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「今年の漢字」 

2013年11月20日 ナビトモブログ記事
テーマ:暮らし

 最近のニュースは、不愉快なことの方が圧倒的に多い。そして、不愉快なニュースのキーワードは「偽」だ。偽とは、音ではギ、訓ではいつわるであり、本物らしく見せてだますことをいう。
 今、世間で蔓延している偽装の発覚は、「偽」の典型事例だ。偽装とは、事実とは異なるのに、あたかもそれが本当であるかのように偽ることをいう。

 去る10月22日の阪急阪神ホテルズの食品偽装発覚以降、日本全国各地のホテル、デパート、レストランなどで、続々と食品偽装が発覚している。
 食品偽装発覚が報道されない日はない。堰を切ったように、我も我もと、発覚させ、決まって、いい大人が謝罪の頭下げだ。こんなのに公共の電波を使うなと言いたい。

 食品偽装だけでも連日世間がうるさい中、11月7日には、ネットの楽天市場における日本一セールに絡む価格偽装が発覚した。

 毎日毎日、食品偽装や価格偽装のオンパレード。しかも、食品偽装や価格偽装だけではない。

 去る11月12日、JR北海道は、安全安心に係る偽装があることを認めた。同日の北海道新聞の配信ニュースによれば、JR北海道の一連の不祥事をめぐって行われた国土交通省による9月下旬の特別保安監査の直前に、函館管理室管内でレール幅などの検査データが意図的に改ざんされていたという。

安全安心に係る偽装ほどあくどいものはない。人の命がかかっているものを偽装するのは、明らかに犯罪行為だ。
 JR北海道の安全安心に係る偽装がこのまま放置されることによって、人身事故が起きたらどうする。取り返しのつかないことが起きる前に、JR北海道の安全安心対策を抜本的に改革させなければならない。

 以上のように、今年も残すところ第4四半期のみとなったところで、俄然、偽装のマグマが噴出しだした。


 年の瀬が近づくと、我々日本人は、改めて日本文化の奥深さに思いをいたすようになる。

 なにせ、漢字一字で世相を表現するなんてのは、漢字が持つ奥深さであり、同時に日本文化の奥深さそのものである。

 「今年の漢字」は、日本漢字能力検定協会が毎年のキャンペーンとして行っている師走行事である。1995年(平成7年)に始まり、今年で19年目を迎える。毎年12月12日の「漢字の日」に発表される。

 日本漢字能力検定協会のホームページを参照して、これまでの歴史を振り返ってみよう。

1995年 震(シン/ふるう・ふるえる)阪神・淡路大震災や、オウム真理教事件、金融機関などの崩壊に"震えた"年。

1996年 食(ショク/たべる)O-157食中毒事件や狂牛病の発生、税金と福祉を「食いもの」にした汚職事件の多発。

1997年 倒(トウ/たおれる)山一證券など大型倒産の続出や、サッカー日本代表が並みいる強豪を倒してワールドカップ初出場決定。

1998年 毒(どく)和歌山のカレー毒物混入事件や、ダイオキシンや環境ホルモンなどが社会問題に。

1999年 末(マツ/すえ)世紀末、1000年代の末。東海村の臨界事故や警察の不祥事など信じられない事件が続出して、「世も末」と実感。来年には「末広がり」を期待。

2000年 金(キン・コン/かね・かな)シドニーオリンピックでの金メダル。南北朝鮮統一に向けた"金・金"首脳会談の実現。新500円硬貨、二千円札の登場など。

2001年 戦(セン/いくさ・たたかう)米国同時多発テロ事件で世界情勢が一変して、対テロ戦争、炭そ菌との戦い、世界的な不況との戦いなど。

2002年 帰(キ/かえる・かえす)北朝鮮に拉致(らち)された方の帰国、日本経済がバブル以前の水準に戻ったこと、昔の歌や童謡のリバイバル大ヒットなど「原点回帰」の年。

2003年 虎(コ/とら)阪神タイガースの18年ぶりのリーグ優勝、衆議院選挙へのマニフェスト初導入で政治家たちが声高に吠(ほ)えたこと、「虎の尾をふむ」ようなイラク派遣問題など。

2004年 災(サイ/わざわい)台風、地震、豪雨、猛暑などの相次ぐ天災。イラクでの人質殺害や子供の殺人事件、美浜原発の蒸気噴出事故、目を覆うような人災が多発。「災い転じて福となす」との思いも込めて。

2005年 愛(アイ)紀宮様のご成婚、「愛・地球博」の開催、各界で「アイちゃん」の愛称の女性が大活躍。残忍な少年犯罪など愛の足りない事件が多発したこと。「愛」の必要性と「愛」欠乏を実感した年。

2006年 命(メイ・ミョウ/いのち)悠仁様のご誕生に日本中が祝福ムードに包まれた一方、いじめによる子どもの自殺、虐待、飲酒運転事故など、痛ましい事件が多発。ひとつしかない命の重み、大切さを痛感した年。

2007年 偽(ギ/いつわる・にせ)身近な食品から政界、スポーツ選手にまで、次々と「偽」が発覚して、何を信じたら良いのか、わからなくなった一年。

2008年 変(ヘン/かわる・かえる)日米の政界に起こった変化や世界的な金融情勢の変動、食の安全性に対する意識の変化、物価の上昇による生活の変化、世界的規模の気候異変など様々な変化を感じた年。

2009年 新(シン/あたらしい・あらた・にい・さら)さまざまな「新しいこと」に期待し、恐怖を感じ、希望を抱いた一年。世の中が新たな一歩を踏み出した今、新しい時代に期待したい。

2010年 暑(ショ/あつい)夏の全国の平均気温が観測史上最高を記録して、熱中症にかかる人が続出。また、チリ鉱山事故で暑い地中から作業員全員が無事に生還。

2011年 絆(ハン・バン/きずな・ほだす)東日本大震災をはじめとした大規模災害により身近でかけがえのない人との絆をあらためて知る。なでしこジャパンのチームの絆にも感動。

2012年 金(キン・コン/かね・かな)「金」に関する天文現象の当たり年。数多くの「金」字塔が打ち立てられた1年。「金(かね)」をめぐる問題が表面化。

 これを見ると、各年でなかなか上手いものだと感心させられる。大体が毎年異なる漢字が選ばれているが、例外もある。2000年と2012年だけが、金(キン・コン/かね・かな)である。


 ネットを見たら、漢字辞典ネットというのがヒットし、11月9日時点での「今年の漢字」の予想を掲げている。予想順は、1位が倍(倍返し)、2位が富(富士山)、3位が輪(五輪東京)、4位が天(天災、楽天)、5位が偽(偽装表示)となっている。

 私は、ここ最近の相次ぐ偽装発覚の勢いを買って、「偽」を推す。本当は、こんなことの勢いを買いたくないのだが、漢字一字で世相を表現するなら、やはり「偽」だ。
 
 そうしたら、2007年も偽(ギ/いつわる・にせ)だった。この年は、身近な食品から政界、スポーツ選手にまで、次々と「偽」が発覚して、何を信じたら良いのか、わからなくなった一年だったという。

 2007年の偽については、くだんの漢字辞典ネットでは、食肉や野菜の産地偽装、加工食品の原材料偽装、賞味期限改ざん、年金記録や政治活動費の偽り、官庁の裏金工作、耐震偽装問題、人材派遣会社の偽装請負事件などの出来事があったとしている。

 ここまでを振り返ると、「今年の漢字」の予想もさることながら、深刻な事態であるのは、2007年にあれだけ、産地偽装、原材料偽装、賞味期限改ざん、耐震偽装など「偽」が事件になりながら、性懲りもなく、今年、2013年もまた「偽」が事件になっていることだ。

 しかも、驚天動地であるのは、阪急阪神ホテルズと高島屋の食品偽装だ。阪急阪神ホテルズの食品偽装が行われていた期間は、2006年3月から今年9月までの7年半、高島屋の食品偽装のそれは、2004年4月から今年11月1日までの9年7か月である。
 両社とも、2007年の一連の「偽」事件発覚にもかかわらず、その後も長年にわたり、平気で、むしろ開き直ったかのように、食品偽装を続けている。これほどあくどい事はない。

 やはり、「今年の漢字」は、「偽」だ。2007年以来の二度目の「偽」だ。しかし、この先、三度目は、決してあってはならない。


 
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