダルを獲得しているが、金メダル獲得の大会は、2009年3月に福島県の猪苗代町で開催された。そこで、モーグルとデュアルモーグルの2種目で優勝したのだ。
東北は、東北楽天ゴールデンイーグルスの初の日本一、星野監督には四度目の正直の日本一でこの上なく勇気づけられた。大変にありがたいことだ。
今度は、上村愛子選手の番だ。星野監督の四度目の正直があるから、きっと上村選手の五度目の正直はある。東北とは深い縁をお持ちの星野監督と上村選手だもの。
今度こそ、上村選手にメダルを獲らせてあげたい!
今度こそ、上村選手の嬉し涙の笑顔が観たい!
1998年2月の長野五輪から2014年2月のソチ五輪まで、実に16年だ。上村選手の笑顔と涙を思い浮かべていたら、歌が生まれた。
十行歌・「上村愛子選手、頑張れ!」
長野では
七位になりて
喜びし
十八歳の
愛子さん
一位ずつ
順位上げつつ
ソチ五輪
メダル獲れるよ
今度こそ
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