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人生日々挑戦
「サッカー日本代表・ワントップの切磋琢磨」
2013年11月25日
テーマ:人生
「勝てて良かったです。本当に勝つことだけを意識していました。ゴールできたことは素直に喜んでいいかなと思いますが、これまで決めることができなくて、6試合も7試合もチームに迷惑をかけていたので、これからも得点できればいい」
これは、去る11月20日、サムライブルー、ザックジャパンが戦った対ベルギー戦後の柿谷曜一朗のコメントである。
サッカー日本代表のワントップ、柿谷選手の謙虚さが伝わってくる。この試合で示した柿谷選手のいい仕事からすれば、威勢のいい言葉が語られるのかなと思いきやのコメントであり、好感が持てる。
今年最後の国際強化試合二連戦の第二試合、対ベルギー戦は、11月20日、ベルギーのブリュッセルで行われた。ベルギーは、世界ランク5位で、来年のワールドカップで第1シードとなる8チームのうちの一つだ。
前半15分、ベルギーのゴール、1点目。日本守備陣の裏に抜け出したルカクが飛び出したGK川島をかわし、左サイドからクロスを入れる。酒井高が後ろから走り込んできたミララスに気づかず、ゴールに押し込まれた。
前半37分、日本のゴール、1点目。本田からのパスを受けた酒井宏が右サイドからクロスを入れる。相手のマークを外した柿谷がヘディングシュート。これがドンピシャリと決まり、日本が同点に追いついた。
前半15分に日本守備陣のミスが三つも重なり、やらずもがなの1点を献上した後だ。それだけに、この試合でワントップの先発でスタートした柿谷選手のヘディングシュート、しかも身体ごとダイビングするかのようなドンピシャリゴールは、日本の志気を鼓舞するうえで効果絶大である。
前半は、1-1で終えた。試合前日に、本田圭佑は、ベルギーは怖くない、ベルギーをぶっつぶしてやる旨を広言した。それが現実味を帯びる展開だ。
いよいよ後半開始。遠藤と岡崎を投入した日本が攻勢を強めていく。
後半8分、日本のゴール、2点目。遠藤が出したパスを香川が相手守備陣を引き付けながらスルーし、中央で受けた本田が右足で逆転ゴールを決める。
いつもは、黄金の左足で決める本田圭佑が咄嗟に右足で決めたのだ。実に価値ある一発は、勝ちを予感させてくれる。
後半18分、日本のゴール、3点目。右サイドで岡崎と長谷部が粘って、長谷部が中央に持ち込み、柿谷へパスを出す。柿谷はダイレクトで岡崎へパス。走り込んだ岡崎が右足で叩き込む。
岡崎のゴールをアシストしたのは、またしても柿谷選手だ。
後半18分、日本のワントップが柿谷曜一朗から大迫勇也に交替。結局、この試合、柿谷選手は、1ゴール1アシストを決めたことになる。
後半34分、ベルギーのコーナーキックに、高さで勝る相手選手がヘッドで合わせてゴールを決め、2点目を許したものの、日本がベルギーに3-2で勝った。
冒頭に掲げた柿谷選手のコメントにある「勝てて良かった」「ゴールできたことは素直に喜んでいいかなと思いますが、これまで決めることができなくて、6試合も7試合もチームに迷惑をかけていた」には万感の思いが込められていることを私たちは知らなければならない。
柿谷曜一朗、1990年1月生まれの23歳、大阪市出身でセレッソ大阪所属。ポジションはフォワード、ミッドフィールダー。
去る10月半ば、サムライブルー、ザックジャパンの東欧遠征が行われ、10月12日にセルビア戦、15日にベラルーシ戦と、アウェーで続けて行われた国際強化試合。
結果は、セルビア戦が0-2、ベラルーシ戦が0-1と、2試合とも無得点で連敗。世界ランクは、セルビアが43位、ベラルーシが80位で、相手は、共にワールドカップ出場権を獲得できなかった国だ。
本田圭佑、香川真司の両エースのほかに、最近、新たにサムライブルーの攻撃陣に加わった柿谷曜一朗に大いに期待したのだが、全くの期待はずれに終わった。
2試合とも、日本は、ほとんど決定機を作ることができず、零敗。10月半ばの東欧は寒いが、それ以上にサムライブルーの試合ぶりは、寒かった。全く元気がなかったのだ。
この東欧遠征におけるザックジャパンの不甲斐なさを受けて、メディアではザッケローニ監督の解任論が飛び交う始末。
そうした中、ワールドカップまで7か月を切った11月半ば、今年最後の国際強化試合二連戦がアウェーで行われた。その結果いかんが大きな注目を集めた。
11月16日には、二連戦の第一試合、対オランダ戦がベルギーのヘンクで行われた。世界ランク44位の日本に対し、オランダは、8位だ。
前半13分、オランダのゴール、1点目。日本のイージーミスでやらずもがなの1点目を献上。
前半39分、オランダのゴール、2点目。右サイドでボールを受けたロッベンが中央に切り込み、左足でカーブをかけたシュートを放ち、ゴール。
さすがは、世界のエースストライカー、ロッベンだ。ボールを受けた後、一瞬のタメを作り、シュート。世界のエースストライカーは、チャンスを一発で物にし、ゴールをあげる。
前半39分まででの0-2を観て、コテンパンに負けるのかなとの思いがよぎった。
しかし、そうではなかった。
前半44分、日本のゴール、1点目。 吉田が高い位置でパスをカットし、長谷部へ。長谷部からゴール前に走り込んだ大迫にスルーパス。大迫がこれをダイレクトで決め、日本が追撃の1点。
いつもはワントップの先発で起用され、いつも結果を出せない柿谷曜一朗に代わり、この試合でワントップの先発を果した大迫勇也。貴重なチャンスを一発で決めてくれた。しかも、前半終了間際にだ。
後半15分、日本のゴール、2点目。遠藤が右サイドへ展開。内田、岡崎、本田、内田とつなぎ、ペナルティーエリア内の大迫へ。大迫がダイレクトで落とすと、本田が左足でシュート。日本のパスワークがオランダ守備陣を崩し、2-2の同点に追いついた。
ここでの日本のパスワークは、今までは観られなかったようなパス技術だ。まるで、ヨーロッパの超一流の強豪チームのそれと見間違うような見事さだ。
そして、本田圭佑が一発で決めた。世界のエースストライカーのネイマールやロッベンのようだった。
本田圭佑のゴールをアシストしたのは、またしても大迫勇也だ。
後半28分、日本のワントップが大迫勇也から柿谷曜一朗に交替。
後半33分、中央をドリブルで進んだ香川が柿谷へスルーパス。柿谷は完全に抜け出し、オランダGKと1対1になるが、シュートは、ゴール右に外れた。日本は、逆転の絶好機を逃した。
そして、結果は、2-2の引き分け。
オランダ戦における一つのポイントは、日本のワントップである大迫勇也と柿谷曜一朗の明暗である。
大迫勇也は、先発のチャンスを一発で物にし、1ゴール1アシストを記録して、それまで続いた日本の窮地を救った。
何度思い返しても、この試合は、日本が99%オランダに勝てた試合だ。
後半33分、柿谷曜一朗が完全に抜け出し、オランダGKと1対1になり、シュートした場面。ごく普通にシュートするだけで入る。
しかし、ゴール右に外れ、日本は、逆転の絶好機を逃した。
この結果は、大迫勇也が男を上げ、完全に柿谷曜一朗に差をつけたように見える。
大迫勇也、1990年5月生まれの23歳、鹿児島県加世田市(現南さつま市)出身で鹿島アントラーズ所属。ポジションはフォワード。大迫選手は、柿谷選手より学年が一つ下だ。
対オランダ戦では、大迫選手と柿谷選手とで、明暗が180度違うほどに分かれた。
柿谷曜一朗にも、男を上げ、オランダ戦逆転勝利のヒーローになり、大迫勇也に一歩差をつけるチャンス、それも絶好機があった。しかし、柿谷曜一朗は、イージーミスでそれを逃した。
柿谷選手にとって、痛恨の極みである。試合後、柿谷選手は、「この悔しさは一生忘れない」と語ったという。その気持ちは、誰しもが痛いほど分かる。
今年最後のアウェーでの国際強化試合二連戦。日本は、世界ランクが8位のオランダとは2-2で引き分け、同5位のベルギーには3-2で勝った。サムライブルーは、着実に力をつけていると実感できた。
日本の二人のワントップ、柿谷曜一朗と大迫勇也。
対オランダ戦では、大迫選手が1ゴール1アシストをあげ、柿谷選手は逆転勝利の絶好機をミスった。この時点では、大迫選手が完全に柿谷選手に差をつけた。
しかし、続く対ベルギー戦では、逆に、柿谷選手が1ゴール1アシストをあげ、勝利に大きく貢献した。この結果、柿谷選手は、大迫選手に追いつき、完全に両者は並んだ。
それもこれも、我らがサムライブルーを率いるザッケローニ監督の名指揮のおかげである。
この先、日本の二人のワントップ、柿谷曜一朗と大迫勇也の切磋琢磨が激しく続く。そして、ザッケローニ監督が二人を含む全体の戦術と選手起用の両面でサムライブルーの更なる底上げを図る。
2014年6月12日から7月13日にかけてブラジルで開催されるワールドカップ。ザックジャパンの今後に思いを馳せるとき、本田圭佑が広言してはばからない「日本のワールドカップ優勝」も夢ではない。
少なくとも、この先、その夢は、現実的に見ることができるのが嬉しい。頑張れ、サムライブルー! 頑張れ、ザックジャパン!
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これからも進歩を
サッカー日本代表の活躍は楽しいですね。世界の中では当然ながらまだまだですが進歩はしていると思います。
私の父が生前日本代表の試合を観ていた頃は海外で活躍の日本人は2人位でした。今はぞろぞろいます。今生きていたらどう思うだろうか、どれだけ喜んで観るだろうかと思うたびに、いつも涙ぐみます。
2013/11/26 10:20:46