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「津軽弁・ばふらっと」 

2013年11月12日 ナビトモブログ記事
テーマ:暮らし

 世の中に「ばふらっと」という言葉がある。「ばふらっと」といっても、「近所にあればふらっと立ち寄りたいお店」の「ばふらっと」ではない。近所にあれば、ふらっと立ち寄りたい、の「ばふらっと」なら、誰でも分かる。

 試しに、ネットで「ばふらっと」を検索してみた。今のネット社会は、実に便利だ。調べたいことは、何でも瞬時に教えてくれる。

 まず、次のような質問と回答がヒットした。

質問 友人や上司との会話の中で、「ばふらっと」しているという言葉がよくでてきます。どこかの方言なんでしょうか?

回答 北海道民です。北海道や東北(私の母は秋田県出身で秋田県の人は使っています)の方言ですね。
 シートがばふらばふらしてる(風でバサバサとなびいている)
 ばふらっとした服を着ている(バサッとした大きめな服を着ている)みたいな感じで使います。

 北海道弁では、「ばふらっと」は、風でばふらばふらしている様子とか、大きめな服を着ているときの大きめ感を表すようだ。まあ、物理的な状態について指し示す言葉といえる。

 次に、北海道在住の人のブログ記事がヒットした。「ばふらっとした目標を決めてみる」とある。
 これは、物理的な状態について指し示すのではなく、目標の態様を示しており、「 大体の ・ 大ざっぱな ・大まかな ・ ざっくりした ・ アバウトな ・ ざっと ・ 概略の・ おおよその ・ ラフな 」といった意味だ。

 そして、次に、平成20年度北海道消費生活審議会の第1回北海道消費生活条例見直し検討部会の会議録がヒットした。その一部を掲げる。

○橋本委員:消費者庁の設置というところは道の方でどこまで把握なさっているのか、ちょっとお聞きしたいと思うのです。本当にわからない状態で、先ほどの資料の段階でとまっているのでしょうか。
○事務局(石川参事):確かな情報のない中で、私どもも十分お話ができない部分があります。マスコミ等によりますと、今秋の国会には4本の法案が出ると。一つは、消費者庁の設置、大臣、それから周辺規正法をまとめる部分、それから消費者センター等の部分の法律の4本ぐらいではないかと言われております。その中身については、会議等でもばふらっということでしか示されない部分でございます。

事務局答弁に「ばふらっということでしか示されない部分」とある。
 
 これを見て、別の意味で、面白いなあと思った。北海道庁という役所の消費生活審議会におけるやりとりが当然ながら標準語で行われている最中に、「ばふらっと」という方言が出てくる。無意識のうちに出てしまうのだろう。

 ここでの「ばふらっと」は、アバウトで、あるいは曖昧で、はっきりしないさまを表す意味で使われている。

 実は、津軽弁でも「ばふらっと」を使う。意味は、先ほどらい出ている意味より若干広い感じがする。以下に示す。

? 物が「ばふらっとしている」のように、風でばふらばふらしている様子とか、大きめな服を着ているときの大きめ感といった物理的な状態を指し示す。

? 「ばふらっとした目標」のように、態様を示し、「 大体の ・大ざっぱな ・大まかな ・ ざっくりした ・ アバウトな ・ ざっと ・ 概略の・ おおよその ・ ラフな 」といった意味だ。

? 曖昧には、態度や物事がはっきりしないさまを表す意味があり、漠然には、ぼんやりとして、はっきりしないさまを表す意味があるが、これらの意味で「ばふらっとしている」を使う。

? 体調について「ばふらっとする」のように、体調がはっきりせず、ボーっとした感じであることを示す。

 このように、一口に「ばふらっと」といっても、さまざまな、いろいろな意味合いがあり、津軽弁は奥が深い。
 

 1868年の明治維新後、北海道の開拓のため、日本全国各地から多くの人々が津軽海峡を渡って移住した。

 北海道民のルーツの中で一番数が多いのは、青森県人である。さすが、北海道の南隣だけのことはある。

 北海道ファンマガジンというブログの2008年3月14日付け記事によれば、北海道への移住者は、全都府県からであるが、青森県が1位、新潟県が2位で、それぞれ約5万戸の移住者を送り出している。
 続いて、秋田県、石川県、富山県であり、いずれも4万戸を超える。
 その次が宮城県と岩手県の3万戸台。以下、山形県、福井県、福島県、徳島県、東京都と続く。

 5万戸の青森県人が北海道へ移住した際に、津軽弁も南部弁も津軽海峡を渡った。そして、今に至る。移住した津軽弁の一つが「ばふらっと」である。

 北海道は、いつ行っても、函館周辺や札幌方面など、どこへ行っても、懐かしさを覚える。

 言葉は、津軽弁とは同じではないが、イントネーションが、元々勢いがある津軽弁の言い回しのうち、優しいところに似ているのだ。

 テレビの旅番組で出てくる利尻島、礼文島、知床など、どこでも津軽弁のうちの優しい言い回しに似ている。

 青森県の人口は、137万人であり、北海道の人口は550万人である。明治維新後の北海道移住の経緯に照らせば、北海道民550万人の少なくとも一割のルーツは、青森県人だ。

 ということは、137万人の青森県民の北隣の北海道に60万人ほどの青森県人がいるようなものだ。


 残念なことに、JR北海道の相次ぐ不祥事が連日のように報道されている。
 なんでこんなことが起きるのか、素朴な疑問だ。事が安全安心に関わることだけに、深刻な事態だ。

 JR北海道には、全路線における安全安心が確保されるよう、抜本的改革を断行してもらいたい。

 まあまあとか、なあなあとか、「ばふらっと」した対応策は、決して許されない。心して取り組まなければならない。

 そのためには、JR北海道の現社長は、今日のような深刻な事態を招いた責任を取って、即刻、辞任すべきである。
 抜本的改革のすべては、そこからがスタートだ。
 体制を一新しない限り、安全安心確保の抜本的改革が断行できるわけがない。
 このことは、経験則に照らし、自明の理である。



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